「パナウェーブ研究所」の版間の差分

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== 上位組織の概要 ==
パナウェーブ研究所の上位組織である[[千乃正法会]]は、[[東京都]][[渋谷区]]に本部を置いている。主神は「南の島の大王」、'''ミカエル'''であり、千乃裕子はミカエルの妃と位置づけられている。ミカエルは、[[キリスト教]]における「大天使[[ミカエル]]」のことで、新宗教に一般的なキリスト教の要素を取り入れたものであると言える。経典などは持たない。千乃正法会は千乃裕子と[[高橋佳子]](GLA指導者)が対立した事による[[GLA総合本部]]からの分派という指摘もあるが<ref>[[#日本霊能史講座]]447-448頁</ref>、GLAは千乃裕子が在籍した事実はないと述べている。
 
[[カルト]]宗教あるいは[[オカルト]]集団であるが、当然ながら当事者らは否定している。
 
== パナウェーブ研究所の概要 ==
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思想的には[[反共主義]]であり、「共産主義者が『スカラー電磁波』で日本を襲う」とも主張している。一例として、電柱上の電線が巻かれた部分(敷設の際にあまらせてあるもの)を示し、そこでスカラー電磁波を発生させるという攻撃がなされているとし、教祖はその被害を受けているなどと述べている。
 
また、2003年に有名になる以前にも、[[日本共産党]]に対して何らかの文書を送りつけるなどの活動も行っていたとされる{{要出典|date=2012年6月|}}
 
[[1999年]]には、「電磁界等を考えるシンポジウム京都会議」に参加し、スカラー電磁波問題について持論を展開したこともある。彼らは、人工的に作られたスカラー電磁波が自然環境を汚染することで、自然環境が破壊され動植物の生存の危機となり人類の滅亡に至ると主張する。また大量の人工スカラー電磁波の放出により地球の[[公転]]や[[自転]]にも影響があり、地球崩壊をもたらすという。
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「週刊文春」[[2003年]]4月23日号は、[[多摩川]]に出現した[[アゴヒゲアザラシ]]の[[タマちゃん]]を捕獲して自然に返すことを意図する「タマちゃんのことを想う会」と千乃正法会=パナウェーブ研究所について報道した<ref>[[#バラエティ化する宗教]]156頁</ref>。4月25日、[[フジテレビ]]『夕刊の新週刊スーパーニュース』で「謎の白装束集団・タマちゃん移送計画」という4分42秒のニュースが流れる<ref name="バエティ化宗教155">[[#バラエティ化する宗教]]155頁</ref>。白装束の一団が移動するという現象は[[テレビ]]的にもたいへん見栄えのする映像だったということもあり、連日のようにその一団の移動の様子が報じられた<ref>[[#バラエティ化する宗教]]167頁</ref>。これまではあまり知られていなかった団体であったためマスコミも状況を把握しておらず「白装束集団」「白ずくめ集団」と報道していた<ref name="バエティ化宗教155"/>。集団が福井県大野市[[九頭竜ダム|九頭竜湖]]周辺や鳥取県国府町などに居座っている事や団体の過去の行動が報道されるにつれてテレビ報道が過熱化、5月1日に[[佐藤英彦]]警視庁長官が「彼らの装束や行動は異様だ。[[オウム真理教]]の初期に似ている。」と指摘した<ref>[[#バラエティ化する宗教]]158頁</ref>。5月11日に集団は福井県五井太子町のパナウェーブ研究所に到着、5月14日に警視庁は電磁的公正証書原本不記実記載の疑いで団体施設・関連会社全国12ヶ所を捜索した<ref>[[#バラエティ化する宗教]]160頁</ref>。6月になると物珍しさが薄れ、教団の危険性も少ないと判断されて報道は沈静化した。宗教学者[[石井研士]]は「振り返ってみると、報道は明らかに根拠のない過剰なもので、集中報道しなければならなかった理由は見当たらない」としてオウム事件当時のTV報道と対比している<ref>[[#バラエティ化する宗教]]168頁</ref>。
 
ワイドショーに取り上げられ一躍有名になったのは、「惑星[[仮説上の天体#ニビル/氷惑星|ニビル星]]が地球に落下してくる天変地異」の危険を訴え、[[福井県]]に向けて大移動を行ったためである([[鳥取県]]を中心とする日本海側での移動も取り上げられた)。ただ、パナウェーブ研究所の関係者が「我々は反共団体だ」とコメントしたのを、誤って「環境団体」とテロップをつけて報道した事もあった。パナウェーブ研究所の大移動については、マスコミのみならず野次馬の興味本位の見物も見られ、[[2ちゃんねる]]において見物のオフ会も開催された{{要出典|date=2012年6月|}}。右翼団体が抗議におしかけるが、パナウェーブ研究所側の反共団体という説明に、むしろ納得して引下がるといった場面もあった。また、[[月光仮面]]の格好をして[[プラカード]]を掲げた[[辻山清]]が抗議に詰め寄る一幕もあった。
 
結果として、研究所が主張していたような天変地異は起こらなかった。