「隠し剣 鬼の爪」の版間の差分

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Tribot (会話 | 投稿記録)
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かつて狭間は門下生の中でも随一の腕前であった。しかしある時を境に宗蔵に抜かれ、それを宗蔵が戸田より授かった「隠し剣鬼の爪」によるものだという不満を抱いていた。狭間の妻からの命乞いを拒んだ宗蔵は、不条理さを感じつつも藩命に従い、狭間との真剣勝負に挑む。鬼の爪とは、狭間の思うような技ではない。そして宗蔵は、隠し剣を振るうことなく狭間を討つ。
 
しかし戦いのあと、家老が狭間の妻に行なった所業を知るにおよび、ついに隠し剣鬼の爪が振るわれる。城内の廊下で宗蔵とすれ違った瞬間、倒れる家老。その心臓には、まるで「鬼」に突き刺されたかのような得体の知れない傷があった。鬼の爪とは一切の証拠を残さず一瞬にして相手を屠る、短刀術なのだ。
 
自分に誠実に生きる意味が深くわかった男の足は、女のもとへ向かっていた。武士を棄てて[[蝦夷]]に向かう宗蔵は、一緒に来て欲しいと素直な言葉で語る。陽光の下で笑いあう二人。