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==沿革==
[[ソヴィエト連邦]]で[[ペレストロイカ]]が進行していた1989年1月、ハンガリーの議会は憲法裁判所の設立に関する決議案を可決した。同年10月、議会は憲法第32条のAを改定し、憲法裁判所に対して憲法上の根拠を与えた。同年10月19日、議会は憲法裁判所の構成と権限を詳細に定めた法律案(1989年法律第32号)を承認し、1990年1月1日より、憲法裁判所は正式に発足することとなった。
 
[[ハンガリー基本法]]の施行に伴い、権限の拡大と縮小が行われた。新たに付与された権限としては、個人による憲法訴訟を審理する権限である。他方、民衆訴訟の制度が廃止され、予算や租税等に関して一定の範囲で違憲審査権が制限されるようになった<ref>* [http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/pdf/02500209.pdf 【ハンガリー】 基本法(新憲法)の施行] - [[国立国会図書館]]調査及び立法考査局政治議会課憲法室・[[山岡規雄]]、2012年2月</ref>。
 
==構成==
憲法裁判所は1115名の裁判官によって構成される。裁判官は、匿名の投票によって長官を選任する。長官は1名または2名の副長官を指名し、補佐に当たらせる。憲法裁判所の司法権は独立しており、議会や内閣の介入を受けない。ただし、予算の決定権と裁判官の人事権は議会が掌握する。
 
憲法裁判所は、法律案の合憲性の事前審査、現行法の合憲性の事後審査、憲法の条文の解釈を独占して行う。[[基本的人権]]の侵害に関する民事訴訟・刑事訴訟についても、憲法裁判所が管轄権を有する。また、大統領の弾劾を行うことができる<ref>ただし、ハンガリーの行政権の大半は大統領ではなく首相が掌握する。</ref>。なお、法律案の合憲性の事前審査および憲法の条文の解釈を要請できる人物は、国会議員や閣僚などに限定されている。憲法裁判所は法律の合憲性を審査する終局的な機関であり、決定に対して上訴することはできない。
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ハンガリーの憲法は、憲法裁判所の裁判官は議会によって選任されることを規定し、選挙の方法について定めている。法律学に極めて高度の造詣を有する者か<ref>具体的には、法学の[[博士号]]を取得している者か、法律の研究を専門とする大学教授。</ref>、20年間の実務経験を有する法曹のみが裁判官として選任され得る。任官のためには、議会に設置された指名委員会の調査を経た上で、議会を構成する議員の2/3の信任を得る必要がある。
 
裁判官は選任の時点で4530歳に達していることを要し、定年は7062歳である。任期は912年間であり、1度だけ再任が認められる。裁判官には政治活動に参加しない義務が課される一方で、[[不逮捕特権]]が認められる。また、国務大臣と同額の俸給が支払われる。
 
==脚注==