「DMB」の版間の差分

2,619 バイト追加 、 9 年前
編集の要約なし
'''地上波DMB'''(T-DMB)は、[[2005年]]に大韓民国で放送を開始した小型携帯機器用[[地上デジタル放送]]。テレビ放送とラジオ放送とデータ放送を実施している。日本の[[ワンセグ]]に相当するもの。
 
大韓民国で採用されている地上デジタル放送規格に米国で開発された[[ATSC]]を採用したが、この規格はそもそも米国の郊外のように広大な土地に家屋が点在する、あるいは島々が点在する地域向けの規格であり、韓国や日本のように山岳と大都市が近接する地域では[[マルチパス|マルチパス妨害]]に弱の影響を受けやすく小型携帯機器での受信には向いていないため、[[ヨーロッパ|欧州]]の[[デジタルラジオ]]規格[[DAB]]・[[デジタル放送]]規格[[EUREKA]]-147を元に開発された
 
日本では自国の環境に合わせて[[ISDB-T]]という放送方式を開発したが、日本より早い2001年に地上デジタル放送を開始した韓国では、一部の放送事業者や市民が中心となって、ATSCよりも移動体受信に強いヨーロッパ方式 ([[DVB-T]]) への転換を求める運動も起きた。
 
結局2004年7月になって政府の審議会が、既に放送開始した地上デジタル放送については方式変更せずATSC方式を引き続き使用することとし、移動体向け放送については[[ヨーロッパ|欧州]]の[[デジタルラジオ]]規格[[DAB]]・[[デジタル放送]]規格[[EUREKA]]-147を元に独自開発することを決めた。
 
2005年12月に一部地域でサービス開始し[[2006年]]5月から首都圏の地下鉄にサービス拡大、[[2007年]]6月に国内全土にサービス拡大。
映像には[[H.264/AVC]]、音声には[[HE-AAC|MPEG-4 BSAC]]、データ放送にはMPEG-4 Systems Core profileを使用。送信周波数はVHF帯を使用。受信困難な地域・地下鉄駅に、ギャップフィラー(電波中継器)を約8000ヶ所(2006年12月現在)設置している。地下鉄駅に限っては受益者負担の観点から、携帯電話事業者が設置・管理している。
 
放送社は、[[韓国放送公社]](KBS)・[[文化放送 (韓国)|文化放送]](MBC)・[[SBS (韓国)|SBS]]・[[春川文化放送]]・[[江原民放]]・[[大田文化放送]]・[[大田放送]]・[[光州文化放送]]・[[光州放送]]・[[安東文化放送]]・[[大邱放送]]・[[釜山文化放送]]・[[KNN (韓国)|KNN]]・[[済州文化放送]]・[[済州国際自由都市放送]]・YTN DMB([[YTN|聯合テレビジョンニュース]])・U1 Media・韓国DMBがあり、地上テレビ放送のサイマル放送のほか、独自編成のチャンネルやラジオ放送を行っている。
 
ISDB方式の普及について日本政府が積極的に活動しているのと同様、韓国政府も海外へのT-DMBの普及活動を行っている。通常の地上デジタル放送規格に移動体向け規格を内包するISDB-Tが地上デジタル未導入地域をターゲットとして地上放送と移動体向け放送の両方をパッケージとした普及活動を行っているのに対し、T-DMBはDVB-TやATSCなど、他の放送方式を利用して既に地上デジタル放送を開始した地域向けに移動体放送用の規格として普及活動を行っている。
 
他の多くの移動体向け放送方式がUHF帯の電波を使用するのに対し、T-DMBはより周波数の低いVHF帯を使用するため、韓国政府は海外への普及活動においては他の方式よりも電波が届きやすいことをアドバンテージとして掲げている。ただし高層ビルの上層階において遠方の基地局からの電波が混信して携帯電話の電波状態が悪化するのと同様、電波が届きやすいことは混信の可能性を高めることにもなるので必ずしもアドバンテージであるとは言い切れない。また、VHF帯ではUHF帯よりも大型のアンテナや受信回路、そしてより多くの電力を必要とするため、携帯電話などの小型の端末への搭載においては却って不利になる。
 
欧州では移動体受信方式として[[DVB-H]]採用されておりいるほか、韓国が採用したATSCにも、移動体向けのATSC-M/H (ATSC for Moblie/Handheld) 規格が2009年に制定されたため、今後T-DMBが主流にな韓国以外で普及するかは未知数。かつてドイツ連邦共和国で採用されていたこともあるが、現在は使用されていない。
 
インターネットを通して、地上DMBを遠隔受信する技術([[IP放送]])も開発された。DMBOと呼ばれ海外でもほぼ同時に視聴可能となる。受信機は日本国でも販売されている。
匿名利用者