「ワイドスター」の版間の差分

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苗場山 (会話 | 投稿記録)
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== 概要 ==
'''ワイドスター'''は、{{和暦|[[1996}}年]](平成8年)[[3月29日]]に、海岸の[[基地局]]を利用した[[船舶電話]]を置き換える目的でサービスが開始された。{{和暦|[[2011}}年]](平成23年)[[12月]]末時点の契約数は41,300契約である。[[スカパーJSAT]]保有のN-STARc({{和暦|[[2010}}6年]](平成22年)6月まではNTTドコモ保有、東経136度)、及び[[JCSAT]]-5A(NTTドコモにおける呼称はN-STARd、東経132度)という2機の静止衛星を用いて、[[日本]]の領海・領土・200[[海里]]水域向けのサービスとして提供しており、衛星が見通せる地点ならば、海上・陸上・空中を問わず利用可能(但し、民間旅客機向けの衛星航空機電話サービスは{{和暦|[[2004}}年]](平成16年)[[3月]]に終了している)。N-STARの初号機は{{和暦|[[1995}}N年]](平成7年)N-STAR-aが打ち上げられた。現在は役目を終えている。衛星通信の場合、[[春分の日]]および[[秋分の日]]前後に、地上局=衛星=太陽が一直線に並び、[[太陽雑音]]による通信品質の劣化が避けられないが、経度の異なる位置に2機の衛星を配置することにより、その影響を最小限にとどめている。<!--目立たない存在だが、日本の国益維持にとってその役割は決して小さくない。-->赤道上空36,000kmの静止衛星から4つのビーム(東日本ビーム・西日本ビーム・沖縄ビーム・小笠原ビーム)で陸上と海上の通信サービスを提供している。衛星は日本領土から見上げると片道約4万km(往復約8万km)の位置に静止しているように見えており(実際は地球の自転と同じ速さで円運動を行っている)、[[電磁波]]の速さは約30万km/秒 であるため、約8万km ÷ 約30万km/秒 ≒ 約0.2秒前後の伝送の遅延が発生する。一般にも利用される代表的なものでは、長距離[[フェリー]](ただし最近は減少傾向にある)や高山にある[[売店]]、[[山小屋]]などに設置してある[[公衆電話]]がある。[[自衛隊]]、[[気象庁]]および[[海上保安庁]]職員のみが駐在している[[硫黄島_(東京都)|硫黄島]]や[[南鳥島]]でも、本土との電話回線にワイドスター電話が使われている。
 
=== 災害対策用通信としての利用 ===
大規模災害に備えて公共施設にも設置されている。[[地震]]などの大災害が発生すると、通常の電話回線は多くの通話が殺到して[[輻輳]]状態になるほか、[[有線通信]]の実態として電話回線が損傷すると通話そのものが不可能になる。その点、衛星電話は地上設備が比較的少なく設備損傷のリスクが少ないと考えられるため、[[地方自治体]]・[[日本の警察|警察]]・[[日本の消防|消防]]用の緊急電話回線(一般用とは別系統のワイドスター電話端末)が設置されている。また企業でも災害対策用として導入が進んできている。しかしながら、回線数は有限であるため、極端に輻輳が発生した場合においては[[PDC]]と同様に「しばらくお待ちください」と表示されることもある。
 
[[東北地方太平洋沖地震]]においては、携帯電話や一般固定回線が設備の破損により使えなくなった地域の避難所などに、複数台のワイドスターが配備され利用されている<ref>[http://www.nttdocomo.co.jp/info/network/kanto/pages/110311_2_d.html 東北地方太平洋沖地震の影響による携帯電話のつながりにくい状況について<br />6.衛星携帯電話の配備について以下の避難所に衛星携帯電話を配備いたしました。(3月19日 午後1時現在)]</ref>。<!--{{要出典範囲|災害時に強いという触れ込みで個人契約者にも相当数が販売されたが、実際に局地災害が発生すると、普段は空端末だけを常備する(基本料金を払っていない)地方自治体の端末に臨時の番号書き込みが行なわれ、通話優先が付与されるため、個人契約者の衛星端末は災害時には使えないという矛盾も存在する。{{和暦|[[2003}}年]](平成15年)[[9月26日]]十勝沖地震では、午前4時50分の地震発生からしばらくは支障なく発着信が行なえていたが、午前8時30分頃より後規制がかけられている。}}-->使用している周波数が[[電波の窓]](都市雑音や[[電離層]]の影響を受けない1GHz以上で、[[降雨減衰]]の少ない10GHz以下の周波数帯)であるSバンド(端末 - 衛星間)およびCバンド(衛星 - 地上局間)であるため、[[降雨減衰]]が少なく、天候による障害が起こりにくいのも特徴である。
 
=== 電話番号体系 ===
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| 本体色3の色名 =
}}
{{和暦|[[2010}}年]](平成22年)[[4月12日]]より新たな衛星電話サービスワイドスターIIを提供開始する。
 
ワイドスターIIでは現行のワイドスターでは最大64Kbpsであったパケット通信速度を下り最大384Kbps上り最大144kbpsに高速化する。また64Kbpsの帯域保証タイプや帯域占有サービス、 FAXゲートウェイサービス ダイレクトコネクトサービスなどを提供する。
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また本サービスに対応するため衛星可搬端末01の発売を開始した。
 
それに伴い{{和暦|[[2000}}3年]](平成12年)3月より提供されている、最大64kbpsのパケット通信サービス「衛星パケットサービス」は、{{和暦|[[2012}}年]](平成24年)[[3月31日]]で終了となる予定である<ref>[http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/090603_01.html NTTドコモ報道発表資料 「衛星パケットサービス」の終了について]</ref>。
 
=== ワイドスターII料金体系 ===