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[[等方的と異方的|異方性]]結晶は光の方向によって光学的特性が変化する性質を有している。光の偏光は[[電場]]の方向を決定し、この方向が変化することで結晶は異なる色を示す。このような種類の結晶は1つもしくは2つの光軸を有しており、結晶の光軸に対して一定の角度で入射する光の吸収が変化するときに多色性が発現する<ref name="Bloss">{{cite book|last=Bloss|first=F. Donald|title=An Introduction to the Methods of Optical Crystallography|year=1961|publisher=Holt, Rinehart and Winston|location=New York|pages=147–149}}</ref> 。
 
異なる偏光の光は結晶による屈折率が異なるため、異方性結晶は光に対して[[複屈折]]する性質を持つ。分裂した光線は鉱物内で異なる経路をたどるため異なる速度で伝達される。そのため、鉱物をある角度から観察した際に目に映る光は、いくつかの経路をたどり結晶によって波長の吸収を受けた偏光が組み合わされたものとなる。また、別の角度から観察した際には光は別の経路をたどるため、元の角度から観察した際とは異る波長が吸収された偏光が組み合わされたものとなり、元の角度から観察した際とは異なる色が観察される。このように鉱物の角度を変えて観察した際に鉱物を通過する光は異なる色を有するため、様々な角度から鉱物を観察するとその鉱石が異なる色であるように見える。これらの異なる色はそれぞれその鉱物自身の色である。
 
正方晶系、三方晶系、六方晶系の鉱物は2色間のみの色変化であるため{{仮リンク|二色性|en|Dichroism}}とも呼ばれる。斜方晶、単斜晶、三斜晶のものは3色を示すことができる三色性である。例えば、[[頑火輝石|紫蘇輝石]]は2つの光軸を有しており、3次元的に3つの異なる正位置に置くことで、赤色、黄色もしくは青色を示す<ref name="Bloss2">{{cite book|last=Bloss|first=F. Donald|title=An Introduction to the Methods of Optical Crystallography|year=1961|publisher=Holt, Rinehart and Winston|location=New York|pages=212–213}}</ref>。[[立方晶]]の鉱物は多色性を示さない<ref name=Webmineral/><ref>{{ cite web|url=http://www.galleries.com/minerals/property/pleochro.htm |title=The Pleochroic Minerals|accessdate=2012-04-25|}}</ref>。[[トルマリン]]は強い多色性を示す代表的な鉱物である。[[宝石]]は、その石の色や魅力に応じて、しばしば多色性を強調するように、または多色性を隠すようにカットおよび配置される。