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'''リタッチ'''(英:retouch)とは、[[野球]]において、規則により[[走者]]が元いた[[野球場#内野|]]に帰って、触れ直す行為をいう<ref>公認野球規則2.65</ref>。
 
== 概要 ==
[[打者]]が[[飛球]]を打ち、これを[[野手]][[捕球]]した場合、走者は[[投球]]当時に占有していた塁(元いた塁)まで戻り、これに触れ直さなければならない。これを走者の'''リタッチの義務'''ということがある。現在日本では、「投球当時」とは[[投手]]が「[[投手板]]に位置したとき (on the rubber) 」という解釈が一般的となっている。
 
走者が一旦リタッチを果たせば、その後に離塁(リード)して次塁への進塁を試みることは差し支えない。
 
== リタッチの方法 ==
飛球が捕球された際に走者が離塁(リード)していた場合、直ちに元いた塁に戻りこれに触れなおす。次塁に触れてさらに進んでしまっている状態では、その(通過した)塁も順番に触れなおした上で元いた塁まで戻らなければならない<ref name="rule0702">公認野球規則7.02および同【注2】</ref>。
 
リタッチ後の走者が次塁への進塁を試みる場合には、飛球の捕球前に帰塁しておき、塁に触れた状態で待機し、捕球もしくは野手が最初に飛球に触れたタイミングで次塁へスタートする、いわゆる[[タッグアップ|タッチアップ]]をおこなう。このタッチアップ行為における捕球タイミングでの離塁は、リタッチをしてその後にスタートしたものと認められる<ref>公認野球規則2.65【注】</ref>。
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== 走者アウト ==
リタッチの義務を怠ると、守備側のアピール(野手がその走者の身体もしくはその走者がリタッチを果たすべき塁に触球する)により走者は[[アウト (野球)|アウト]]になる<ref>公認野球規則7.08(d)、7.10(a)</ref>。
* 走者が正しくリタッチを果たす前に、野手がその走者の身体もしくはその走者がリタッチを果たすべき塁に触球した場合。内野へのライナー[[打球]]など、[[打撃 (野球)|打撃]]から捕球までの時間が短く、離塁していた走者が帰塁する時間が無い場合。[[外野]]への飛球でも、野手が捕球できないであろうと判断して次塁へスタートしてしまった場合等で発生する。
* [[タッグアップ|タッチアップ]]を行うケースで、野手が飛球に触れるよりも走者の離塁のほうが早かった場合。
両者ともにアピールプレイであるが、特に前者の場合には守備側による明示的なアピール行為が無くても[[審判員 (野球)|審判員]][[アウト (野球)|アウト]]を宣告する。
{{main|アピールプレイ}}
 
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== ボールデッド時の帰塁 ==
[[ファウルボール]]が捕球されなかった場合に、[[ボールデッド]]となり、元いた塁に戻る場合もリタッチと呼ぶ<ref>公認野球規則5.09(e)</ref>。[[球審]]は走者全員のリタッチを確認するまで[[ボールインプレイ]]の状態にしてはならない。ボールデッドの場合は、途中の塁を踏まずに元いた塁に戻ってもよい<ref name="rule0702" />。
 
== 帰塁しなければならない塁の基準 ==
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この「投球当時」がいつであるのかを考えることは、以下に例示したプレイのとき重要である。
 
走者一・三塁のケースでは、一塁走者が二塁への盗塁を試みても三塁走者の本塁への進塁を警戒して[[捕手]]が二塁送球を行わないことがある。これが高じると、投手が[[セットポジション]]に入るか入らないかの段階で一塁走者はスタートし、投手もそれ承知でそのまま投球動作に入り、[[打者]]へ投球することある。このような場合、投球が打者に到達する頃には一塁走者は二塁に達していることある。
 
ここで打者が飛球を打ち、これを野手が捕球した場合、走者は投手の投球当時の占有塁に戻らなければならない。この場合、(二塁へ達した)一塁走者が帰塁すべきところは一塁である。もし打者アウト後に当該走者が二塁上に留まっていると、一塁への送球して触塁)、あるいは走者の身体に触球してアピールが行われれば、一塁走者はアウトになる。
 
さらにこの場合が一死一・三塁で、飛球が[[外野]]へのものであったとする。三塁走者が[[タッグアップ|タッチアップ]]し、外野手が得点阻止のため本塁へ送球したが、この送球がそれてしまい、これを見て二塁上にいた一塁走者が三塁あるいは本塁まで進んだとする。しかしこのような場合でも一塁への送球して(あるいは走者の身体に触球してアピールが行われれば、一塁走者はアウトになる。
 
また、このケースで打球がファウルボールとなった場合、走者は投球当時の占有塁にリタッチを果たさなければならないが、(二塁へ達した)一塁走者が帰塁すべきところは一塁であり、一塁まで戻らなければ球審はボールインプレを宣告することができない。
 
== 基本的走塁法 ==
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野球において投手が投球モーションに入ったら、走者は[[ハーフウェー]]までリードを取って打撃を見届けるべきである。特に一塁走者がこの走塁法を怠ると、[[フォースアウト]]の可能性が増大して危険である。その一方で、[[エンドラン]]の様にハーフウェーに止まる事無く占有塁から離れすぎるとアピールアウトの可能性が増大して危険である。
 
ただし[[ソフトボール]]においては、投手が打者へ投球するまで、走者の離塁は禁じられている。
 
リタッチを考慮した基本的走塁法として、一般的に走者はハーフウェーで打撃を見届けた後に次の様な走塁を敢行する。
* ''打球がゴロの場合''、[[フォースプレイ|フォースの状態]]にある走者は進塁に努める。進塁義務の無い走者は、ボールが遠くに有れば進塁を試み、ボールが近くに有れば占有塁に戻る。
* ''打球がライナーの場合''、打球が外野まで到達すれば、走者はハーフウェーで待機し、[[外野手]]の守備を見届ける。打球が[[内野手]]の近辺に飛んで行けば、走者は占有塁に戻る。
* ''打球が[[インフィールドフライ|内野フライ]]の場合''、走者は占有塁に戻る。
* ''打球が浅い外野フライの場合''、走者はハーフウェーで外野手の守備を見届ける。
* ''打球が深い外野フライの場合''、走者はタッグアップに備える。但し、走者が一塁にしかいない場合、一塁走者はハーフウェーで外野手の守備を見届ける。
* ''バットに投球が当たらなかった場合''、ボールを捕手が捕らえていれば、走者は占有塁まで戻る。ボールを捕手が見失っていれば、走者は進塁を試みる。
 
=== 出典 ===
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== 関連項目 ==
* [[タッグアップ]]
* [[アピールプレイ]]
 
{{野球}}