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<references />'''ナレッジコミュニティ'''(knowledge community)とは、[[知識を共有し、新たな知恵を生み出す共同体のことである。例えば会員]]同士が、お互いの[[質問]]に答えあい、疑問を解決する[[ウェブQ&Aサイト]]のことでなどがる。Q&Aサイト、質問サイトとも呼ばれる。
 
== 特徴用例 ==
ナレッジコミュニティは直訳すれば知識共同体である。用語の持つ意味は幅広いが、日本ではインターネットのコミュニティ型の[[Q&Aサイト]]や、企業内の実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス)の別名として使われることが多いようである<ref>「知識コミュニティーで浮上せよ!」4章</ref>。この他に[[オープンソース]]のコミュニティ<ref name="narasentan"/>や[[ウィキペディア]]<ref>{{cite web
日常の疑問などや、具体的な手段の説明が知りたい場合は、[[検索エンジン]]で検索しても、人によっては検索の方法が不明な場合がある。その際に、ナレッジコミュニティならば、お互い人間が、それぞれの質問に答えるので、効率よく疑問を解決することができる。また、[[ポイント]]制・[[ランキング]]制を採用しており、回答者の回答意欲を高めている。例としては[[Yahoo!知恵袋]]が実施しており、ポイントのことを'''知恵コイン'''<ref name="chiecoin">[http://help.yahoo.co.jp/help/jp/chiebukuro/my/my-06.html Yahoo! 知恵袋ヘルプ-知恵コインについて]</ref>、ランキングのことを'''デイリーランキング'''<ref>[http://help.yahoo.co.jp/help/jp/chiebukuro/chiebukuro-26.html Yahoo! 知恵袋ヘルプ-「デイリーランキング」とは]</ref>と呼ぶ。
| author = 井上泰一
| url = http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2007/pdf/cs20070103.pdf
| title = Web2.0時代の企業経営 知識コミュニティを活用したオープンイノベーション
| publisher = 野村総合研究所
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>などもナレッジコミュニティの例として紹介される場合がある。また「知識コミュニティ」や「知識共有コミュニティ」<ref>{{cite web
| url = http://techblog.yahoo.co.jp/web/chiebukuro/post/
| title = 知識共有コミュニティワークショップが開催されました
| publisher = Yahoo!JAPAN デベロッパーネットワーク
| date = 2008-12-11
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>と訳されることもある。
 
== 歴史 ==
<!--なお、回答者の知識量・質、[[イデオロギー]]を始めとする[[思想]]傾向(好き嫌い、[[左翼]]か[[右翼]]か、他)に左右されるため、得られる回答が常に正しい・正鵠を射ているとは限らない。…余談?-->
1990年代後半のアメリカ合衆国では不況と[[リストラ]]により、社内コミュニティが崩壊し、ベテラン社員が持っていたノウハウなどの知識資産が失われつつあった。その為[[ナレッジマネジメント]]を行う企業が増え、[[野中郁次郎]]の論文に注目が集まった<ref name="sijou2">「成功する会社は「知恵市場」から生まれる」2章</ref>。一方、日本でも経済発展や[[都市化]]により「地縁・血縁」的な村落共同体が崩壊し、「職縁」的な企業内共同体に移行したが、それもバブル崩壊やリストラにより崩壊しつつあった。新しい共同体として期待を集めたのが、インターネットのオンライン・コミュニティである<ref name="sijou2"/>。インターネットには[[2ちゃんねる]]のような[[電子掲示板]]が現れて、多くの利用者を集めていた。またネット上で知識の共有や創作活動が行われ、オープンソースで[[Apache HTTP Server]]<ref name="narasentan">{{cite web
| author = 大平雅雄、柗本真佑、伊原彰紀、松本健一
| url = http://se.naist.jp/achieve/pdf/361.pdf
| title = オープンメディアを活用した知識コミュニティのデザインに関する一考察
| publisher = 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>や[[Linux]]のようなソフトウェアが生み出された。2ちゃんねるでも[[Jane]]が開発されたりした。
 
2000年頃は[[インターネット]]化が急速に進んでいた。例えば日本では1998年に32.6%だったパソコンの世帯普及率が2002年までに71.7%に倍増し、インターネットの世帯普及率は13.4%から54.5%に急上昇した<ref>{{cite web
質問と回答のほか、[[お礼]]や、[[コメント]]、[[ブックマーク]]などの機能がある場合がある。また、提供している会社によっては、その会社の機能の連携させる(たとえば[[ブログ]]など)ことが多い。
| url = http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/070525_1.pdf
| title = 平成18年「通信利用動向調査」の結果
| publisher = 総務省
| accessdate = 2013- 2-9
}}</ref>。企業にとってインターネット利用者の急増はチャンスでもあり危機でもあった。例えば顧客から大量のメールが届けば、対応するための人件費は膨大である<ref name="yomikata1"/>。また情報格差を利益の源泉としていたのに、インターネット化によって格差が縮小すれば、[[ビジネスモデル]]の変更が必要になる<ref name="yomikata1">「ネット革命の読み方」1章</ref>。新しい利益の源泉はインターネット上の膨大なテキストデータや社員の暗黙知から生み出される「知恵」だと言われていた。企業はデータを検索して価値のある情報を自動的に探す仕組みを作ったり<ref name="yomikata3"/>、コミュニティ・オブ・プラクティスを作って、社内コミュニティの再建を図らなければならかった。アメリカのIT企業は日本の経営ノウハウを研究して[[企業資源計画|ERPパッケージ]]としてソフトウェア化していたので<ref name="yomikata3">「ネット革命の読み方」3章</ref>、日本企業もソフトを輸入して、ノウハウを逆輸入した。またQ&Aサイトが現れて、社外の顧客対応や社内のナレッジマネジメントに利用された<ref>{{cite web
| url = http://www.okwave.co.jp/success/index.html
| title = お客様事例 - 導入企業名
| publisher = OKWave
| accessdate = 2013- 2-9
}}</ref>。
 
