「進歩的文化人」の版間の差分

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{{進歩主義}}
{{出典の明記|date=2011年9月}}'''進歩的文化人'''('''しんぽてきぶんかじん''')とは、主に[[進歩主義]]的な[[文化人]]を指す用語。対比後は「[[保守主義]]的文化人」あるいは「[[反動]]的文化人」など。
{{出典の明記|date=2011年9月}}'''進歩的文化人'''('''しんぽてきぶんかじん''')とは、[[第二次世界大戦]]後の占領期から[[1980年代]]にかけて、[[市民運動]]などの運動に関与し、[[学界]]、[[ジャーナリズム]]、[[マスメディア]]、[[教育]]等で活躍し「社会を牛耳ってきた[[反米]]・[[反日]]・[[親中]]・[[左翼]]系の[[知識人]]ら」とされる人々を漠然と指す。明確な定義はなく、実際にはレッテルとして誹謗、もしくは単純化のために用いられる。「[[リベラル]]」と「[[民主主義]]」を好んで標榜する人々を指すことが多く、代表格として、[[清水幾太郎]](晩年は転向)、[[丸山眞男]]、[[加藤周一]]、[[鶴見俊輔]]、[[小田実]]、[[大江健三郎]]、[[西園寺公一]]、[[羽仁五郎]]、[[家永三郎]]、[[本多勝一]]などについてしばしばこの呼称が用いられた。
 
明確な定義は無いが、「[[リベラル]]」や「[[良心的勢力]]」などと同じ意味で使用される場合も多く、このため保守主義の立場からは批判的な意味で使用される場合も多い。
特定の[[イデオロギー]]を主張しないところから、右派・左派にかかわらず、何らかのイデオロギーを持つ人々がそれに沿わない人物に対して批判的な文脈の中で使用する場合がある。「[[良心的勢力]]」とも呼ばれる。
 
== 概要批判 ==
日本での「進歩的文化人」に対する主な批判者としてには、保守系では[[福田恒存]]、左派では[[吉本隆明]]、他に[[エドワード・G・サイデンステッカー]]、[[西部邁]]、[[小室直樹]]などが挙げられる。保守派・右派のほかに、[[日本の新左翼]]などがこれら進歩的文化人を激しく批判し、吉本は[[スターリニズム|ソフト・スターリニズム]]だと批判していた。
[[冷戦]]期に主要な活動をしていた人物に使われることが多く、[[1990年代]]以降に主要な活動を始めた文化人にはあまり使われない言葉である。
 
[[保守]]勢力からは旧[[ソビエト連邦|ソ連]]・[[中華人民共和国|中国]]・[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]などの'''[[共産主義]]国に対して「心の祖国」と自発的に帰依し、それらの国々の主張に沿った報道をした'''という批判や、かつては右翼的な発言を繰り返してきながら、それへの反省もなしに時流に乗っている人々が少なからずいるといった批判がある。[[家永三郎]]、[[住井すゑ]]などの人物が、これに該当する。また、2000年代以降、インターネットユーザーからは反日売国奴と批判している。また北朝鮮を支持・理解するため、彼らを[[在日朝鮮人]]ないし帰化人であると断定して批判を展開する者もいる(いわゆる[[在日認定]])。
 
広義には、これらの文化人に言論活動の場を提供した媒体の名称から、'''[[朝日新聞|朝日]]文化人・[[岩波書店|岩波]]文化人'''もほぼ同義であるとされる。[[戦後民主主義|戦後民主主義者]]もほぼ同義語である。
 
明白に[[マルクス主義]]の立場に立つ論者を除いた呼称として使われることも多いが、左派知識人の別称として用いる場合には、マルクス主義者を含んだ意味合いで使われることもある(たとえば[[谷沢永一]]や[[稲垣武]]は進歩的文化人批判の著書で[[向坂逸郎]]のような明確な[[社会主義]]者も取り上げている。向坂は「[[非武装中立]]は日本が[[資本主義]]だから唱えていること、日本が社会主義になれば[[帝国主義]]に抗するため軍備を持つのは当然」と公言した)。左翼系[[文化人]]でも冷戦終了後に活動を始めた若手文化人・在野知識人に対して指すことはあまりない。
 
 
(21世紀に入り)活動している著名人のほぼ全員が、「[[九条の会]]」発起人・賛同者に名を連ねているともいわれる。
 
== 主張 ==
その主張としては、反戦・護憲・反米が挙げられる。具体的には憲法九条の維持、60年安保条約締結反対、沖縄米軍基地撤退、ヴェトナム反戦などが挙げられる。
 
