削除された内容 追加された内容
266行目:
 
=== ベテラン声優の経済 ===
日俳連加盟の声優のギャランティーはランク制の影響を受け、ノーランクを例外として建前上青天井になることは無い(その分を様々なイベントへの出演機会の提供などで補われることはある)ものの。とはいえ、声優としてベテランの域になり日俳連のランクが高くなると、制作者サイドの予算面の都合からアニメ・ゲーム・吹き替えの仕事で起用されることはどうしても少なくなり、低ランク時代と同様の感覚での役と収入の確保は現実的に見て不可能になる。ある声優が実績を積み上位ランクになったがゆえに、後のリメイク作品や続編作品のアニメ化の際に自らの持ち役が他の声優に交替になる、関連作品の作品毎の予算規模に応じて異なるランクの声優と使い分けがされるといったことはこの業界ではよくあることで、これは1980年代に当のランク制導入をはじめとする声優業の地位向上や収入安定を目指した運動に携わった世代の著名声優とてその例外ではない。また、「自分の若い頃からの持ち役だから」などといった理由で出演者中の上位ランクの声優が独自に制作者側の都合に合わせたギャラ減額に同意すると、ランク制のシステムにより自動的に他の全共演者のギャラ単価に悪影響を及ぼし同輩や後進に大きな迷惑と負担を掛けるため、声優業界のモラルや関連業界してもベテラン規律維持の観点からもその様な行動は慎むべきものとされる。{{see also|神谷明#『週刊少年ジャンプ』作品}}
 
ベテラン声優にとってそういった面を補うことができるのがテレビ番組やコマーシャル、商品宣伝の[[プロモーションビデオ]]映像など各種[[ナレーション]]の仕事である。ナレーションは日俳連の協定によるランクの縛りがなく、また、ギャラはアニメ・ゲーム・吹き替えよりもはるかに高額とされる。そのためか、新人・若手声優だった頃にはアニメで数多くの出演をしていた人物の多くも、後に中堅・ベテラン格になるにつれてアニメの仕事が徐々に減っていき、ナレーションが中心になるという傾向にある。なお例外はあり、たとえばアニメ・ゲームなどランク制の対象となるコンテンツのナレーションはランク制の対象範囲である。
 
ベテラン声優の中には収入の少なさを補うため本業の傍ら、声優事務所の経営、声優の養成所や専門学校の講師、[[カルチャースクール]]の喋り方教室の講師、音響監督などといった副業を手掛けている者もいる。また、ベテラン格になると、収入実態を見た場合にむしろそういった副業が実質的に本業化している声優も珍しくはない。