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{{出典の明記|date=2012年10月21日 (日) 06:27 (UTC)}}
'''真珠庵'''(しんじゅあん)は[[京都府]][[京都市]][[北区 (京都市)|北区]][[紫野]]にある、[[臨済宗]]大本山[[大徳寺]]の[[塔頭]]である。型破りの禅僧として著名な[[一休宗純]]ゆかりの寺院である。特別公開時を除き、通常は非公開である。
 
== 歴史 ==
[[永享]]年間([[1429年]]-[[1441年]])に、大徳寺を復興した一休宗純を開祖として創建。[[応仁の乱]]により焼失し、[[延徳]]3年([[1491年]])に堺の豪商・[[尾和宗臨]](おわそうりん)によって再興された。その後、[[寛永]]1315([[16361638年]])に京の豪商・[[後藤益勝]](ごとうますかつ)の寄進により[[方丈]]が造営された<ref>『日本歴史地名大系 京都市の地名』、p.479; 『昭和京都名所図会 5 洛中』、p.124</ref>
 
== 庵号の由来 ==
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== 建造物 ==
;方丈
:入母屋造、檜皮葺。寛永1315(1636(1638)に京の豪商・後藤益勝の寄進により造営されたもので、[[曽我蛇足]](そがだそく)や[[長谷川等伯]]の障壁画が伝わる<ref>『昭和京都名所図会 5 洛中』、p.124</ref>
;書院・通僊院(つうせんいん)
:寛永15年([[1638年]])に入母屋造、杮葺。[[正親町天皇|正親町(おおぎまち)天皇]]の女御の化粧殿を移築したものといわれる。書院に接続して茶室庭玉軒が建つ<ref>『日本歴史地名大系 京都市の地名』、p.479; 『昭和京都名所図会 5 洛中』、p.124</ref>
;茶室・庭玉軒(ていぎょくけん)
:茶道・[[宗和流]]の祖である[[金森重近]](宗和)好みと伝える二畳台目下座床の席。内露地の一部を庇屋根で覆い内部空間化した巧みな意匠で知られている。庇屋根と壁で囲まれた土間には手水鉢や飛石がある。この茶室の由来については、金森家の菩提所であった大徳寺塔頭・金龍院(明治時代に廃寺となる)にあった宗和好みの茶室を移したものであると伝わるが、真珠庵に伝わる江戸時代の古図にも庭玉軒が描かれていることから、金龍院から移したとする説は誤りとされている。
;庫裏
:切妻造妻入、杮葺。慶長14年(1609年)の建立<ref>『昭和京都名所図会 5 洛中』、p.124</ref>。
 
== 庭園 ==
;方丈東庭(史跡・名勝)
:真珠庵で最も古いとされ、[[侘び茶]]の祖である[[村田珠光]]または連歌師宗長の作と伝わる[[枯山水]]の庭で、園。7・5・3と合わせて15個の石が配してあることから「七五三の庭」とも呼ばれる<ref>『日本歴史地名大系 京都市の地名』、p.479; 『昭和京都名所図会 5 洛中』、p.124</ref>
;方丈南庭
:村田珠光、または連歌師の[[宗長|柴屋宗長]]の作とされている。
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===国宝===
*[[禅林墨跡#看読真詮榜|大燈国師墨蹟]]
:縦32.5センチ、全長832センチの巻子本。巻頭の標題に「看読真詮榜(かんとくしんせんぼう)」とあり、一般には「看経榜(かんきんぼう)」と呼ばれる。1行あたり3、4字の大字作品で、書風には[[黄庭堅]]の影響がうかがわれる。署名はないが、その豪放で端正な書風から大燈国師([[宗峰妙超]])の[[禅林墨跡|墨蹟]]中の代表作といわれている。巻頭の「妙超」「宗峰」の印は後捺である。「看経榜」とは、禅寺の僧堂に張る掲示のことだが、本作品は実際に掲示されたものではなく、その手本として書写されたものとみられる<ref>『週刊朝日百科 日本の国宝』20号、'''6''' - 317 - '''6''' - 318</ref>
 
===重要文化財===
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**遺誡
*真珠庵枡 2口 永正十八年(1521年)銘、大永四年(1524年)銘
 
=== 史跡・名勝(国指定) ===
*真珠庵庭園(方丈東庭、通僊院庭園)
 
== アクセス ==
*[[JR]][[京都駅]]より[[京都市営バス|京都市バス]]・大徳寺前(約30分)下車、徒歩
*[[京都市営地下鉄烏丸線]][[北大路駅]]より[[京都市営バス|京都市バス]]・大徳寺前(約6分)下車、徒歩
 
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
*『日本歴史地名大系 京都市の地名』、平凡社、1979
*『週刊朝日百科 日本の国宝』20号、朝日新聞社、1997
*竹村俊則『昭和京都名所図会 5 洛中』、駸々堂、1984
 
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