「マラカイトグリーン」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
4行目:
| ImageFile1 = Malachite-green-3D-vdW.png
| ImageSize1 = 200px
| IUPACName = 4-[
| OtherNames =
| Section1 = {{Chembox Identifiers
| CASNo = 569-64-2
| PubChem =
| SMILES = [Cl-].
}}
| Section2 = {{Chembox Properties
| Formula = C<sub>23</sub>H<sub>25</sub>ClN<sub>2</sub>
| MolarMass = 364.911 g/
| Appearance =
| Density =
27行目:
}}
}}
'''マラカイトグリーン'''
名称はマラカイト
== 性質 ==
[[結晶]]は光沢があり、[[水]]や[[エタノール]]に溶け、[[酸|酸性]]では黄色を呈する。
▲{| class="wikitable" align="center"
▲! colspan=5 style="text-align:center; background:#dddddd; border:0px" | マラカイトグリーン
|-
|
|-
!
|
!
|
!
|}
== 用途 ==
=== 染料 ===
[[ファイル:Bacillus subtilis Spore.jpg|thumb|'''マラカイトグリーンを用いた細菌[[芽胞]]の染色'''(Wirtzの芽胞染色法)<br>緑色の部分がマラカイトグリーンで染まった[[枯草菌]]の芽胞。赤色の部分は[[サフラニン]]で染まった通常の菌体]]▼
▲緑色の部分がマラカイトグリーンで染まった[[枯草菌]]の芽胞。赤色の部分は[[サフラニン]]で染まった通常の菌体]]
着色力が強く安価であることからよく用いられるが、光により分解する。繊維の他に、紙やプラスチック製品などにも用いられる。
62 ⟶ 53行目:
=== 殺菌消毒能 ===
[[還元]]作用があることから、[[活性酸素]]を発生し殺菌消毒作用を示すと考えられている。作用機序は酸化還元作用によるもので、細菌の細胞壁の特異的な合成阻害作用などがあるわけではなく、抗生物質、合成抗菌剤とは根本的に作用機序がことなる。医学生物学的には[[過酸化水素|オキシドール]]液、[[ポビドンヨード|イソジン]]液などと同属の、消毒剤・消毒殺菌剤に分類される。[[観賞魚]]の[[白点病]]や[[水カビ病]]などの治療に用いられる。毒性のため、食用の[[養殖業|養殖]]魚に用いることは[[2005年]][[8月1日]]から禁止となった<ref>薬事法及び薬事法関係省令改正により、未承認医薬品を食用に供するために養殖されている水産動物への使用が禁止された([http://www.pref.nagano.jp/xnousei/suishi/dayori/no23/no23.htm 水産だより 第23号(2003年12月発行)] 長野県水産試験場)。</ref>。
=== 培地 ===
マラカイトグリーンは大部分の細菌に対して殺菌的に働く。特に[[ブドウ球菌]]などのグラム陽性[[球菌]]に有効であるが、グラム陽性桿菌、グラム陰性菌に対しても有効である。一方、[[サルモネラ]]や抗酸菌などは比較的マラカイトグリーンに対する抵抗性が高いため、これらを選択的に増殖、培養するための[[培地]]に添加される。
サルモネラの選択増菌[[培地]]であるラパポート培地やラパポート・バシリアディス培地、抗酸菌用の小川培地などに利用されている。小川培地では、抗酸菌の[[コロニー]]を培地の色との違いで目立たせる役割も果たしている。
=== 試薬 ===
遊離[[リン酸]]の測定試薬として用いられる。
== 毒性 ==
[[核酸|核酸塩基]]と親和性を示すことから[[発癌性]]が示唆されているが、毒性評価はされていない。
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では[[1981年]]に、[[欧州連合|EU]]では[[2002年]]に食品への使用が禁止された。[[ウナギ]]への残留が問題になった[[中国]]でも2002年に食用動物への使用が禁止された。日本では、[[食品衛生法]]により食品中から検出されてはならないとされている。しかしながら[[2007年]]7月に中国産の切り身さばから、[[2008年]]7月に中国産のウナギから検出された。
== 脚注 ==
<references/>
|