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著作は『戦史』『建築について』『秘史』である。プロコピオスの文体は[[古代ギリシア]]の[[ヘロドトス]]や[[トゥキュディデス]]のものを継承しており、東ローマ帝国初期の歴史書としては最高のものであると評価されている。
 
『戦史』全8巻は上記の戦いを記録したものである。『建築について』は、[[アヤソフィア|ハギア・ソフィア大聖堂]]再建などに見られるユスティニアヌスの建築活動を賛美したものである。『秘史』はその名の通り公開を前提としていたものではなく、もちろん生前には公開されていないプロコピオスの秘密ノートである。この『秘史』では、上記の2つの書物でユスティニアヌスの[[古代ローマ帝国]]復興や建築活動を賛美していたはずのプロコピオスが、ユスティニアヌス・[[テオドラ (ユスティニアヌスの皇后)|テオドラ]]夫妻やベリサリウス・[[アントニナ]]夫妻の悪口やスキャンダルを書き連ねている。そのため、かつては別の人物の作品ではないかと思われていたが、研究の結果これもプロコピオスの手によるものだと確認されている。『秘史』は、市民の反乱を武力で平定し、専制君主制を強化したユスティニアヌス帝治下の知識人が置かれた、表立って皇帝を批判できない立場を反映していると言えるだろう。これによって当時の帝国とユスティニアヌス帝の実像を知る上で貴重な資料が遺されたのである。
 
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