「ショット (バスケットボール)」の版間の差分

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[[file:TMac over Deshawn.jpg|thumb|ジャンプショット]]
'''[[バスケットボール]]'''における'''ショット'''とは、自チームが得点するためにバスケットの上からボールを通すことあるいはそのための動作、ないしボールがバスケットへ至るまでの一連の流れのこと。シュートは通称であり、ルール(日本バスケットボール競技規則)上ではすべて'''ショット'''と称される。シュートはショットを放つと言う意味の動詞として用い、ショットを放つプレーヤーを'''シューター'''、ショットを放つ役割のガードは'''シューティング'''ガード、ショットを放つ動作を'''シューティング'''モーション、ショットを様々な場所から反復練習するのをシュート・アラウンド、のように用いるのは正しい用法である。<br>
==ショットの概要==
通称「ゴール」と呼ばれる「バスケット」は床から305センチの位置にあるため、ゴールするために選手は頭上の高さへとボールを運ぶことが要求される。
バスケットボールで通称「ゴール」<ref>FIBA国際ルールでは「'''ゴール'''」はライブのボールがバスケットの上から通過するか中にとどまる現象のことを言うのであって、装置の呼称ではない。</ref>
 
と呼ばれる「バスケット(リング)」は床から305センチの位置にあるため、ゴールするために選手は頭上の高さへとボールを運ぶことが要求される。リングの内径は'''45cm'''で、ボールの直径が7号球で凡そ'''24cm'''であるため、真上からボールがリング内を通過した場合、クリアランスは'''21cm'''あることになる。しかしながらダンクショットなど特殊な場合を除いて、実際のショットではリングの水平面に対して角度を持ってボールを通過させなければならないため、リングへの入射角度、つまりはショットの際の発射角度と速度、距離、それらによって決まる最高到達点がショットの成否に大きく影響することは言うまでもない。入射角度が凡そ30度以下となると、ボールはリングに触れることなく通過することが出来なくなる。バスケットボールでは、サッカーやバレーボールとは異なり、ボールの質量、移動速度などから、ボールの回転による空気抵抗で生じる軌道の変化は殆ど無く、放物線を描くと考えて良いが、バックボードやリングなどで跳ねたり転がる際に変化が生じるため、ボールの回転もショットの成否に少なからぬ影響を及ぼす。フィンガーロールショットやバンクショットにその応用を見ることが出来る。実際にはボールの保持方法、肩、肘、手首、指のバスケットにへの方向と位置関係、ステップやジャンプとシューティングモーションのシンクロ具合、腕を伸ばす動作と手首のスナップとの連動具合、フォロースルーの取り方などが、'''ショットの軌道'''と'''回転'''が決定される重要な要素である。
バスケットボールというゲームの定義は「バスケットボールはそれぞれ5人ずつのプレイヤーからなる2チームによってプレイされる。それぞれのチームの目的は、相手チームのバスケットに得点すること、および相手チームがボールをコントロールすることや得点することを防ぐことである」となっている<ref>バスケットボール競技規則1章1条(財団法人日本バスケットボール協会)</ref>。
 
なお、FIBA国際ルール及び日本バスケットボール競技規則では支柱・バックボード・リング・ネット及びその取り付け金具・バックボードサポートを含む一式を「'''バックストップユニット'''」と呼び、リングとネットを合わせたものを「'''バスケット'''」と呼ぶ。また、「'''ゴール'''」はライブのボールがバスケットの上から通過するか中にとどまる現象のことを言うのであって、装置の呼称ではない。
 
== ルール上の位置づけ ==
=== 全般的な特徴 ===
[[File:FIBA court 2010.png|thumb|国際ルールのコート。ベースライン(図中の長方形の下側の辺)を覆う半円がスリーポイントライン。ベースラインから5.8メートルの位置にある線がフリースローライン]]
ボールはバスケットを上から通過しなければ得点としては認められない。またショットが放たれた後にバスケットやバックボードに触れれば[[インターフェア]]となル場合もあり、[[ヴァイオレイション]](ファウルにはならないペナルティ)となる<REF name="FIBA_rule">{{cite web|url=http://www.fiba.com/pages/eng/fc/FIBA/ruleRegu/p/openNodeIDs/897/selNodeID/897/baskOffiRule.html|title=Official Basketball Rules |publisher=[[FIBA]].com |date=2010-04-30 |accessdate=2012-03-29 }}</ref>
====ショットの時間制限 ====
 
