削除された内容 追加された内容
78行目:
[[File:Neapolitan language.jpg|thumb|200px|ナポリ語の方言分布]]
[[File:Dialetti italiani meridionali estremi.jpg|thumb|200px|シチリア語の方言分布]]
[[File:GrikoSpeakingCommunitiesTodayV4.png|thumb|200px|グリコ語が話される地域]]
[[File:Griko Bovesia Aspromonte Calabria Italy.JPG|thumb|200px|グリコ人の人々]]
2006年の[[国立統計研究所 (イタリア)|国立統計研究所(ISTAT)]]の統計によれば、6歳以上の住民の家庭内での会話における言語状況は以下の通り<ref>{{cite web|url=http://www.istat.it/salastampa/comunicati/non_calendario/20070420_00/testointegrale.pdf#page=5|author=[[国立統計研究所 (イタリア)|国立統計研究所(ISTAT)]]|title=La lingua italiana, i dialetti e le lingue stranieri|language=イタリア語|format=pdf|page=5|accessdate=2012-12-10}}</ref>。イタリア語({{lang|it|Italiano}})、地方言語({{lang|it|Dialetto}})、他の言語({{lang|it|Altra lingua}})についてのデータで、左列が全国平均、右列がカラブリア州の数値である。
 
102 ⟶ 104行目:
|-
|}
カラブリア州では、1861年のイタリア統一以前から標準イタリア語が公用語として用いられているが、この地域では複雑で豊かな歴史を背景としてさまざまな地方言語{{enlink|Calabrian dialects}}が発達していた。「カラブリア語」は[[ラテン語]]から直接派生したもので、話される語彙は標準イタリア語よりもラテン語に近い。また、[[ナポリ王国]]がフランス人やスペイン人によって統治された歴史を背景として、語彙や表現には[[フランス語]]や[[スペイン語]]の影響も受けている。多くの言語学者は「カラブリア語」のさまざまな方言を「北部カラブリア方言」「中南部カラブリア方言」の2つのグループに分けている。このほか、カラブリア州にはフランス語・ギリシャ語・オック語・アルバニア語系の[[言語島]]も見られる。
 
;北部カラブリア方言(ナポリ語)
:カラブリア州の北側約1/3の地域で話される言葉は[[ナポリ語]](ナポリ・カラブリア語)の影響を受けてその一部とも見なされており、北部カラブリア方言あるいはコゼンツァ方言{{enlink|Dialetto cosentino||it}}と呼ばれる。「[[エスノローグ]]」は「ナポリ・カラブリア語」(Napoletano-Calabrese)に含めている<ref name="ethnologue">{{cite web|url=http://www.ethnologue.com/show_country.asp?name=IT|title=Griko (Calabria)|work=Languages of Italy|publisher=ethnologue|accessdate=2012-12-10}}</ref>
 
;中南部カラブリア方言(シチリア語)
:カラブリア州の南側2/3の地域で話される言葉は、中南部カラブリア方言と呼ばれ、[[シチリア語]]の一部ともみなされる。この言語は多くの点で、イタリアの「かかと」にあたる[[サレント]]地方で話されている[[プッリャ語]]サレント方言と似ていると指摘される。[[シチ中部カラブリア語]]の一部方言{{enlink|Dialetto calabrese centrale||it}}もみな南部カラブリア方言{{enlink|Dialetto calabrese meridionale||it}}に分類され、さらに細かくはカタンザーロ方言{{enlink|Dialetto catanzarese||it}}やレッジャーノ方言{{enlink|Dialetto reggino||it}}などの方言がある。
:「エスノローグ」ではシチリア語の一部と見なされる旨の言及があり、シチリア語の項目に「カラブリア・シチリア語」(Calabro-Sicilian)の別名が挙げられている<ref name="ethnologue" />。
 
