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[[弓矢#祓い清めを表す言葉|桑の弓]]、桑弓(そうきゅう)ともいい、男の子が生まれた時に前途の厄を払うため、家の四方に向かって桑の[[弓]]で蓬の[[矢]]を射た。起源は古代[[中華文明|中華文明圏]]による男子の立身出世を願った[[通過儀礼]]で、日本に伝わって男子の厄除けの[[神事]]となった。桑の弓は桑の木で作った弓、蓬の矢は[[蓬]]の葉で[[羽]]を矧いだ(はいだ)矢。
 
[[養蚕]]発祥の地、中国においてはクワは聖なる木だった。[[山海経]]において10個の太陽が昇ってくる[[扶桑]]という神木があったが、羿(げい)という射手が9個を射抜き昇る太陽の数は1個にしたため、天が安らぎ、地も喜んだと書き残されている。太陽の運行に関わり、[[世界樹]]的な役目を担っていた。[[詩経]]においてもクワはたびたび題材となり、クワ摘みにおいて男女のおおらかな恋が歌われた。『[[三国演義]]』においては[[劉備]]の生家の東南に大きな桑の木が枝葉を繁らせていたと書かれている。
 
日本においてもクワは霊力があるとみなされ、特に前述の薬効を備えていたことからカイコとともに普及した。古代日本ではクワは箸や杖という形で中風を防ぐとされ、鎌倉時代[[喫茶養生記]]においては「桑は是れ又仙薬の上首」ともてはやされている。