==「役に立つ馬鹿」==
英語圏における同様の政治用語として[[役に立つ馬鹿]](useful idiots)、[[旅の道連れ]](fellow travellers)がある。これは一般的には[[レーニン]]または[[スターリン]]の言葉に由来するとされており、西側諸国におけるソ連信奉者が東側諸国を旅行し、共産主義とその社会を賛美する様子をソ連当局が歓迎しつつも内心では彼らの愚かさを軽蔑し冷笑的に利用するさまを表している。現在も確認できるもっとも古い利用例はイタリアの政局を扱った1948年のニューヨーク・タイムズの記事である<ref>{{cite news |title=COMMUNIST SHIFT IS SEEN IN EUROPE; Tour of Two Italian Leaders Behind Iron Curtain Held to Doom Popular Fronts|author=Arnold Cortesi|newspaper=New York Times|date=June 21, 1948|page=14}}</ref>。この用語を扱ったBBCのドキュメンタリーでは[[ジョージ・バーナード・ショー]]、[[H・G・ウェルズ]]、[[ドリス・レッシング]]が例に挙げられている。
 
== その他の著名な人物 ==
* [[雨宮処凛]] - 作家
* [[井筒和幸]] - 映画監督
* [[石川文洋]] - 報道写真家
* [[井出孫六]] - 小説家
* [[井上ひさし]] - 劇作家
* [[色川大吉]] - 日本史学者
* [[宇井純]] - 公害問題研究家
* [[内橋克人]] - 経済評論家
* [[永六輔]] - 作詞家
* [[小田実]] - 作家
* [[大内兵衛]] - 財政学者
* [[大江健三郎]] - 小説家
* [[大島渚]] - 映画監督
* [[大橋巨泉]] - タレント・司会者
* [[奥平康弘]] - 憲法学者
* [[落合恵子]] - 作家
* [[鎌田慧]] - ルポライター
* [[雁屋哲]] - 作家・漫画原作者
* [[北野弘久]] - 税法学者
* [[木下順二]] - 劇作家
* [[久野収]] - 哲学者
* [[小中陽太郎]] - 評論家
* [[小林直樹]] - 憲法学者
* [[坂本義和]] - 国際政治学者
* [[坂本龍一]] - ミュージシャン
* [[佐高信]] - 作家
* [[沢田研二]] - 歌手、俳優
* [[澤地久枝]] - 小説家
* [[篠原一_(政治学者)|篠原一]] - 政治学者
* [[隅谷三喜男]] - 労働経済学者
* [[瀬戸内寂聴]] - 作家
* [[田中康夫]] - 作家政治家
* [[竹内好]] - 中国文学者
* [[辻井喬]] - 作家・詩人・実業家
* [[都留重人]] - 経済学者
* [[鶴見和子]] - 社会学者
* [[鶴見俊輔]] - 哲学者
* [[中野好夫]] - 英文学者
* [[長澤勝俊]] -音楽家
* [[野坂昭如]] - 作家
* [[野間宏]] - 小説家
* [[灰谷健次郎]] - 児童文学作家
* [[樋口恵子]] - 評論家
* [[樋口陽一]] - 憲法学者
* [[日高六郎]] - 社会学者
* [[福田歓一]] - 政治思想史学者
* [[松下圭一]] - 憲法学者
* [[松田道雄]] - 小児科医、育児評論家
* [[三木稔]] - 音楽家
* [[宮沢俊義]] - 憲法学者
* [[宮本憲一]] - 財政学者
* [[武者小路公秀]] - 国際政治学者
* [[無着成恭]] - 教育評論家、僧侶
* [[安江良介]] - 編集者
* [[山田洋次]] - 映画監督
* [[山中恒]] - 児童文学作家
* [[山本太郎]] - 俳優
* [[弓削達]] - 西洋史学者
* [[吉野源三郎]] - 編集者
* [[和田春樹]] - 歴史学者
 
== 批判者 ==
「進歩的文化人」に対する主な批判者として、保守系では[[福田恒存]]、左派では[[吉本隆明]]、他に[[エドワード・G・サイデンステッカー]]、[[西部邁]]、[[小室直樹]]などが挙げられる。保守派・右派のほかに、[[日本の新左翼]]などがこれら進歩的文化人を激しく批判し、吉本は[[スターリニズム|ソフト・スターリニズム]]だと批判していた。
 
== 参考文献 ==
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* [[非武装中立]]
* [[無防備都市宣言]]
* [[共産主義|スーパーファシズム]]
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[[Category:政治思想]]