;グリコ語(ギリシャ語)
;オック語
:カラブリア州の南端、レッジョ・カラブリア県のボヴェシア{{enlink|Bovesia}}([[ボーヴァ]]や[[ボーヴァ・マリーナ]]など)には、[[ギリシャ語]]の変種である{{仮リンク|グリコ語|en|Griko language}}を話す{{仮リンク|グリコ人|en|Griko people}}が暮らしている。同様のグリコ語話者コミュニティはプッリャ州南部の[[レッチェ県]]にもある。カラブリア州のグリコ語について「カラブリア・ギリシャ語」{{enlink|Calabrian Greek dialect}}と分類し、プッリャ州のグリコ語と区別することもある。彼らは、かつてイタリア半島南部にあった大きなギリシャ人コミュニティ([[マグナ・グラエキア]]や[[東ローマ帝国]]領の名残り)の生き残りで、15世紀から16世紀頃までは、カラブリア南部のより広い範囲でギリシャ語が用いられていた。ユネスコの「[[危機に瀕する言語]]のレッドブック」{{enlink|Red Book of Endangered Languages}}によればカラブリアのグリコ語の話者は2000人で、[[危機に瀕する言語]](vulnerable から extinct までの5段階のうち、危惧の軽い方から3段階目 severely endangered)と指定されている<ref>{{cite web|url=http://www.unesco.org/culture/languages-atlas/en/atlasmap/language-id-1339.html|title=Griko (Calabria)|work=UNESCO Interactive Atlas of the World’s Languages in Danger|publisher=UNESCO|accessdate=2012-12-10}}</ref>。
:レッジョ・カラブリア県のいくつかの地域([[コゼンツァ県]]の[[グアルディア・ピエモンテーゼ]]など)では、[[オック語]]の変種が話されている。
 
;グアルディア語(オック語)
;グリコ語
:[[コゼンツァ県]]の[[グアルディア・ピエモンテーゼ]]では、[[オック語]]の変種であるグアルディア語{{enlink|Guardiolo||it}}が話されている。「危機に瀕する言語のレッドブック」によれば話者は340人で、危機に瀕する言語(severely endangered)と指定されている<ref name="redbook-357">{{cite web|url=http://www.unesco.org/culture/languages-atlas/en/atlasmap/language-id-357.html|title=Gardiol|work=UNESCO Interactive Atlas of the World’s Languages in Danger|publisher=UNESCO|accessdate=2012-12-10}}</ref>。
:カラブリア州の南部には、[[ギリシャ語]]の変種である{{仮リンク|グリコ語|en|Griko language}}を話す{{仮リンク|グリコ人|en|Griko people}}が暮らしている。彼らは、かつてイタリア半島南部にあった大きなギリシャ人コミュニティの生き残りで、同様のギリシャ語話者コミュニティがプッリャ州にもある。カラブリア州のギリシャ語について「ギリシャ語カラブリア方言」{{enlink|Calabrian Greek dialect}}と分類する見方もある。
:「危機に瀕する言語のレッドブック」ではグアルディア語をオック語の下位分類であるアルピーネプロヴァンス語(ヴィヴァロ・アルピーネ語){{enlink|Vivaro-Alpine dialect}} の変種としている<ref name="redbook-357" />。なお「エスノローグ」ではオック語と[[アルピタン語|フランコプロヴァンス語]]の項目で別々にグアルディア・ピエモンテーゼで話されていることが挙げられている<ref name="ethnologue" />。
 
;アルバレシュ語(アルバニア語)
:{{仮リンク|アルバレシュ語|en|Arbëresh language}}は[[アルバニア語]]の変種で、南イタリアにはアルバレシュ語コミュニティが点在する。南イタリアにおけるアルバレシュ語話者は、「危機に瀕する言語のレッドブック」<ref name="redbook-1347">{{cite web|url=http://www.unesco.org/culture/languages-atlas/en/atlasmap/language-id-1347.html|title=Arbëresh|work=UNESCO Interactive Atlas of the World’s Languages in Danger|publisher=UNESCO|accessdate=2012-12-10}}</ref>および「エスノローグ」<ref name="ethnologue" />によればアルバレシュ語話者は8万人。ユネスコは危機に瀕する言語(2段階目 definitely endangered)に指定している<ref name="redbook-1347" />
 
== 観光 ==