 
ボールを保持するチームは一定時間以内にショットをし、そのボールがゴールするかリングに触れなくてはならない。その制限時間は、国際ルールや[[NBA]]では24秒、ミニバスケットボールでは30秒である。その反則はヴァイオレイションである。
{{Ref_bsk|ショットクロック#バスケットボール}}
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ショットされたボールがバスケットよりも高い位置にあり、なおかつ落下している時にオフェンス側の選手がボールに触れた場合には、ボールがバスケットに入っても得点はカウントされない。またディフェンス側の選手が触れた場合には、ショットされたボールがバスケットに入らなくても得点が認められる(ヴァイオレイション)。このルールを'''ゴールテンディング'''と言う。身長の高い選手があまりに有利にならないように導入された。{{Ref_bsk|ヴァイオレイション#ゴールテンディング}}
 
=== ルール上のショットの分類 ===
[[File:Game clock.png|thumb|バックボード上方のクロックの例]]
==== フィールドゴール ====
'''フィールドゴール'''とは、試合の規定時間進行中に放たれるショットのこと。'''野投'''とも呼ばれる。対義語はフリースローとなる。フィールドゴールには、ショットしたプレイヤーの位置により得点2点が与えられるものと、3点が与えられるものがある。{{Ref_bsk|フィールドゴール (バスケットボール)}}
 
 
右図の「スリーポイントライン」よりゴールに近い位置のショットは、ゴールすれば2点の得点となる('''ツーポイントショット''')。スリーポイントラインより外側(スリーポイントエリア)のショットは'''スリーポイントショット'''となり、ゴールすれば3得点が認められる。スリーポイントショットは'''スリーポインター'''とも言う。{{Ref_bsk|スリーポイントフィールドゴール}}
 
 
フィールドゴールの成功率はポジションやプレースタイルで大きく変わる。センターなどゴールに近い位置でプレーするポジションやスラッシャーというインサイドへ切れ込んでショットを狙う選手は距離の短い簡単なショットが多いので、ショット成功率が高い傾向にある。一方、アウトサイドから得点を狙うシューターは距離の長い難しいショットが多いので、成功率が自然と低くなってしまう。このため、ショット成功率はショットの正確さとはあまり関係が無い。
 
ディフェンス側の選手が誤ってバスケットにボールを入れた場合にはオフェンス側の得点(ゲームキャプテンの得点)としてカウントされる。[[NBA]]の場合、最も近くにいたオフェンス側の選手の得点として記録される。
[[File:FIBA free throw.png|thumb|フリースローのポジショニング]]
 
[[File:FIBA free throw.png|thumb|フリースローのポジショニング]]
==== フリースロー ====
'''フリースロー'''('''Free Throw''':自由投)とは、一方のチームが[[ファウル (バスケットボール)|ファウル]]、あるいは、特定の[[ヴァイオレイション]]を犯した場合に、相手チームに認められるペナルティの一つである。フリースローサークル内のフリースローライン手前から、どのプレーヤにも防御される事無くショットを放つ事が出来る。ペナルティーの種類によって、1投から3投までの間で、連続的にスローされ、フリースロー1投がゴールすれば1得点が与えられる。スローされた後のプレーの再開方法は数種類ある。{{Ref_bsk|フリースロー}}
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== 技術上の分類 ==
=== レイアップショット ===
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リングにボールを置くように放つショットは'''レイアップ'''と呼ばれる。走って放たれることが多いので'''ランニングショット'''とも言う。通常はより高く掲げることができるので片手にボールを乗せ、リングの間際でボールを手から離す。レイアップは成功確率の高いショットとされる。ダブルクラッチショットなどの場合に、ボール保持を確実にするため、両手で抱え持つ場合もある。
また、バックボードに跳ね返らせてボールをリングに入れるのも一般的であり、高速動作でもボールを安定することが容易となり、有効な方法である。更にバックボードに触れたショットは上昇中でも触れればゴールテンディングとなるため、ブロックショットを避けるためにも有効である。
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=== ジャンプショット ===
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[[画像:Three point shoot.JPG|thumb|ジャンプショットを放つ選手。2005年FIBAヨーロッパ杯女子決勝より]]'''ジャンプショット'''は、ジャンプし、ディフェンスの上から行うショットのこと。'''ジャンパー'''とも呼ばれる。現在一般的な形のジャンプショットは[[ジョー・ファルクス]]が編み出したと言われる。<!--通常リングから離れた位置で放つショットにジャンプショットが利用される場合が多い-->フリースロー以外のショットはディフェンスをかわして行う必要があり、ジャンプショットが多用される。
 
