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[[ファイル:Harunobu Sagi musume (jeune fille dans la neige).JPG|thumb|230px|(鷺娘) [[鈴木春信]]画<ref>春信は[[明和]]7年([[1770年]])に死去しており、また当時版行された『柳雛諸鳥囀』の長唄正本には、この絵とほぼ同じ二代目菊之丞演じる鷺娘の姿が描かれることから、これは宝暦12年の「鷺娘」をもとにして描かれたものとみてよいようである。ただし菊之丞初演の時には大灯篭の中から登場しているので、役者絵ではない一種の見立絵として描かれたものと見られる。しかし初演からさほど年を下らずに描かれたものであり、その雰囲気を偲ばせるものとして参考までにここに掲げる。</ref>。]]
『'''鷺娘'''』(さぎむすめ)とは、[[歌舞伎]]および[[日本舞踊]]の演目のひとつ。鳥である[[鷺]]が、娘に姿を変じて踊るというもの。
 
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なお鷺から(または鳥から)人間になるという舞台例は『鷺娘』以前には無いといわれており、当時の菊之丞をはじめとする関係者がどこからこの発想を得たのかは不明である<ref>歌舞伎での動物の扱いとは、たいていはまず人間の姿となって舞台に現れ、それがのちに動物の正体を現わすというパターンである。[[葛の葉]]や『[[義経千本桜]]』の狐忠信などがあげられる。それが動物(鷺)の姿で舞台上に現れ、あとで人の姿になるというのはそれらの逆を行くものである。ただし[[早稲田大学演劇博物館]]には宝暦8年([[1758年]])に江戸で興行されたという[[竹田からくり]]の演目を描いた絵本が所蔵されているが、その中に「御田うへ朝日のしらさぎ」と題して早乙女姿で[[住吉踊り]]を演じる子供たちが白鷺に変ってゆくという演目がある。[http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html 早稲田大学演劇博物館 デジタル・アーカイブ・コレクション]の「番付」のカテゴリー内に画像がある。また菊之丞の『鷺娘』が初演される前年に、大坂の[[竹本座]]で『由良湊千軒長者』(ゆらのみなとせんげんちょうじゃ)という[[人形浄瑠璃]]の作品が初演されており、その中で[[山椒大夫]]の娘おさんが、雪の中で恋人を助けたい一心が募って人から鶏になってしまうという場面がある。或いはこうしたものもヒントになったかもしれないが、はっきりした事はわからない。</ref>。
 
== 注 ==
[[ファイル:Yoshitoshi_Sagi-musume.jpg|right|thumb|230px|「鷺娘」 [[新形三十六怪撰]]より。これも実際の舞台に基づくものではなく、九代目團十郎の再演に触発されて描かれたものと見られる。]]
<references />
 
== 参考文献 ==
*黒木勘蔵校訂 『日本名著全集江戸文芸之部第二十八巻 歌謡音曲集』- 黒木勘蔵校訂(1929年、 日本名著全集刊行会、1929年
*伊原敏郎 『歌舞伎年表』(第3巻)-伊原敏郎(1958年、 岩波書店、1958年
*『演劇百科大事典』(第2巻)-早稲田大学坪内博士記念演劇博物館編(1986年、 『演劇百科大事典』(第2巻) 平凡社、1986年
*郡司政勝編 『舞踊集』『歌舞伎オン・ステージ』25)-郡司政勝編(1988年、25〉 白水社、1988年
*古井戸秀夫 『舞踊手帖』-古井戸秀夫(1990年、 駸々堂、1990年
*服部幸雄編 『歌舞伎をつくる』-服部幸雄編(1999年、 青土社、1999年
*『日本舞踊図鑑』-郡司正勝・龍居竹之介監修(1999年、 『日本舞踊図鑑』 国書刊行会、1999年
 
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