「大量絶滅」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
AvocatoBot (会話 | 投稿記録)
m r2.7.1) (ロボットによる 変更: vi:Sự kiện tuyệt chủng
m 私による以前の編集の訂正や新たなリンクを設けました。
6行目:
[[多細胞生物]]が現れた[[ベンド紀]]([[エディアカラ紀]])以降、5度の大量絶滅(オルドビス紀末、デボン紀末、ペルム紀末([[P-T境界]])、三畳紀末、白亜期末([[K-T境界]]))と、それよりは若干規模の小さい絶滅が数度あった<ref>ウォード(2005)による。</ref>とされる。大量絶滅の原因については、K-T境界のように隕石や彗星などの天体の衝突説が有力視されている事件や、P-T境界のように[[超大陸]]の形成と分裂に際する大規模な火山活動による環境変化([[プルームテクトニクス]]も参照のこと)が有力視されている事件など様々であり、その原因は一定しているわけではない。
 
大量絶滅の直後には、空席になった[[ニッチ]]([[生態的地位]])を埋めるべく、生き延びた生物による急激な[[適応放散]]がおきる。例えば[[恐竜]]が絶滅したことにより、[[白亜紀]]以前には小型動物が中心であった[[哺乳類]]<ref>一般に中生代において哺乳類は恐竜に比べて少数派であったような印象があるが、これは正しい認識ではない。大型動物を恐竜が占めており、陸上の生態系における上位の存在だったというのが正解である。中生代の地層から288以上の属が発見されており、アメリカおよびヨーロッパにおいては恐竜を数的には上回っている事が確認されている。それ以外の地域では中生代における哺乳類の化石の発掘がそれほど盛んに行われていないことと、化石自体が小さく見つかりにくいため確認は取れていないが、中生代に生息していた哺乳類の種は、恐竜のそれをはるかに上回る可能性が高い。[[平山廉]]、『図解雑学 恐竜の謎』、[[株式会社ナツメ社]]、2002年、p144-145p144-145</ref>は、急速に多様化・大型化が進み、[[生態系]]の上位の存在として繁栄を享受することとなる。
 
[[File:Phanerozoic Biodiversity.svg|thumb|400px|[[顕生代]]における[[生物多様性]](科レベル)の推移。横軸は年代を表し単位は百万年。灰色がセプコスキのデータ、緑色が"well-defined"データ、黄色の三角が5大絶滅事件(ビッグファイブ)。2億5100万年前に位置する谷間がP-T境界、右側6550万年前の谷が恐竜が絶滅したK-T境界]]
14行目:
[[V-C境界]]と呼ばれ、最近の研究で大量絶滅があったことが判明しつつある。下に述べる[[古生代]]末の大量絶滅([[P-T境界]])と同じく、[[超大陸]]の形成と分裂が原因と推定されている事件。[[ゴンドワナ大陸|ゴンドワナ]]と呼ばれている超大陸が形成・分裂した時期に相当する。超大陸の分裂に際しては[[プルームテクトニクス|スーパープルーム]]が地上まで上昇してきて非常に大規模な[[火山活動]]が起こり、地球表面の環境が激変するため、大量絶滅が起こると考えられている。
 
[[原生代]]のベンド紀には[[エディアカラ生物群]]<ref>エディアカラ動物群とも呼ばれる。</ref>が存在していた。この生物群は[[オーストラリア]]の[[エディアカラ]]で多数の化石が発見されたことから命名されたが、生物体は全て[[軟組織]]で出来ており体表を保護する硬い骨格を有していなかった。エディアカラ生物群は約5億4500万年前のV-C境界を境に殆ど見つからなくなるが、以後[[三葉虫]]のような硬骨格を有する生物が出現する。
 
=== オルドビス紀末 ===
24行目:
 
=== デボン紀後期 ===
古生代[[デボン紀]]後期の[[フラスニアン/]]期と[[ファメニアン]] (の境に当たる[[F/-F) 境界]](約3億7500万年前)には、[[ダンクルオステウス]](または[[ダンクレオレステス]])<ref>ダンクルオレステス(Dunkleolestes)、ディニクティス(Dinichthys)とも呼ばれる。当時の[[海域]]において[[頂点捕食者]]に君臨していた。</ref>などの[[板皮類]]<ref>これを生き残った一部の種も[[ミシシッピ紀]](石炭紀前期)までに、ことごとく滅んだ。</ref>や[[甲冑魚]]をはじめとした多くの海生生物が絶滅している。全ての生物種の82%が絶滅したと考えられている。
 
腕足類や魚類のデータから、高緯度より低緯度の、淡水域より海水域において絶滅率が高いことが判明している。
32行目:
=== ペルム紀末 ===
{{Main|P-T境界}}
古生代後期の[[ペルム紀]]末、P-T境界(約2億5100万年前)に地球の歴史上最大の大量絶滅がおこった。海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅した。既に絶滅に近い状態まで数を減らしていた[[三葉虫]]はこのときに、とどめをさされる形で絶滅した<ref>[[富田京一]] 他、『21世紀こども百科 宇宙館』、[[小学館]]、2001年、p142p142</ref>。
 
この大量絶滅は化石生物の変化から実証されているが、絶滅の原因には幾つかの仮説がある。
53行目:
=== 白亜紀末 ===
{{Main|K-T境界}}
[[三畳紀]]後期から[[ジュラ紀]]〜[[白亜紀]]に繁栄していた[[恐竜]]は約6550万年前に突如として絶滅してしまった<ref>[[アラモサウルス]]などの一部の属は、短期間であるが、これを生き延びていた可能性が高いことが化石で示唆されている。</ref>。[[翼竜]]、[[首長竜]]<ref>[[魚竜]]はK-T境界よりも前に数千万年早く絶滅した。</ref>、[[モササウルス類]]、[[アンモナイト]]が完全に絶滅したのもこの時期である。全ての生物種の70%が絶滅したと考えられている。
 
その原因については諸説あるが、[[小惑星]]が地球に衝突、発生した火災と衝突時に巻き上げられた[[大気エアロゾル粒子|塵埃]]が太陽の光を遮ることで、全地球規模の[[地球寒冷化|気温低下]]を引き起こし、大量絶滅につながったという説('''隕石説''')が最も有力である。