「プロセラルム盆地」の版間の差分
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== 構造 ==
プロセラルム盆地は、直径が約3000kmもある巨大な盆地で、正体は月自身の大きさの約86%もある巨大な[[クレーター]]である。この大きさは、月の裏側にある同じくクレーターの[[南極エイトケン盆地]]の約2500kmを抜き、[[月]]の中で最大である。また、[[太陽系]]の中でも最も大きなクレーターの1つである。
プロセラルム盆地の中には、やはり巨大なクレーターである直径1145kmの[[雨の海]]
== 起源 ==
プロセラルム盆地の起源は、直径が約300kmも
[[2012年]]に[[産業技術総合研究所]]は、[[宇宙航空研究開発機構|JAXA]]の月周回[[衛星]]の[[かぐや]]が調べた可視赤外線反射率スペクトルのデータを用い、月表面にある[[カルシウム]]に乏しい[[輝石]]([[ピジョン輝石]]、[[頑火輝石]]、[[鉄珪輝石]]などのMg-Fe輝石)の分布を調べた。低カルシウム輝石は、地殻を貫いて[[マントル]]の一部を溶かすほどの大規模な衝突で溶けた衝突溶融物が固化した際に多く含まれていると考えられている。その結果、同じく巨大なクレーターである雨の海周囲部、南極エイトケン盆地内部、プロセラルム盆地周囲部に、低カルシウム輝石を
== 匹敵する衝突地形 ==
{{See also|太陽系の天体の最も大きなクレーターの一覧}}
プロセラルム盆地の直径3000kmが太陽系の中でも最大級のクレーターであることは間違いないが、太陽系で最も大きなクレーターか否かは定かではない。これまでで天体の衝突が生成の原因だとわかっている最も大きなクレーターは南極エイトケン盆地の2500km、次いで[[火星]]にある[[ヘラス平原]]の2300kmであった。プロセラルム盆地はこれらよりも大きい。しかし、火星にある{{仮リンク|北極海盆|en|North Polar Basin (Mars)}}は、10600km × 8500kmという途方もなく大きなクレーターではないかという説がある。また、同じく火星にある約3300kmの[[ユートピア平原]]もまた衝突盆地ではないかと言われている。また、[[木星]]の[[ガリレオ衛星]]の1つである[[カリスト (衛星)|カリスト]]にある{{仮リンク|ヴァルハラ盆地|en|Valhalla (crater)}}は本体部分が直径360kmであるが、衝突の衝撃に由来する多重のリング構造が最大直径3800kmまで広がっている。また、クレーターと月自身の直径との比率は約86%であるが、これは極端に小さな天体にあるクレーターを除けば、[[小惑星]][[ベスタ (小惑星)|ベスタ]]にある{{仮リンク|レアシルウィア|en|Rheasilvia}}の約90%に次ぐ比率である。
== 関連項目 ==
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