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== 設計 ==
探査機の本体は両端が半球状になった長さ1.3mの円筒形であった。円筒部分の直径は0.9m、最大径(本体上部の張り出てい部分)は1.3mだった。質量は278.5kgで、[[ルナ1号]]や[[ルナ2号|2号]]より軽量だった。内部は0.23[[気圧]]に保たれ、搭載機器は[[与圧|与圧環境]]下に置かれた。また温度が25℃を超えるとカバーを開て放熱板を露出させることで、内部の温度調整を行った。電力は本体の周りに貼り付けられた[[太陽電池|太陽電池パネル]]で供給した<ref name="NSSDC">{{Cite web
|url=http://nssdc.gsfc.nasa.gov/nmc/masterCatalog.do?sc=1959-008A
|title=Luna 3
|publisher=NASA - NSSDC
|language=英語
|accessdate=2008-05-25
}}</ref>。
 
ルナ3号の最大の目的は月の裏側を撮影することにあり、観測機器の中で撮影装置が最も重要な位置を占めた。ルナ3号に搭載さ「イェニセイ-2」と呼ば撮影システムは、[[カメラ]]、[[現像|現像装置]]、[[スキャナ]]からを中心に構り立っていされた。カメラは2種類のレンズを備え、月の全体像の撮影と一部地域のクローズアップの撮影とに使い分けるとが出来た。撮影装置の他に[[流星物質]]や[[宇宙線]]検出する機器を積んでいた。[[姿勢制御]]は、スピン制御とガスジェットを使った制御を切り替えることができた。軌道修正のための[[ロケットエンジン]]は備えていなかった<ref name="NSSDC" />
 
=== イェニセイ-2 ===
ルナ3号は[[姿勢制御]]用にガスジェットを搭載していたが、軌道修正のための[[ロケットエンジン]]は備えていなかった。
ルナ3号に搭載された「イェニセイ-2」と呼ばれる撮影システムは、フィルム[[カメラ]]、[[現像|自動現像装置]]、[[スキャナ]]から成り立っていた。
 
カメラは[[焦点距離]]200mm[[F値]]5.6と、500mm F9.5の2種類のレンズを使い分けることができた。200mmのレンズは月の全体像を撮影するのに適しており、500mmレンズは一部地域のクローズアップに適していた。カメラは探査機本体に固体されたため、撮影方向を変えるために探査機全体の姿勢を制御する必要があった。センサーが月光を感知すると本体上端にあるカメラカバーが開き、自動で撮影を始める仕組みだった<ref name="NSSDC" />。
 
撮影結果は40フレームの[[35mmフィルム]]に記録され、撮影終了後に自動現像装置に送られた。現像後のフィルムは地上からの指令を受けてスキャナで読み取られ、地球に電送された<ref name="NSSDC" />。
 
== 飛行 ==
[[1959年]][[10月4日]]、ルナ3号は[[バイコヌール宇宙基地]]から[[ルナ (ロケット)|ルナ8K72ロケット]]で打ち上げられた。ルナ3号は直接月へ向かう軌道に投入されたが、。しかしこの時点で、探査機が送信する信号の強さが予定に満たない、内部が異常な高温になり過ぎているいった問題発生判明ていた。温度を抑えるために重要性の低い装置の電源落とすという対策が行われたが、送信の不調は解決できなかった。
 
ルナ3号が[[地球]]から6から7万kmの距離に達した段階で、[[姿勢制御]]方式がスピン制御からジェットを使った制御に切り替えられた。
 
[[10月6日]]、ルナ3号は月の南極付近に最接近した。最接近時の月表面からの距離は6200kmだった。この時点でまだ月の自動撮影は行われ始まらず、ルナ3号は月の[[万有引力|引力]]で軌道を変えながら飛行を続けた。
 
[[10月7日]]、検出器が[[月の光]]を捉え、自動撮影システム開始され起動した。月からの距離は6万3500kmだった。ルナ3号はその後40分で29枚におよぶ写真を撮影した。一連の撮影を終えたルナ3号は、姿勢制御の方式を元のスピン制御に切り替え戻して飛行を続け、月を半周して地球へ再接近する軌道に乗った。
 
ルナ3号は地球に向かいながら画像データの送信を行った。送信機の不調にもかかわらず10月18日までに17枚分の不鮮明な画像データを転送することに成功したが、画像はいずれも不鮮明なものだった。
 
[[10月22日]]、地上とルナ3号との交信が失われ、計画は終了した。ルナ3号は軌道を制御されないまましばらく地球近傍を飛行していたが、[[1960年]]3~4月に[[大気圏]]に突入したとみられている(大気圏突入は[[1962年]]以降という説もある)。
 
== 成果 ==
[[File:Luna-3.JPG|thumb|220px|ルナ3号の[[切手]]]]月は常に地球に同じ面を向けているため([[自転と公転の同期]])、地上からの観測では月の裏側を見ることは不可能であり、その様子は長い間謎のままだった。ルナ3号の最大の成果は、月の裏側まで飛行し、世界で初めて月の裏側の撮影に成功したことである。
 
受信された画像は不鮮明だったが、月の表側と異なり、裏側には暗い[[月の海]]がほとんど存在しないことが明らかになった。判別できた地形には名称が与えられ、その中には[[モスクワの海]]などロシア]]関係するちなむ地前が多い(も誕生した。不鮮明な画像から無理をして地形を読み取ったため、[[モスクワの海ソビエト山脈]]など後の探査で誤りが判明した地形もあった
 
== 関連項目 ==
*[[ルナ計画]]
*[[ソビエト山脈]]
 
== 参考文献 ==
{{reflist}}
*{{Cite web
|url=http://nssdc.gsfc.nasa.gov/nmc/masterCatalog.do?sc=1959-008A
|title=Luna 3
|publisher=NASA - NSSDC
|language=英語
|accessdate=2008-05-25
}}
 
{{ルナ計画}}