多くの選手は利き手でスナップする(ワンハンド)ジャンプショットを打つが、両手でスナップする(ボースハンズ)ジャンプショットもある。両手で放つショットは体力的に劣る選手、あるいは長距離のショットで使われることがある。
==== 技術的要素 ====
:概要で述べた理由により、正しくボールを保持すること、肩、肘、手首、指のバスケットに向けた位置の関係、ジャンプ動作とショット動作のシンクロ、腕を伸ばす動作と手首のスナップとの連動、フォロースルーの安定などが正確なショットのための重要な要素である。
:一般的には、シューティングハンドをやや大きめに開き、掌の指の付け根と指全体でボールを保持し、もう一方の手を邪魔にならず、ボールを安定させることが出来る位置で添える。肘を肩よりやや高い位置に挙げボールを頭上に掲げ掌がバスケットに正対し、手の甲が見えるように手首を曲げた状態で構える。この構えによって、前腕(肘から手)は垂直からやや肩の方向に傾いた形となる。手首は位置を固定化するため後方へ一杯に曲げる場合が多い。
:ジャンプ開始からジャンプが最高点に達する間に、上腕を挙げながら肘を伸ばし、前碗をバスケットに向けて振り出し、肘が伸びきる前に手首のスナップをきかせてボールを投げ出す。この際、ボールから最後に離れるのが人差し指と中指になるように調整する。
:そのまま手首のスナップを続けるようにフォロースルーし、下に向いた人差し指と中指とバスケットが一直線上に見え、その間をボールが軌道している事を確認する。
:これらの構えや投法はプレーヤーの'''利き目'''や、筋力に応じて修正が必要である。また、ジャンプショットの種類や、回転の掛け具合、ディフェンダーとの位置関係などにより当然、投法は変化する。いずれにせよ、プレーヤーに適した安定したフォームで、反復練習を行う事により、優れたシューターとなることが出来る。
 
==== ジャンプショットの技術 ====
;バンクショット
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:ドリブルで、ディフェンダーをゴール方向へ押し込み、同時にドリブルを終了し、ステップバックあるいはサイドへステップしながらボールを保持し、放つショット。[[ケビン・デュラント]]の得意技の一つである。
=== フックショット ===
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[[画像:Basketball.jpg|thumb|フックショットを打つ選手。1977年、米国の大学リーグの試合より]]ボールを片手に乗せ、そのまま放るショットを'''フックショット'''と言う。相手ディフェンダーによるショットの阻止([[ブロックショット]])から逃れ、ディフェンスを困難にさせるため、ディフェンダーから見て反対側の腕を使ってボールを放つことが多い。ボールを放つ時に腕が鉤(フック)のような形になるのでこの名がある。
==== フックショットのいくつかの技術 ====
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: 空中でボールを動かすクラッチ動作を入れてのレーンアップ。1988年のダンクコンテストで[[マイケル・ジョーダン]]が見せた。
 
=== その他の種類のショット ===
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; ティップショット
: リングやバックボードに跳ね返ったショットを叩いて入れるショットのこと。'''ティップイン'''とも言う。