「一般形車両 (鉄道)」の版間の差分

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[[旅客車]]においては普通列車で使用されるものと普通列車のほかに優等列車にも使用される汎用形のものがあり、前者では都市圏で使用されるものと[[ローカル線]]で使用されるものがあるが、装備や仕様は大きく異なる。
 
カテゴリとしては特に普通列車で使用することを主目的とした車両が一般形車両とされ、広義では近郊形車両と通勤形車両も一般形車両のカテゴリに含める場合がある。[[気動車]]では名目上、通勤形・近郊形として製作された車両もあるが、[[国鉄気動車の車両形式]]では特急形である[[国鉄キハ80系気動車|キハ80系]]のみにしか定義をしていなかったことと<ref>ネコ・パブリッシング『JR全車輌ハンドブック2009』 P16</ref>、通勤形・近郊形として製作された車両も他の一般形と混用され、電車とは異なり1両単位で管理されていて使用の区別も明確でなかったことから慣例的に一般形にカテゴライズしている<ref name=KIHA47>JTBパブリッシング 石井幸孝『キハ47物語』 P36 - 37</ref>。[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)では気動車・電車ともに2005年(平成17年)度以降に新製された車両形式区分の第2位(十の位)の数字が通勤形・近郊形・一般形を問わず0~30 - 3、5、6」を普通列車用のカテゴリとしており、事実上、通勤形と近郊形を含めた一般形の区分として使われているが、実際には「2」のみの使用に留まっており、電車においては一部を除いて列車・路線の実情に合わせて通勤形・近郊形と明確に区分されている<ref group="注">[[2012年]](平成24年)時点では[[JR西日本321系電車|321系]]・[[JR西日本521系電車|521系]]・[[JR西日本225系電車|225系]]・[[JR西日本キハ127系気動車|キハ127系]]に設定されている。</ref><ref name=JRWDATE>[http://www.westjr.co.jp/company/issue/data/ データで見るJR西日本] - 西日本旅客鉄道</ref>。
 
一般形は普通列車で使用することを主目的とした車両だけを製作しているわけではない。普通列車の他に優等列車にも使用される'''汎用形車両'''も一般形車両の一種とされる。例えば'''汎用気動車'''と呼称された[[国鉄キハ66系気動車|キハ66・67形]]は普通列車だけでなく、1980年(昭和55年)までは急行列車にも使用され、'''一般形客車'''と呼称された[[国鉄10系客車|10系]]以前の客車(旧型客車)は普通列車から優等列車に至るまで幅広く使用されていた。[[国鉄キハ54形気動車|キハ54形]]と[[JR東日本キハ100系気動車|キハ110系]]では優等列車向けの車内設備を持つ車両も製作されているが、一般形車両の一員とされている。使用列車以外によるものも含めれば[[特別席|特別車両]]・優等車両<!--・新系列車両-->との対比でそれ以外の車両をこう称する場合がある。
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第1位(十の位)の数字が「3~5」の車両が一般形とされるが<ref group="注">一部「2」も使用していた。「5」は50系登場以前は主に二等車とその格下げ車に使用されていた。</ref>、戦災復旧車である70系と鋼体化改造車である60系と軽量客車である10系も一般形の一員とされる。
 
10系以前の鋼製客車は'''鋼製制式客車'''と呼ばれ、優等列車のみに専属で充当する車両は[[一等車]]と特急列車向けとされたスハ44系しかなかったため、特に○○形といった列車用途による厳密な定義(区分)はしていなかった。編成の自由度が追求されることから1両単位で管理され、ドアは手動ドアで電源は車軸発電機から供給しているのでどのような組み合わせでも連結し、1つの列車として組成して使用することができることから国鉄の現場ではもとより[[鉄道ファン]]からは便宜上、'''一般形客車'''・'''在来形客車'''・'''旧型客車'''と呼称していたが<ref>イカロス出版『J-train』vol41</ref><ref name=PCFCGIDEBOOK/>、編成単位で使用することを想定した固定編成客車・新系列客車と呼ばれる特急形客車である[[国鉄20系客車|20系]]以降の客車との対比で1両単位で管理されている従来の客車の総称として慣例的に使われたものであり、普通列車専用とされた70系と60系の三等車(後の二等車。現在の普通車)を除いて<ref group="注">例外はオハニ63形(後のオハニ36形)。なお、その他の三等車も臨時急行列車に充当されたことがある。</ref>優等列車から普通列車に至るまで汎用的に使用されたため<ref group="注">そのほとんどが登場後しばらくは優等列車限定で運用され、後継車の増備につれて次第に普通列車にも運用されるようになっていた。名目上特急形客車として製作された20系についてもほぼ同様で後継車である14系や24系の増備につれて次第に急行列車にも運用されるようになり、国鉄末期には20系の老朽化に伴い、夜行列車の廃止・削減につれてその置き換え用として14系や24系も結果的には急行列車にも使用されるようになっている。</ref>、2ドアクロスシートであるため通勤輸送に適した車両とは言い難く<ref group="注">これに対応する形で座席の一部または全体をロングシートに改造した車両もあった。</ref>、また、規定上存在しない正式な呼称ではないため、この概念を採用しているわけではなかった<ref>JTBパブリッシング 岡田誠一『国鉄鋼製客車Ⅰ』 P239 </ref><ref>ネコ・パブリッシング『Rail Magazine』No.336 P9</ref>。
 
20系以降の客車(新系列客車)では列車用途により、明確に区分するようになったが、特急形・急行形は製作されたものの、厳密な意味で一般形に分類される客車の登場は遅く、国鉄が主に普通列車に供する客車として最後に設計・製造を行った[[国鉄50系客車|50系]]については電源は車軸発電機から供給しているが、自動ドアを採用したことから編成単位で使用することを前提としたため、新系列客車の一員であるが、本系列の客車だけでまとめて組成することで旧型客車と併結することもでき、通勤輸送を主目的として設計されていたが、車内設備はデッキこそあるものの座席もセミクロスシートとしたため、通勤形でも近郊形でもないことからこの概念を採用している<ref name=PCFCGIDEBOOK/>。
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==私鉄==
{{see also|普通列車#車両|急行形車両#私鉄における事例}}
私鉄では国鉄・JRのようにとは異なり、明確にこの概念を採用しているわけではないが、優等列車(特急・急行列車等)限定で運用する特急形車両や急行形車両、もしくは料金徴収車両(座席指定車両)が存在する場合、それらに分類されるまでもないそのほかの車両(特に普通列車・[[各駅停車]]などに用いる通勤形車両や料金不要車両)のことを慣例的に'''一般用車両'''、'''一般車'''、'''一般車両'''と呼称する場合がある。
 
[[大手私鉄]]ではそのほとんどがロングシート車(いわゆる通勤形車両)であるが、中には通勤形車両と優等車両の機能を兼ねる車両もある。