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マタイ受難曲は大きく二部(通常68曲)からなる。第一部は29曲、[[イエス・キリスト|イエス]]の捕縛までを扱う。第二部は39曲、イエスの捕縛、[[ピラト]]のもとでの裁判、十字架への磔、刑死した後、その墓の封印までを扱う。物語でありながら、一方で精緻な音楽的構造を持った作品でもある。
;聖句
:聖句(聖書からの引用)のうち、[[福音書記者|エヴァンゲリスト]](福音史家)は[[テノール]]、イエスや[[ポンティウス・ピラトゥス|ピラト]]、[[ペトロ|ペテロ]]、[[イスカリオテのユダ|ユダ]]と大祭司カイアファなどは[[バリトン]]あるいは[[バス (声域)|バス]]で、集団は合唱で歌われる。マタイ受難曲中では、全体的に、真実は単純に、悪意や混乱は複雑な対位法で歌われる傾向がある。弟子達や一般の民衆等は四声部の合唱で、イエスに敵意を抱く祭司や長老をはじめとする群衆は八声部の二重合唱で歌われるが、群衆がイエスの言葉として Ich bin Gottes Son(Sohn(私は神の子である)を引用する瞬間、全声部が[[ユニゾン]]となる。また「二人の偽証者」を表現するのに、二声部の[[カノン]]が用いられている。
:イエスが発言する際には常に弦楽器の長い和音の伴奏が伴われるが、これはキリスト教美術によく見られる[[後光]]を音楽的に表現したものとされる。しかし最後の言葉Eli, eli, lama sabachthani(わが神、わが神、どうして私をお見捨てになったのですか)という神への疑いを示す部分だけは弦楽器の後光が伴わない。
;アリア、伴奏付きレチタティーヴォ