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『'''宮本から君へ'''』(みやもとからきみへ)は、[[新井英樹]]による[[日本]]の[[漫画]]作品。講談社『[[モーニング (漫画雑誌)|モーニング]]』にて、[[1990年]]35号より[[1994年]]34号まで連載された。新井英樹の初連載作品である。
 
大学を卒業して文具メーカーの営業マンとして社会に出たばかりの主人公・宮本浩が、紆余曲折を経て自身の生きざまを見つけていく物語である。主人公が文具メーカーの営業マンであることや、後半に出てくる大学ラグビーの描写などは作者の実体験に基づいている。また、渋谷駅で見かけた美しい女性に一目惚れする冒頭のエピソードも、作者の実体験がモデルとなっている。タイトルの『宮本から君へ』は、新井英樹自身の証言によれば、[[ダニエル・キイス]]作『[[アルジャーノンに花束を]]』映画化の邦題である『[[まごころを君に]]』に由来しているという。
 
単行本は講談社から全12巻、全6巻の2種類が刊行された。2009年には、新たに2009年時点の主人公を描いた描き下ろし『はんぶんくらい』を加えた『定本 宮本から君へ』が、太田出版より全4巻の豪華本で刊行されている。また、講談社では全12巻版を[[オンデマンド]]配信している。
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1992年度第38回[[小学館漫画賞]]青年一般部門受賞。
 
== 概要作品解説 ==
大学を卒業して文具メーカーの営業マンとして社会に出たばかりの主人公・宮本浩が、紆余曲折を経て自身の生きざまを見つけていく物語である。主人公が文具メーカーの営業マンであることや、後半に出てくる大学ラグビーの描写などは作者の実体験に基づいている。また、渋谷駅で見かけた美しい女性に一目惚れする冒頭のエピソードも、作者の実体験がモデルとなっている。タイトルの『宮本から君へ』は、新井英樹自身の証言によれば、[[ダニエル・キイス]]作『[[アルジャーノンに花束を]]』映画化の邦題である『[[まごころを君に]]』に由来しているという。
主人公の名前は作者がファンであると公言しているエレファントカシマシのヴォーカル(宮本浩次)からつけられている。エレファントカシマシは1988年のデビューであるが、デビューからしばらくは大きなヒットがなかった。一般に広く知られるようになるきっかけになった「悲しみの果て」(1996年)や「今宵の月のように」(1997年)の発表よりもはるかに早く「宮本から君へ」の連載は始まっている。
 
本作品は、[[バブル景気#バブル崩壊|バブル崩壊]]直前の[[トレンディドラマ]]全盛期に読み切り連作の形で連載がスタートした。読み切り連作では、トレンディドラマを意識したラブストーリーが中心であり、本連載が始まってからは作者自身が「暑苦しい」と評する絵柄と、極端な幸福と不幸の間を往き来する主人公・宮本の、仕事や恋などさまざまな物語が描かれている。
 
主人公が文具メーカーの営業マンであることや、後半に出てくる大学ラグビーの描写などは作者の実体験に基づいている。また、渋谷駅で見かけた美しい女性に一目惚れする冒頭のエピソードも、作者の実体験がモデルとなっている。

宮本が土下座をしながら彼と敵対する部長を300メートル絶叫して追いすがる場面、宮本と結ばれるヒロイン・中野靖子とのセックス・シーンや生理中の靖子が宮本の性欲を[[フェラチオ]]で処理するシーン、靖子が大学ラグビーの花形選手・真淵拓馬にレイプされるシーン、その後宮本が何回も傷つき顔が醜く腫れ上がっていく描写などは、読者に衝撃を与えた。また、宮本が未熟なまま社会でがむしゃらに生きていこうとして失敗と挫折を繰り返すさまは、読者の間に「ああいう暑苦しい男は嫌いだ」という猛烈な宮本バッシングを巻き起こした。ある男性誌では(新井英樹の証言によれば『[[POPEYE]]』か『[[ホットドッグ・プレス]]』のいずれか)、の男性誌で嫌いな男性アンケートの第1位に宮本が選ばれたこともあったという。
 
{{ネタバレ}}
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: 本作品の主人公。作中では[[東京都]][[千代田区]][[飯田橋]]に所在する文具メーカー・マルキタの営業部員。24歳。最初は人生の方向性が定まらず、何をしても失敗していた。やがて、先輩の神保と営業をするようになってからは何事にもがむしゃらに立ち向かっていくようになる。人生が良い方向に行きかけてはすぐ挫折してしまうことを繰り返し、自らを「幸せ貧乏人」と称していた。中野靖子と結ばれ、靖子をレイプした真淵拓馬を叩きのめすことで「俺という男の凄さ」に気づき、一度は絶縁した靖子に向かって「俺の人生はバラ色で、このすごい俺がお前も生まれてくる子供も幸せにしてやる」と宣言する。その後、言葉通りに靖子との間に6男4女の子をもうけ、仕事も家庭生活も幸運続き。とどめに[[ロト6]]で1億円の大当たりを当てるが、5000万円を寄付した慈善団体が実は巨大詐欺グループであり、その被害に遭う。
: 冒頭では[[神奈川県]][[横浜市]][[大倉山]]の[[大倉山記念館]]付近にある実家から通勤している姿が描かれていたが、甲田美沙子への失恋を経て独立を決意し、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]][[赤羽駅]]から徒歩15分の木造アパート「ひなぎくハウス」201号室に転居した。靖子との同棲生活や、最終回における靖子の自宅出産もこのアパートを舞台として描かれている。
: 名前は作者がファンであると公言している[[エレファントカシマシ]]のヴォーカル[[宮本浩次 (エレファントカシマシ)|宮本浩次]]からつけられている。
; 中野靖子
: [[北海道]][[小樽市]]出身。作中では[[東京都]][[港区 (東京都)|港区]][[新橋 (東京都港区)|新橋]]に所在するコンピューター関連会社・コスモスシステム社員。26歳。説教癖があり、大の男がウジウジしているのを嫌う男勝りの性格だが、心がもろい一面も持っている。遊び人の風間裕二と同棲していたが、宮本の「この女は俺が守る」という宣言を聞いて感激し、宮本の胸に飛び込んでしまう。紆余曲折の末に宮本と結ばれ、最初の子供を自宅で出産。6男4女の母になり、後日談では更に一人の子供を身ごもっている場面が描かれている。初登場の場面では、宮本と結ばれることをいきなり明かさないために、わざと高齢の落ち着いた女性として、また顔もやや醜く描かれていた。田島は性格のきつい靖子を「つり目のいじわるねえさん」と評している。