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(Dockeryら、1993年、Popeら、1995年)をまとめた(新田、2009年)の報告によれば、「ハーバード6都市研究」と呼ばれる[[コホート研究]]の結果、PM2.5の濃度と、全死亡および[[心臓病|心疾患]]・[[呼吸器学|肺疾患]]による死亡の相対リスクとの間で、有意な関連性が認められている。また(Popeら、1995年、2002年、Krewskiら、2000年)をまとめた(新田、2009年)の報告によれば、米国癌学会の研究を利用しアメリカの50都市30万人を対象に1989年までの7年間(追跡調査では1998年まで)行われた解析調査で、PM2.5の濃度と、全死亡および心疾患・肺疾患・[[肺癌]]による死亡との間で、有意な関連性が認められている。アメリカではこれらの研究が明らかになったことを契機にPM2.5の環境基準が設定されるに至った。日本でもSPM濃度と肺癌による死亡との関連性を示唆する研究報告がある<ref name="nitta09"/><ref name="kishimoto03"/>。
 
定量的な推計報告の主な例では、1990年において[[大気浄化法]]による規制がなかった場合と比較して年間184,000人が助かったとの推計(アメリカ[[アメリカ合衆国環境保護庁|環境保護庁]]、1997年)、PM10への短期暴露により8,100人が死亡しているとの推計(イギリス[[保健省 (イギリス)|保健省]]・大気汚染健康影響委員会、1998年)、ディーゼル排気による発癌を被る人は年間5,000人余りとする推計(日本、岩井・内山、2001年)などがある<ref name="kishimoto03"/>。
 
年平均100mg/m&sup3;になると呼吸器への影響、全死亡率の上昇などがみられることなどが知られている。
 
== 環境への影響 ==
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=== 日本 ===
{{main|浮遊粒子状物質}}
日本では[[大気汚染防止法]]において環境基準を設定すべきと定め、1972年に浮遊粒子状物質(SPM)の基準を初めて設定した。PM2.5の基準は1990年代に設定された欧米と比べて遅れていたが、2007年に和解が成立した[[東京大気汚染訴訟]]においてその対策が言及されたことを受け、[[中央環境審議会]]において検討が進められ、2009年に基準が初めて設定された。現行では[[環境省]][[告示]]としてSPMと微小粒子状物質(PM2.5)の基準を定めている<ref>「[http://www.env.go.jp/kijun/taiki.html 大気汚染に係る環境基準]」環境省、2013年1月25日閲覧</ref>。
* SPM:1時間値の1日平均値0.10mg/m<sup>3</sup>(100μg/m<sup>3</sup>相当)以下、かつ1時間値が0.20mg/m3(200μg/m<sup>3</sup>相当)以下であること(1973年5月8日告示・現行1996年改正版「大気の汚染に係る環境基準について」<ref>「[http://www.env.go.jp/kijun/taiki1.html 大気の汚染に係る環境基準について] 」環境省、2013年1月29日閲覧</ref>)。
* PM2.5:1年平均値が15μg/m<sup>3</sup>以下、かつ1日平均値が35μg/m<sup>3</sup>以下であること(2009年9月9日告示・現行「微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準について」<ref>「[http://www.env.go.jp/kijun/taiki4.html 微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準について] 」環境省、2013年1月29日閲覧</ref>)。
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平成20年度(2008年)の環境省発表による国内全測定局のSPM濃度の年平均では、自動車排出ガス測定局(自排局)で昭和49年(1974年)に0.16mg/m<sup>3</sup>を超えていたものが翌年に0.09mg/m<sup>3</sup>以下に漸減、以後緩やかに減少し平成13年(2001年) - 平成20年(2008年)まで0.04mg/m<sup>3</sup>以下を維持している。また一般環境大気測定局(一般局)で0.06mg/m<sup>3</sup>近くだったものが緩やかに減少し昭和56年(1981年)以降は0.04mg/m<sup>3</sup>以下、平成13年(2001年)頃 - 平成20年(2008年)まで0.03mg/m<sup>3</sup>以下を維持している。また同発表における平成20年度(2008年)の環境基準達成率は自排局99.3%、一般局99.6%だった<ref>「[http://www.erca.go.jp/taiki/taisaku/fu_suii.html 大気汚染の状況(浮遊粒子状物質(SPM)の概要、年平均値の推移)]」''大気環境の情報館''(環境再生保全機構)、2013年1月29日閲覧</ref>。
 
[[高度成長期]]以降、度重なる規制強化がなされたが、著しい[[モータリゼーション]]、特に物流に占める[[トラック輸送]]の相対的比率が増加した事や[[乗用車]]の[[レクリエーショナル・ビークル|RV]]化などが進行した一方で規制が追いつかず、[[バブル期]]までは悪化の一途をたどってきた。2003年10月1日から、[[東京都]]・[[埼玉県]]・[[神奈川県]]・[[千葉県]]の[[ディーゼル車規制条例]]により排出ガス基準を満たさないディーゼル車の走行規制が始まった。これらの規制強化により、2000年代後半に入って改善傾向にはあるものの、都市部の[[幹線道路]]沿いなどではまだ環境基準の達成率は低い。
 
