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'''オリエント'''(Orient)は、東洋の訳語にあたる。その[[語源]]は[[ラテン語]]で「日が昇る方角」を意味するオリエンス(Oriens)である。また、広義の「東方」という意味での「オリエント」は、「[[ウルグアイ東方共和国]]」(República Oriental del Uruguay)などの地名にもみられる。
 
東洋とオリエントは本来同義であるべき一方、[[日本語]]の文脈においては、「東洋」がしばしば主に東アジアのみを連想させるのに対して、「オリエント」からは「[[古代オリエント]]」の地、すなわち日本から見て西に位置する現在の[[中東]]が主として連想されるという相違が生じる場合もある。イギリスでは「アジア人(Asian)」という言葉は主にインドなど南アジアの人々のみを指し、日本人、中国を含む東アジアや東南アジアの、韓国人などは「オリエンタル(Oriental)」と呼ばれるという別の混用もみられる。
 
[[エドワード・サイード]]は、西洋にとってオリエントのイメージは、異質な文明という先入観に基づいた西洋人の幻想、偏見の対象となっていると批判し、これを「[[オリエンタリズム]]」と呼んだ。主にヨーロッパを通じて中東を理解してきた日本人のオリエントに対する意識にも、サイードの批判対象と共通する問題があると指摘される。