「ライカ (犬)」の版間の差分

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打ち上げ当初、この歴史的なイヌの名前に関する報道はかなり混乱していたが、打ち上げ直後の紙面では、「クドリャフカ」という名の[[ジャーマン・スピッツ|スピッツ]]などと伝えられている<ref>『宇宙開発の50年』武部俊一著、朝日新聞社、2007年、p.8</ref>。
 
「クドリャフカ」(Кудрявка, Kudryavka)の語意は「巻き毛ちゃん」(英訳で"Little Curly")であり、また、この報道においては「巻き尻尾のワンちゃん」という意味を含んでいる。{{要出典範囲|当時のソ連で、犬たちの飼育及び教育を担当していた人たちの証言によれは、この犬は飼育または教育期間に「クドリャフカ」と呼ばれていたことが確認される。また、打ち上げ直後にソ連科学アカデミー会員もこの犬の名前を「クドリャフカ」と呼んでいる。|date=2012-08-30}}
 
{{要出典範囲|打ち上げ直後に世界の報道は錯綜し、世界各国で犬の性別すらわからない状態が続いた。名前は各国で「クドリャフカ」「アルビーナ」「ダムカ」「リンダ」「リモンチク」などと報道されたが、「ライカ」と称した証言は打ち上げ直後には一切ない。ソ連側は当時「(犬種としての)ライカ犬」と発表しているのみであり、その後も個体名の改名は行われていない。|date=2012-08-30}}
 
当時アメリカ(ニューヨークタイムズ)で真っ先に「(犬種としての)ライカ犬(個体名称は不明)」と発表されたが、数日後に[[AP通信]]がソ連からの情報として「犬の本当の名前はライカである」と報じた。{{要出典範囲|このAP通信の報道は、全く信憑性がないにも拘らず、犬の名称について混乱していた世界のメディア機関はライカ ([[W:Laika|Laika]]) という表記で急速に統一されることとなり、そのまま世俗的通称として現在に至っている。|date=2012-08-30}}
 
1958年ソ連文化省編・[[朝日新聞社]]翻訳・発行の『スプートニク-ソ連の人工衛星のすべて』などでは、{{要出典範囲|史実的には間違ったままの|date=2012-08-30}}俗称をそのまま使用している。
 
===ソ連およびロシアにおける犬の呼び名===
打ち上げ以降のソ連のニュース映像<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=D-0BjdLChgY Russian Sputnik 2 film] YouTube。<!--(50年以上経過したニュース報道なので著作権は失効していると判断しましたが、そうでなければご指摘願います)--></ref>に登場する新聞の見出しならびに1958年ソ連文化省編(朝日新聞社翻訳)の『スプートニク-ソ連の人工衛星のすべて』<ref>東西[[冷戦]]真っ只中、宇宙開発競争真っ只中で「[[スプートニク・ショック]]」が広がる西側陣営の最前線である日本で、かの朝日新聞社の手によりロシア語より翻訳・発行されたソ連の科学技術宣伝媒体本である、という歴史的事実を理解した上で充分に留意し、当資料の掲載内容の扱いには注意すべし。</ref>では最初に宇宙に旅立った犬の名前について、以下のように記している。
{{cquote|人工衛星には実験用動物('''ライカと呼ばれる犬''')をのせた<ref>『スプートニク』ソ連の人工衛星のすべて、ソ連文化省編、朝日新聞社訳、朝日新聞社、1958年、p.139</ref>。
 
第二号衛星にのったライカは小型犬で目方は約5キログラムであった。'''ライカの系統は残念ながら明らかでない'''。ライカの性格は粘液質であった。飼育室の中にいても、同僚犬たちと争ったことがなかった<ref>『スプートニク』ソ連の人工衛星のすべて、ソ連文化省編、朝日新聞社訳、朝日新聞社、1958年、p.140</ref>。}}
 
ただしこれは翻訳であり、{{要出典範囲|元文が不確かな上に、ライカ=当該犬の個称とは断定していない。「犬種名」「その犬」程度の意味である、とも解釈できる。ソ連国内の当時の科学アカデミー会員などの打ち上げ関係者情報では犬を「クドリャフカ」としているが、打ち上げ直後の報道混乱期以降、報道の現場では世界的に「ライカ(ないしはライカ犬)」と呼称しており、以降(旧ソ連国内関係機関を含め)世界的に俗称として一般化し、通用している。故に、朝日新聞社のせいではない。現在においてはロシア国内の記念碑にすら「{{lang|ru|Лайка}}」と書かれてしまっている。|date=2012-08-30}}
 
ただしこれは翻訳であり、元文が不確かな上に、ライカ=当該犬の個称とは断定していない。「犬種名」「その犬」程度の意味である、とも解釈できる。ソ連国内の当時の科学アカデミー会員などの打ち上げ関係者情報では犬を「クドリャフカ」としているが、打ち上げ直後の報道混乱期以降、報道の現場では世界的に「ライカ(ないしはライカ犬)」と呼称しており、以降(旧ソ連国内関係機関を含め)世界的に俗称として一般化し、通用している。故に、朝日新聞社のせいではない。現在においてはロシア国内の記念碑にすら「{{lang|ru|Лайка}}」と書かれてしまっている。
 
===ムトニク===
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===犬種に関する憶測===
「ソ連は世界初の栄誉を「国産固有種の犬」で飾りたかったがために犬種偽装報道をしていた」とする説があるが、ソ連文化省は1958年に「ライカの系統は'''残念ながら'''明らかでない」と述べている、と日本では朝日新聞社が記述している。{{要出典範囲|ただし何度も注釈されているように、この朝日新聞社の記述は、同社の一貫した報道姿勢と同様、全く信憑性が無い。|date=2012-08-30}}この説は例えばジョアン・フォンクベルタ著の『スプートニク』でも見ることができる。なお、ジョアン・フォンクベルタ著の『スプートニク』はフィクション作品とされているが<ref>『スプートニク』ジョアン・フォンクベルタ著、スプートニク協会著、管啓次郎訳、筑摩書房、1999年、p.204<br>「本書『スプートニク』は解説を除き、すべて作者ジョアン・フォンクベルタによるフィクション作品です」</ref>、該当部分から引用する。
{{cquote|宇宙飛行ではいつものことだが、政治的=技術的な二重の要素が考慮された。(1) 全世界の、特に子供達を夢中にさせるような、かわいくて写真うつりのいい犬を選ぶこと。そしてそれはロシア原産種でなくてはならない<ref>『スプートニク』ジョアン・フォンクベルタ著、スプートニク協会著、管啓次郎訳、筑摩書房 1999年、p148</ref>。}}