=== 中国 ===
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== 関連項目 ==
* [[浮遊粒子状物質]]
* [[大気エアロゾル粒子]]
* [[エアロゾル]]
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* [[放射性降下物]] - 粒子状物質に該当する大きさの微粒子が多く含まれる。
 
{{環境問題|||uncollapsed|}}
{{DEFAULTSORT:りゆうししようふつしつ}}
[[Category:大気汚染]]
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[[en:Particulates]]
[[es:Partículas en suspensión]]
[[fi:Pienhiukkanen]]
[[fr:Particules en suspension]]
[[ko:미세먼지]]
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[[ru:Взвешенные частицы]]
[[sk:Pevné častice (emisie)]]
[[fi:Pienhiukkanen]]
[[sv:PM10]]
[[th:ฝุ่นละออง]]
[[zh:懸浮粒子]]
 
{{独自研究|date=2013-2}}
'''浮遊粒子状物質'''(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ、略称:'''SPM''', ''Suspended Particulate Matter'')は、[[大気]]中に浮遊している[[粒子状物質]](PM)のことである。代表的な「[[大気汚染]]物質」のひとつ。
 
==概要==
日本の[[環境基準]]の測定の対象になるものの定義としては、粒径10μm以下のものとされている。
発生源は工場の[[ばい煙]]、[[自動車]][[排気ガス]]などの人の活動に伴うもののほか、自然界由来([[海塩]]の飛散、[[火山]]、[[森林]]火災など)のものがある。
 
また、粒子として排出される一次粒子とガス状物質が大気中で粒子化する[[二次生成粒子]]がある。
 
粒径により呼吸器系の各部位へ沈着し人の健康に影響を及ぼす。年平均100mg/m&sup3;になると呼吸器への影響、全死亡率の上昇などがみられることなどが知られている。このためSPMの環境基準は、1時間値の1日平均値が0.10mg/m&sup3;以下、1時間値が0.20mg/m&sup3;以下、と定められている。
 
[[高度成長期]]以降、度重なる規制強化がなされたが、著しい[[モータリゼーション]]特に物流に占める[[トラック輸送]]による物流の比率の相対的比率が増加した事や[[乗用車]]の[[レクリエーショナル・ビークル|RV]]化などが進行し大きな原因となっ一方でといえよう。)に規制が追いつかず、[[バブル期]]までは悪化の一途をたどってきた。2003年10月1日から、[[東京都]]・[[埼玉県]]・[[神奈川県]]・[[千葉県]]の[[ディーゼル車規制条例]]により排出ガス基準を満たさないディーゼル車の走行規制が始まった。これらの規制強化により、2000代後半に入っては、改善傾向にはあるものの、都市部の[[幹線道路]]沿いなどではまだ環境基準の達成率は低い。
 
==微小粒子状物質==
浮遊粒子状物質のなかで、粒径2.5μm以下の小さなものを微小粒子状物質([[粒子状物質|PM2.5]])と呼んでいる。
微小粒子状物質は粒径がより小さくなることから、肺の奥深くまで入りやすく健康への影響も大きいと考えられている。
 
日本においては、欧米における対策に比べ長らく規制が遅れていたが、[[東京大気汚染公害訴訟]]における和解において対策に言及されたことを受け、[[中央環境審議会]]において検討が進められた。その答申を踏まえ、年平均値15μg/m&sup3;以下かつ1日平均値35μg/m&sup3;以下とする[[環境基準]]が[[2009年]][[9月9日]]に定められた。<ref>[http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11546]平成21年9月9日「微小粒子状物質に係る環境基準について」(告示)について(お知らせ)</ref>
 
== 脚注 ==
{{reflist}}
 
==関連項目==
*[[大気汚染防止法]]
*[[自動車排出ガス規制]]
 
==リンク==
 
*[http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2008/06/40i6p102.htm 大気中微小粒子状物質(PM2.5)について(東京都)]
*[http://www.env.go.jp/air/report/h20-01/index.html 微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書]
 
{{DEFAULTSORT:ふゆうりゆうししようふつしつ}}
[[Category:大気汚染]]
[[Category:環境用語]]
[[Category:環境化学]]
 
[[ca:Aerosol atmosfèric]]
[[cs:Pevné částice]]
[[de:Feinstaub]]
[[en:Particulates]]
[[es:Partículas en suspensión]]
[[fi:Pienhiukkanen]]
[[fr:Particules en suspension]]
[[he:חומר חלקיקי]]
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[[is:Svifryk]]
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[[zh:懸浮粒子]]