「自主規制」の版間の差分
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== 自主規制の限界 ==
自主規制とはその名の通り当該の業界のメーカー各社の総意という形での「自主的な規制」である。概して自主規制を遵守することはさらに厳しい規制が外部から導入されることによる発展の阻害から業界と市場を守る、極端な場合には業界を維持存続させることを目的とした、業界のルールやモラルという一面がある。そのため、自主規制を遵守しないことで業界内部での居心地が悪くなる、業界団体から除外される、流通・小売
しかし、時として自主規制は下記の様な事情の発生によって有名無実化されてしまうことが起きる。
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* 業界団体からのメーカーの脱退が相次いだり、業界団体非加盟の後発メーカーが乱立する
* 業界団体の内紛や業界関係者の対立などから審査を行う業界団体が分裂・並立し、相互に加盟メーカー獲得を競って規制の箍が緩められる
* 国内の基準の制約を受けない海外メーカーの製品を、業界団体非加盟の商社や小売店が並行輸入の形で国内に持ち込んで独自の流通経路で販売する
* 表現物の場合には販売競争の激化により、規制対象の表現が過激化の一途を辿る
* この様な既存団体にとっては「基準不適格」の製品が、メーカー直営の[[通信販売]]など既存流通とは全く別の販路から流通する
この様な形で自主規制のシステムが機能不全に陥った場合、“ギリギリ摘発されないライン”を意図的に狙った商品や、業界団体に非加盟、あるいは業界団体を脱退したメーカーにより自主規制とは異なる独自基準で判定した“規制合格”品が次々と登場してくることも起きる。悪質な場合には、製造メーカーや輸入商社の判別できないなど明らかに問題のある製品に何らかの“規制合格品”というマークやシールを付けたものが、ユーザーから素性を問われにくい
一方で、海外では同種製品に自主規制や公的規制が無い、あるいは規制があっても制限が著しく緩い場合、海外市場での競合や国内市場でも海外メーカー製輸入品との競合によって、法規制ではなく日本国内の業界の自主規制に基づいた仕様を持つ為に性能面で抑制されている日本メーカー製品のみに市場競争上著しく不利に働く場合がある。この場合、流通なども自主規制団体に加盟し海外製品でも自主規制適応品でなければ市場流通させられないなどの処置が取れるならば国内での自主規制は意味を持つものの、結局は海外市場での海外メーカーへの対抗という理由から徐々に規制の箍が弛められていったり、規制遵守の国内向け仕様と規制の無い海外向け仕様でパーツの多くを別仕様とせざるを得なくなり非効率・不経済となるなどして、自主規制の存在意義が問われてしまうこともある。
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