「勲章 (日本)」の版間の差分

===幕末パリの勲章外交===

日本において[[西欧]]に倣った勲章制度が定められたのは[[明治]]時代である。ただしそれ以前にもが、[[幕末]]にも[[薩摩藩]]が外交手段のひとつとして”功牌”を製作・授与した[[薩摩琉球国勲章]]と、これに対抗して[[江戸幕府|幕府]]が計画しいた[[葵勲章]]がある。[[1867年]]（[[慶応]]3年）、[[フランス]]で開かれた[[パリ万国博覧会 (1867年)|パリ万国博覧会]]に日本からは幕府・薩摩藩・[[佐賀藩]]が初めて参加し、それぞれが出展を行った。その際、幕府方が「日本大君政府」代表を公称したのに対し、薩摩方も独自に「日本薩摩大守政府」代表を称してあたかも幕府からは独立した政権であるかのように振る舞った。さらにそのことを具体的に示すため、フランスの[[レジオンドヌール勲章]]を摸した薩摩琉球国勲章の功牌を現地で製作し、これを[[ナポレオン3世]]を振り出しに以下フランスの政府高官や各国の要人の多くにばらまい贈った<ref>[[#佐藤|佐藤]] p 52</ref>。これが日本初の西欧式勲章である。「[[薩摩藩がこうした活発な琉球国勲章外交を展開したために日陰に追われ]]」であるかたちとなった幕府。一方では再三にわったって猛抗議をしたものの、本国を遠く離れたパリにあって薩摩方に聞く耳はなかった。こうしたでの状況に危機感を募らせ知った幕府方では、こちらでも独自の勲章制度を製作・授与することが急務だと検討して葵勲章の計画を立てたが、間もなく[[大政奉還]]となって幕府は瓦解、た。この時に計画され、図案まで検討されていたのが[[葵勲章は]]であるが、結局幻に終ってしまった。また薩摩藩も新たに樹立された、明治政府の中核を担うこと維新になったことでより薩摩琉球国勲章のも存在意義が失われたため、結果的にこのパリで授与されたものが最初で最後のものとなった。<ref>[[#毎日新聞社|毎日新聞社]] p 81</ref>