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[[ファイル:Appareil reflex Zeiss Ikon Contarex vers 1961 vu de face.jpg|thumb|right|300px|コンタレックスI型+プラナー50mmF2銀鏡胴]]
'''コンタレックス'''(''Contarex'' )は戦後の混乱から脱した[[西ドイツ]]の[[ツァイス・イコン]]が持てる総力を投じたフラッグシップ的位置づけので開発した[[一眼レフカメラ]]シリーズである。非常に高価で、最終機'''コンタレックススーパーエレクトリック'''は標準レンズ付のセットで[[ハッセルブラッド]]標準レンズ付セットに価格に匹敵した。当然販売台数は伸びず、すべての機種を合わせても5万台程度である。非常に高価な価格と一種異様なスタイリング、大きさと重さなどから商業的には必ずしも成功しなかったが、当時のカメラ製造技術の頂点を示すサンプルと見ることができる
 
135フィルムを使用し24×36mm(ライカ)判。'''インターチェンジャブルマガジンバック'''を使用すると撮影途中でのフィルム交換が可能となる。レンズマウントは専用のコンタレックスマウント。絞りはボディー側にあるダイヤルで操作するようになっており、寒冷地での使用を考慮し絞り駆動ダイヤルには69個、レンズ側絞りリングには72個のボールベアリングを組み込んで円滑な操作を実現している。
 
