「溶融スラグ」の版間の差分

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'''溶融スラグ'''(ようゆうスラグ)は、'''廃棄物溶融スラグ'''とも呼ばれ、[[廃棄物]]や[[下水]][[汚泥]]の[[焼却灰]]等を1300℃以上の高温で[[溶融]]したものを冷却し、[[固化]]させたものである。近年では[[建設]]・[[土木]]資材としての積極的な活用が進められている。
 
溶融・固化することにより容積が減少し、[[最終処分場]]の延命を図ることができる他、高熱で[[ダイオキシン]]や揮発性の[[重金属]]が無害化されるというメリットがある。このため[[1998年]]に[[厚生労働省]]は『新設の[[一般廃棄物]]焼却場には溶融固化設備を併設する事が望ましい』との通知を出し、自治体の設備が増加した。2006年にコンクリート用及び道路用の骨材として溶融スラグの[[日本工業規格|JIS規格]]が制定されたが、[[生コンクリート]]のJISでは未だ使用が認められていないため、[[生コンクリート]]に使用されることはまれである。コストの面から、水砕し細骨材状にしてアスファルトやコンクリート(二次)製品に混入することが多い。2008年に神奈川県においてJISに違反して[[生コンクリート]]に溶融スラグを使用し、このコンクリートを使用した建築物でポップアウト(コンクリート表面の剥離現象)が発生した事件が社会問題となった。しかしこれは、コンクリート(二次)製品のすべてにおいて同じような問題が指摘され生じているわけではないことからすると、すべての溶融スラグにポップアウトの危険がある訳ではなく、そのとき使用された溶融スラグに固有の不具合である可能性が高い。一般に、焼却場においては、ダイオキシン類の発生を抑制するため廃棄物に生石灰を添加する。これによって塩素は無害な塩化カルシウムとしてガラス化したスラグ中に固定される。一方、焼却時に添加される生石灰が過剰であると、スラグ中に残存した生石灰は、その後水と反応して消石灰になり、このとき体積が増大する。これがポップアウトの主な原因であり、焼却場のスラグのみならず、鉄鋼スラグ(不純物の硫黄やリンを除去するため生石灰を使用する)の再利用においても問題となりうる。製鉄原料と違い、焼却施設に持ち込まれる廃棄物の成分は一定していないため、あらかじめ最適な生石灰の量を見積もることは困難であり、ダイオキシン抑制を優先して生石灰を多めに添加していることが、ポップアウトの可能性を高めている
 
== 分類 ==