「ヒッグス粒子」の版間の差分
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== 概要 ==
'''ヒッグス場'''とは、[[1964年]]に[[エディンバラ大学]]の[[ピーター・ヒッグス|ピーター・ウェア・ヒッグス]]によって提唱された、[[素粒子]]の[[質量]]獲得に関する理論に現れる[[場の理論|場]]についての[[仮説]]である。ヒッグス場によって質量を獲得するメカニズムをヒッグス機構と呼ぶ<ref>同じようなメカニズムは、[[1964年]]に[[ブリュッセル大学]]のロペール・ブルーとフランソワ・エングレールも独自に提唱していた。</ref>。
[[ジュネーブ]]郊外に建設された[[欧州原子核研究機構|CERN]]の[[大型ハドロン衝突型加速器|LHC]]の衝突実験で、およそ10兆回に1回しか生成されないと言われている。[[2011年]]12月、'''ヒッグス粒子'''が「垣間見られた」と発表された<ref name="Higgs">Please update the statement according to [[ノート:ヒッグス粒子#About_the_statement_.22.E3.83.92.E3.83.83.E3.82.B0.E3.82.B9.E7.B2.92.E5.AD.90.27.E3.81.AF.E3.80.8C.E4.B8.80.E7.9E.A5.E3.81.95.E3.82.8C.E3.81.9F.E3.80.8D.E3.81.A8.E7.99.BA.E8.A1.A8.E3.81.97.E3.81.9F.22|ノート:ヒッグス粒子]]</ref><ref name="cern1"/><ref name="cern2"/><ref name="nature1"/><ref name="bbc6"/><ref name="bbc5"/><ref name="bbc1"/><ref name="bbc2"/><ref name="bbc3"/><ref name="bbc4"/>。その後、[[2012年]][[7月4日]]、同施設において'''新たな粒子'''を発見したと発表された。質量は125.3±0.6GeV、標準偏差は4.9である。これが捜し求めていたヒッグス粒子であるかは確定的には表現されておらず、さらに精度を高める実験が続けられる<ref>[https://sites.google.com/site/lhcpr2011/20120704 長年探索してきたヒッグスボゾンとみられる粒子を CERN の実験で観測 ''LHC アトラス実験'']</ref>。
'''ヒッグス機構'''では、宇宙の初期の状態においてはすべての素粒子は自由に動きまわることができ、質量がなかったが、[[自発的対称性の破れ]]が生じて[[真空]]に[[相転移]]が起こり、[[真空]]にヒッグス場の[[真空期待値]]が生じることによってほとんどの素粒子がそれに当たって抵抗を受けることになったとする。これが素粒子の動きにくさ、すなわち質量となる。質量の大きさとは宇宙全体に広がったヒッグス場と物質との相互作用の強さであり、ヒッグス場というプールの中に物質が沈んでいるから質量を獲得できると見なすのである。[[光子]]はヒッグス場からの抵抗を受けないため相転移後の宇宙でも自由に動きまわることができ質量がゼロであると考える。
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ヒッグス場が存在すれば、[[ウィークボソン]]に質量があることを説明することができ、しかもヒッグス機構による[[Wボソン]]と[[Zボソン]]の質量比が実験結果と一致するため、素粒子の[[標準模型]]に組み入れられ、その検証を目指した実験が行われてきている。詳細は[[ワインバーグ=サラム理論]]を参照。
ヒッグス場を[[量子化]]して得られるのがヒッグス粒子(ヒッグス・[[ボソン]])であり、素粒子の標準模型の中でも最後まで未発見の粒子であり、その発見は[[高エネルギー物理学|高エネルギー加速器実験]]の最重要の目的のひとつとなっており、[[2008年]]より稼働した
▲# [[12月13日]]に、ATLAS実験グループとCMS実験グループはそれぞれ、ヒッグス・ボゾンが存在するとして95%の信頼性区間に対応する質量領域が 115-{{Val|130|u=GeV/c2}}(ATLAS)、115-{{Val|127|u=GeV/c2}}(CMS)と発表した。最も可能性の高い範囲は、3.6σ(σは1標準偏差)の統計レベルで 125-{{Val|126|u=GeV/c2}}(ATLAS)、2.6σで{{Val|124|u=GeV/c2}}(CMS)である<ref name="cern1">{{Cite news |url=http://www.atlas.ch/news/2011/status-report-dec-2011.html |title=ATLAS experiment presents latest Higgs search status |publisher=CERN |date=13 December 2011 |accessdate=13 December 2011}}</ref><ref name="cern2">{{Cite news |url=http://cms.web.cern.ch/news/cms-search-standard-model-higgs-boson-lhc-data-2010-and-2011 |title=CMS search for the Standard Model Higgs Boson in LHC data from 2010 and 2011 |publisher=CERN |date=13 December 2011 |accessdate=13 December 2011}}</ref><ref name="nature1">{{Cite news |url=http://www.nature.com/news/detectors-home-in-on-higgs-boson-1.9632 |title=Detectors home in on Higgs boson |publisher=Nature News |date=13 December 2011 |accessdate=13 December 2011}}</ref><ref name="bbc6">{{Cite news
|url=http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-16158374
|work=BBC
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== 「神の粒子」 ==
[[レオン・レーダーマン]]らによる本の題名<ref>{{
{{Cite news
|author=Ian Sample
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|location=London
|accessdate=2009-06-24
}}</ref>、ヒッグス粒子はよくマスコミに「神の粒子」<ref name="ISample29052009">{{Cite news
|author=Ian Sample
|date=29 May 2009
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|location=London
|accessdate=2009-06-24
}}</ref>として紹介される。レーダーマンは最初この粒子を「goddamn particle(いまいましい粒子)」として紹介しようとしたが、編集者の意向で却下されたものとされる。神の粒子という呼び方は素粒子物理学と
イギリスの新聞ガーディアンの科学記者が実施した別名投票で、多くの候補の中から選ばれた最も妥当な名前は「シャンパン・ボトル・ボソン」である。シャンパン・ボトルの底はヒッグス・ポテンシャルの形であり、物理の講義でもよく説明に使われる。「神の粒子」というほどインパクトのある名前ではないが、覚えやすく、多くの物理学的議論に関連がある<ref>{{Cite news
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[[Category:ボース粒子]]
[[Category:仮説上の素粒子]]
[[als:Higgs-Boson]]
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