== ボディー ==
*'''コンタレックスI型'''(''Contarex I'' 、[[1959年]]<ref>1960年説もある。</ref>発売) - エドガー・ザウアーが開発を指揮した。開発コードは'''コンタックスIV型'''<ref>コンタックスIIIを改造して試作された同名のレンジファインダーAEカメラとは別物である。</ref>。[[1958年]][[フォトキナ]]で発表された。発売当初は単に'''コンタレックス'''であったが後にI型と通称された。[[セレン]]光電池式連動[[露出計]]を内蔵し、個体によっては今もほぼ正確な露出を示す。内蔵露出計がシャッタースピードと絞りの両方に連動するのは世界初である。造りの確かさは素晴らしく、豪華という他ない組み付け、[[めっき|メッキ]]の仕上げと、まさにレックス(君主)の名に恥じないカメラである。連動露出計がまるで目のようにも見えることから'''ブルズアイ'''、'''サイクロプス'''と俗称される。生産台数は'''コンタレックスII型'''と合わせ約32000台。
*'''コンタレックススペシャル'''(''Contarex Special'' 、[[1960年]]発売) - '''コンタレックスI型'''から露出計を除き、ファインダーをペンタプリズムアイレベル/ウェストレベル交換式とした。ファインダースクリーン交換可能。生産台数は約3000台。[[アメリカ航空宇宙局]]が[[ヒューストン]]のカメラショップで購入し、高圧ガスを利用した噴射装置を取り付けた改造品を[[エドワード・ホワイト]]が[[ジェミニ4号]]で船外活動に使用した。
*'''コンタレックスII型'''(''Contarex II'' 、[[1964年]]発売) - '''コンタレックスI型'''をファインダースクリーン交換可能、データストリップ使用可能に改良したモデルをII型と通称する。
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== 交換レンズ ==
交換レンズは[[シュナイダー・クロイツナッハ]]から提供された製品もあったが、ほとんどは[[カール・ツァイス]]製であり、これらのレンズ群は製造が中止されて数十年を経た今日でも優秀と評価することができる。絞りリングがなく、絞り値はボディーのダイヤルで変更する。この絞り形式は最後まで踏襲された。アタッチメントはバヨネットB56とφ49mmねじ込みの併設が原則。前期の製品は銀鏡胴で最短撮影距離が非常に短い設計になっている。後期の製品は黒鏡胴になり「ブリッツ」と呼ばれるフラッシュマチックを組み込んだが、このためか最短撮影距離は普通になってしまった。
*'''ディスタゴン'''15mmF3.5([[1972年]]製造) - 15群15枚。黒鏡胴が2本試作されたのみ。フィルターは内蔵。
*'''ルミナー'''16mmF2.5 - アダプター「20.1633」、ベローズと併用して接写撮影専用。
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*'''ルミナー'''25mmF3.5 - アダプター「20.1633」、ベローズと併用して接写撮影専用。
*'''ディスタゴン'''35mmF2([[1965年]]発売) - 9群10枚。黒鏡胴が3150本生産された。アタッチメントはB56またはφ49mmねじ込み。黒鏡胴は最短撮影距離0.22m。
*'''ディスタゴン'''35mmF4([[1958年]]発売) - 7群8枚。銀鏡胴と黒鏡胴があり6633本生産された。レンズマニアに非常に高い評価を受けている。アタッチメントはB56またはφ49mmねじ込み。黒鏡胴は最短撮影距離0.38m。
*'''PA-クルタゴン'''35mmF4([[1958年]]発売) - 7mmのシフト撮影が可能。黒鏡胴のみ。[[シュナイダー・クロイツナッハ]]製。最短撮影距離0.3m。
*'''ルミナー'''40mmF4.5 - アダプター「20.1633」、ベローズと併用して接写撮影専用。
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*'''プラナー'''55mmF1.4([[1961年]]発売) - 5群7枚。銀鏡胴と黒鏡胴があり8275本が生産された。アタッチメントはB56のみで、φ49mmねじ込みは使えない。最短撮影距離0.45m。アダプター「20.1642」を介して8×30B単眼鏡を装着すると最短撮影距離6mの400mm超望遠レンズとして使用できる。
*'''ルミナー'''63mmF4.5 - アダプター「20.1633」、ベローズと併用して接写撮影専用。
*'''プラナー'''85mmF1.4([[1974年]]発売) - 5群6枚。システム終焉直前に発売されたため黒鏡胴が400本生産されたに留まった。非常に高い性能であるが絞り羽根が三角であるためボケが三角形になること、あまりにシャープであることからポートレートには向かない。アタッチメントはφ67mmねじ込み。光学設計は後にローライSL35用に流用されたが、コンタックスRTS用は別物。
*'''ゾナー'''85mmF2([[1958年]]発売) - 3群7枚。銀鏡胴と黒鏡胴があり7585本が生産された。アタッチメントはB56またはφ49mmねじ込み。最短撮影距離0.8m。
*'''ルミナー'''100mmF6.3 - アダプター「20.1652」、ベローズと併用して接写撮影専用。
*'''テッサー'''115mmF3.5([[1962年]]発売) - 3群4枚。黒鏡胴が1550本生産された。ベローズ用。無限遠可能、最短撮影距離0.8m。プリセット絞り。アタッチメントはB56またはφ49mmねじ込み。
*'''ゾナー'''135mmF2.8([[1964年]]発売) - 4群4枚。黒鏡胴が7895本生産された。アタッチメントはB56。最短撮影距離1.2m。カタログの一部には「OLYMPIA-SONNAR」とあるがレンズ本体の表記は単に「SONNAR」である。
*'''ゾナー'''135mmmF4([[1958年]]発売) - 3群4枚。銀鏡胴と黒鏡胴があり15365本が生産された。レンズマニアに非常に高い評価を受けている。アタッチメントはB56またはφ49mmねじ込み。最短撮影距離1.2m。
*'''ゾナー'''180mmF2.8([[1966年]]発売) - 4群4枚。黒鏡胴が965本生産された。アタッチメントはφ67mmねじ込み。フォーカシングは鏡胴横についているダイヤルで行う。カタログの一部には「OLYMPIA-SONNAR」とあるがレンズ本体の表記は単に「SONNAR」である。最短撮影距離1.8m。
*'''ゾナー'''250mmF4前期型([[1959年]]発売) - 4群4枚。黒鏡胴が2019本生産された。アタッチメントはφ67mmねじ込み。一般的なヘリコイドでフォーカシングを行う。
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== 脚注 ==
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<references />
 
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