「クロスフィンガリング」の版間の差分

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Tamie (会話 | 投稿記録)
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== 運指法の例 ==
 
ルネサンス・フルートを例として説明する。今日の[[フルート]](モダン・フルート)の祖先に当たるルネサンス・フルートは、木製の円筒に[[歌口]]と 6つの[[トーンホール]]([[音孔]])が開いているだけの極めてシンプルな[[横笛]]である。通常は楽器を右側に構え、歌口に近い上流側 3つのトーンホールは左手の第2 - 4指で、下流側 3つのトーンホールは右手の第2 - 4指でふさぐ。全てのトーンホールをふさぐと、管内部で振動する気柱の長さが最大となり、最も低い音が出る。テナーのルネサンス・フルートの最低音は D4([[ニ長調]]のド、すなわち[[ハ長調]]のレ)であり、いわゆる D管である。
 
全てのトーンホールを閉じてから、歌口と反対側の方からトーンホールをひとつずつ順に開けていくと、管内部で共振する気柱の長さが短くなって周波数が上がっていき、下記のようにニ長調の[[音階]]が出せる。●が閉じるトーンホール、○が開けるトーンホールである。
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<span style="color:#aaa"> ◯   ●○○○○○   ラ  (B4)</span>
 
このように、出したい音より上流側のトーンホールを開き、下流側のトーンホールをいくつか閉じて[[音程]]を調節するような指使いを、指の動きが交差することから「'''クロスフィンガリング'''という。
 
トーンホールの大きさは管の内径より小さいので、開いているトーンホールより下流側の空気も共振しているため、下流側を閉じることで共振している気柱の長さを増大させ、音高を下げることができるのである。