「ティラノサウルス」の版間の差分

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:ただし、ティラノサウルスは大型恐竜の中では下腿部の比率が大きい恐竜の一種でもある(アロサウルスなどを含む[[カルノサウルス類]]と比べると明らかに比率は上回っている)。これはティラノサウルスの中足骨が他の大型肉食恐竜よりずっと長いからである。また、現生するいくつかの捕食動物より下腿部の比率は大きい([[ライオン]]を上回り、[[ウマ]]よりやや劣る)。なお、生物は進化の過程で大型化するにつれ[[異形生長]](アロメトリックグロウ)するため、必ずしも四肢骨の比率変化が疾走型から長距離歩行型への移行と結び付くわけではない。
;速度30km/h前後説
:[[マンチェスター大学]]のビル・セラース(Bill Sellers)はティラノサウルスの筋骨格のコンピュータ・モデルを作成し、走行のシミュレーションを行った。その結果、体重6tのティラノサウルスは29km/hというかなりの速度で走れるという結果を得たとした(セラースは2007年の論文発表前にシミュレーション結果をWEB公開している<ref>[http://homepage.mac.com/wis/ASL/Projects/Tyrannosaurus/index.html Tyrannosaurus Simulation] - 簡単なティラノサウルスの筋骨格モデルを作成した結果、体重6tのティラノサウルスは最高25~54km/hで走れると書かれている。ムービーで公開されているモデルは時速38.5km(10.7m/s)である。</ref>)。また、ティラノサウルス以外にも3種類の現生動物とアロサウルス、[[ディロフォサウルス]]、[[ヴェロキラプトル]]、[[コンプソグナトゥス]]の最高速度を算定したが、現生種の算定速度は実際のものと一致した。また、アロサウルスのモデルでも発見された足跡化石に一致する歩幅と速度が算定されている。これは現在最も中立的な説の一つであり、筋肉量、速筋・遅筋の割合、筋力などのパラメータはどれも推測される範囲の中間値を使っている。また、2002年にハッチンソンらが発表した鈍足説と違い、筋肉の弾性要素や収縮速度及び速筋や遅筋などがモデルとして考慮されている。算定された速度は29km/hであるが、前述のようにパラメータが中間的であるため、これより速い可能性も遅い可能性もありえる。論文中には、速筋の割合や筋肉量によってどのように最高速度が変化するかのグラフが記載されており、それによると最低値で20km/h、最高値で50km/hである。