「発癌性」の版間の差分

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== 発癌の機構 ==
[[19世紀]]において、発癌の機構は[[デンマーク]]の[[ヨハネス・フィビゲル|フィビガー]]の提唱する'''寄生虫発癌説'''と[[ドイツ]]の病理学者[[ウィルヒョウ]]の提唱する'''癌刺激説'''が対立していたが、[[1915年]]に[[日本]]の[[病理学]]者である[[山極勝三郎]]と[[市川厚一]]が、[[ウサギ]]を用いた実験において、[[コールタール]]を刺激物として実験的に癌を発生させることに成功した<ref>研究のタイムラインは1775年にイギリスの[[パーシヴァル・ポット]]がロンドンの煙突掃除人に陰嚢がんの多いことを報告し、すすがその原因であるとを推論した。1915年に山極勝三郎と市川厚一が、ウサギを用いた実験において、コールタールを刺激物として実験的に癌を発生させることに成功し、筒井秀二郎がマウスでの人工発癌を成功させた。コールタールは混合物質であり、発ガン物質の特定は1929年に[[アーネスト・ケナウェイ]]が、1:2:5:6-ジベンツアントラセンの発癌性を証明した。</ref>。
 
その後、発癌に関する研究が進むと、化学発癌は正常細胞が潜在的腫瘍細胞に変化する不可逆的な段階である「'''イニシエーション'''」と、潜在的腫瘍細胞がクローナルに増殖し、最終的には悪性化する可逆的な段階である「'''プロモーション'''」の複数の段階からなるという、『化学発癌二段階仮説』が提唱された。発癌イニシエーション、プロモーション作用を持つ化学物質を、それぞれ「発癌イニシエーター」、「発癌プロモーター」と呼ぶ。発癌プロモーターは単独では発癌性を示さず、イニシエーターの作用を促進させる働きをする。