「ゆく雲」の版間の差分

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一葉は[[1984年]](明治27年)に[[下谷]]から[[本郷区]]丸山福山町へ転居し、同年から翌年にかけて「暗夜」「[[大つごもり (小説)|大つごもり]]」「[[たけくらべ]]」など本作を含め次々と作品を発表しており、この時期は「奇蹟の14ヶ月」と呼ばれている。1895年には1月から翌年まで「たけくらべ」を発表し、4月には「軒もる月」を発表し、本作は「たけくらべ」の休載期間中に執筆されている。一葉はそれまで作品を文学界出版社「[[文学界 (明治)|文学界]]」へ発表していたが、本作は[[大橋乙羽]]の仲介で博文館に発表されている。また、挿絵は[[水野年方]]によって描かれている。
 
現在の[[山梨県]][[甲州市]](旧[[塩山市]]、旧[[大藤村 (山梨県)|大藤村]])は樋口家の出身地で一葉文学ではしばしば作品舞台として描かれているが、本作では大藤村が主人公野沢桂次の故郷として登場し、冒頭では[[酒折宮]]や[[猿橋]]など[[甲州街道]]上の名所地名が描かれている。
 
「ゆく雲」に登場する桂次のモデルは山梨郡竹森村(甲州市塩山)出身の野尻理作で、野尻は一葉の父則義が保証人となり上京し東京帝国大学に入学しており、明治23年に中退し帰郷している。また、野尻は1892年(明治25年)に甲府で甲陽新報を創刊しており、一葉は春日野しか子の筆名で「経つくえ」を掲載している。