「ミュージックワークステーション」の版間の差分

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== 概要 ==
一般的な[[シンセサイザー]]は音色の合成や鍵盤演奏を目的とするが、ミュージックワークステーションはそれだけにとどまらず、楽曲データ ([[MIDI]]) の自動演奏や、その演奏データの作成も可能にしたシンセサイザーのことを指して用いられる。別名'''オール・イン・ワン・シンセサイザー'''。
[[ファイル:Korg M1.jpg|thumb|240px|KORG M1]]
 
ミュージックワークステーションの大多数は前述の通りMIDIデータしか扱えないが、[[コルグ・TRINITYシリーズ]]や[[コルグ・TRITONシリーズ|KORG TRITON STUDIO]]など録音機能も備え、生音も取り込み可能な機種もあり、[[ヤマハ・MOTIFシリーズ]]や[[ローランド・Fantomシリーズ]]など[[サンプリング]]機能も装備したものもある。
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== 歴史 ==
音楽制作作業を楽器1台でシンプルに済ませたいというアイデアは、初期の高価なコンピュータ楽器 <small>([[シンクラビア]]、[[フェアライトCMI|フェアライト]])</small>以来、多くの製品が目指してきた。このアイデアをもっともバランスよく実現して初めて大きなヒットを飛ばしたのは、[[1988年]]発売の[[コルグ]] [[コルグ・Mシリーズ|M1]]である。シンセサイザーに自動演奏再生・録音機能である[[ミュージックシーケンサー|シーケンサー]]と、音色を加工できる[[エフェクター]]を搭載し、ボーカルなど生音以外は一台のシンセサイザー内で完結できるようにした。その結果、シンセサイザーが楽曲制作ツールとなり、キーボーディスト以外のギタリストやベーシストにも多く使用されるようになった。M1のヒットにより、各社が競ってミュージックワークステーションを発表した。90年代以降、[[物理モデル音源]]など特殊な音源方式を持ったシンセサイザーや、ライブ仕様に特化したシンセサイザー、[[デスクトップミュージック|DTM]]や[[デジタルオーディオワークステーション|DAW]]用としてPCと接続して使うことを目的に設計されたシンセサイザー以外は殆どこのタイプのシンセサイザーとなっている。[[ヤマハ]]の[[ヤマハ・Vシリーズ|V50]]、[[ヤマハ・SYシリーズ|SY99]]、[[ヤマハ・EOSシリーズ|B200]]など[[FM音源]]を搭載した機種も稀にあるが、大多数のミュージックワークステーションは[[PCM音源]]を搭載している。
 
[[ファイル:Waldorf_hohner_adam.jpg|thumb|240px|アレンジャーワークステーション <br/>Waldorf Hohner ADAM<!-- <br/>(設計: Axel Hartmann) -->]]
 
しかし[[2000年代]]以降、高性能化した[[パーソナルコンピュータ]]上で[[DAW]]環境が安価に安定して利用可能になると、それまであまりコンピュータに手を出さなかった平均的な音楽製作現場でも、DAW上で動作するソフトウェア楽器を徐々に使用するようになった。近年のDAW環境はコンピュータの演算能力と記憶容量を利用し利便性の面が拡張されている事が多く、使い勝手の向上をもたらしている。そのため、DAWの進歩は作曲環境の利便性で劣ることが多いミュージックワークステーションの売上の低下をもたらし、一部のメーカーではラインナップの淘汰や廃止、あるいは撤退を余儀なくされている。
 
一方、海外では「アレンジャー・ワークステーション」と呼ばれるアレンジ支援を主目的とするワークステーションが高い人気を集めている。このジャンルは、1980年代後半[[ホーナー (企業)|ホーナー]]の演奏支援機能付シンセサイザー(Hohner PK-250等)でジャンルとして確立され、他メーカ(国内各社、Technics、GEM 等)が即座に市場参入して一大製品ジャンルに成長した。草分けのホーナー製品の設計は、初期はヒルウッドの森岡一夫、中期にはWaldorfのAxel Hartmann (The Waveや neuronの設計者)が担当した。またアレンジの自動生成機能で知られる KORG Karmaも、このアレンジャー・ワークステーションの一種である。
 
[[ファイル:Korg M1.jpg|thumb|240px|KORG M1]]
 
[[ファイル:Ensoniq MR-61 (closeup).jpg|thumb|upright|Ensoniq MR-61]]
 
[[ファイル:Waldorf_hohner_adam.jpg|thumb|240px|アレンジャーワークステーション <br/>Waldorf Hohner ADAM<!-- <br/>(設計: Axel Hartmann) -->]]
== 主な機種 ==
;Ensoniq