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==実現に関しての諸問題==
*;実現に向け推進装置の小型化対策
:超伝導電磁石の冷却に[[液体ヘリウム]]を使用するので、推進装置全体が大型になる。推進装置重量が増す事により排水量185トンクラス<ref>通常型船舶換算で500人収容と同等である。</ref>でありながら、定員は10人と少ない。
*;推進装置の出力対策
:通常型船舶並みの出力を得るには少なくとも20~30[[テスラ]]が必要であったが、技術的に不可能であった。また搭載された推進器でさえ搭載限界重量であった。
*;強烈な磁場を外へ漏らさない対策
:磁気漏れを防止するための遮蔽材が必要となるため船体重量が増す。船殻は磁気の影響を受けない[[アルミニウム合金]]が採用されているが、反面アルミ合金であるため衝撃や歪みに弱く、[[艤装]]は船体を海面に浮かべてからでないと行なえないなどのデメリットが発生する。
*;冷却対策
:超伝導電磁石に超伝導状態を作り出さなければならず、専用冷却装置を装備しなければならない。液体ヘリウムは高価であり、保管も専用施設が必要になる。これに付随した問題として、航行前に推進装置を予冷しなければならず、試験航行前の予冷は約10日間を要した。<ref>急速冷却が可能ではあったが、これを行なうとコイルに不具合が発生する。</ref>
*そほかにも対策箇所が多数あり、試験航行時にも故障が発生するなど、商用実現までには至っていないのが現状である。
 
==開発経過==
*;[[1985年]](昭和60年) - 日本造船振興財団が主体になり「超電導電磁推進船開発研究委員会」<!-- ここは組織名なので意図的に「超電導」のままとします -->を設立。
:電磁推進船の構成およびシステム調査。
:超伝導電磁石、低温技術の調査。
:回流水槽の設計製作。
[[Image:Yamato 1 from the front.JPG|270px|thumb|ヤマト1(前面)]]
*;[[1986年]](昭和61年)
:電磁推進船の推進効率研究。
:超伝導電磁石の設計。
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:実験棟の建設。
:電極材の研究。
*;[[1987年]](昭和62年)
:電磁推進船のモデルテスト。
:超伝導電磁石の詳細設計と単体コイル製作。
:長水槽の建設。
*;[[1988年]](昭和63年)
:電磁推進船の詳細設計。
:コイル・クライオスタットの製作。
:冷却装置製作。
:試験航海海域の調査。
*;[[1989年]](平成元年){{年代要検証|date=2010年10月|元号|1989}}
:電磁推進船の建造着手。艤装。
:コイル他推進装置の組み立て調整。
:三菱造船神戸内に陸上支援施設建設。
*;[[1990年]](平成2年)
:電磁推進船の完成。
:命名式。
:推進装置調整。
*;[[1991年]](平成3年)
:ヤマト-1に電磁推進装置の搭載、調整。
*;[[1992年]](平成4年)
:ヤマト-1神戸湾において海上試験航行。評価など行なう。
 
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*[[神戸海洋博物館]]
*[[船の科学館]]
*[[超電導リニアモーターカー]]
*[[ジェイアール式マグレブ]] - 超伝導マグネット関係で、関係者が開発に関係している。
*[[レッド・オクトーバーを追え!]] - 本船の試験航行の一昨年に「水切り音を追跡できないハイテク推進システムを装備する[[潜水艦]](映画では電磁推進を思わせる設定。小説ではダクト方式)」の登場する映画化作品が劇場公開されていたため、本船に関する海外報道などで言及が見られる。
 
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