Q&Aサイトは質問によって暗黙知を引き出して文章化するので、[[日経テレコン21]]のようなデータベース型の情報共有・ナレッジマネジメントより効果が高いと思われていた<ref name="sijou2"/>。またQ&Aサイトは[[市場経済|市場原理]]によって質問と回答をマッチングして、知恵を取引するナレッジマーケットとしても期待されていた<ref name="sijou1">「成功する会社は「知恵市場」から生まれる」1章</ref>。しかし2000年代後半の[[ウェブ2.0]]時代には、群衆の知恵や[[Consumer Generated Media]]としての側面に注目が集まった<ref>{{cite web
== 日本のナレッジコミュニティ一覧 ==
| author = 小林祐一郎
;[[Yahoo!知恵袋]]
| url = http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/web20/2006/04/10/index.htm
:国内No.1(2011年4月時点)
| title = 第9回:Web2.0を実感するために、ユーザーが経験するべき10のこと(後編)
::質問総数 6,000万件以上
| publisher = INTERNET Watch
::回答総数 1億5千万件以上
| date = 2006-4-10
::登録者数 800万人以上
| accessdate = 2013-2-9
::月間訪問者数 1323万人(2008年7月時点)
}}</ref>。
:特色としては、知恵コインがあり質問者が選んだ回答者「'''ベストアンサー'''」にお礼コインを渡すことができる<ref name="chiecoin" />。
;[[OKWave]]
:国内No.2
::質問総数 500万件以上
::回答総数 1,700万件以上
::登録者数 150万人以上
:;[[教えて!goo]]
:: OKWaveのコミュニティ機能をポータルサイトのサービスとして取り入れた老舗。これ以外にも「qa」、「oshiete」のサブドメインを持つ多くの質問サイトがOKWaveを使用している(一つのポータルに質問を投げれば全てのサイトに投稿した事になるクロスポストの機能を持つ)。
;[[はてなのサービス一覧#人力検索はてな|人力検索はてな]]
: もともと質問者は「はてなポイント」を現金で購入するか回答者から得て、これで質問し、回答者は回答に応じてポイントを獲得することを特徴としていた。2011年5月のリニューアルにおいて<ref>[http://q.hatena.ne.jp/guide/renewal 人力検索はてな『質問・アンケートが無料でもできるようになりました』]</ref>、ポイントありの質問とポイントなしの質問の両方ができるようになった。なお、回答で獲得したポイントは[[Amazon.co.jp|Amazon]]ギフト券などに交換できる。質問には自由記入のものと、選択肢を提示したアンケート形式とがある。2011年5月のリニューアル以前には、自由記入の回答をツリー形式に配置する「いわし」などの独自のシステムがあった。
;[[発言小町]]
: [[読売新聞社]]が運営。主に女性を対象。投稿は管理者が審査してから反映される。
;[[livedoor knowledge]]
: 質問や回答が少ないが、冗談交じりの独自の文化がある。利用者を「ナレッジャー」と呼ぶ。
;[[sooda]]
: 株式会社ジェーピーツーワン(JP21)が2011年10月に、[[サイバーエージェント]]系の子会社の株式会社CAテクノロジーから運営を引き継いだ<ref>[http://www.jp21.com/release/information/detail/20111001.php JP21『Q&Aサービス Sooda!(ソーダ) 運営継承』]</ref>。AFPBB News、アメーバニュース、ecomom(エコマム)、ウォーカープラスにも質問投稿機能を提供している。
;[[シス蔵]]
: 株式会社テクネットが運営する、中堅・中小企業の情報システム担当者のためのQ&Aコミュニティ。
;[[技術の森]]
: [[NCネットワーク]]が運営する、製造業などの専門的な分野のためのコミュニティ。
;[[okyuu.com Q&A]]
: [[カカクコム]]が開設したITエンジニアのためのQ&Aコミュニティであった。プログラミング関連の質問が多かった。2010年9月21日サービスを終了した<ref>[http://ceron.jp/url/okyuu.com/ja/special/closing okyuu.comサービス終了のお知らせ]</ref>。
;[[Yahoo!Answers]](英語)
;[[Live QnA]](英語)
;[[質問サイト芋づるサーチ]]
: 主要Q&A質問サイトを横断検索することができる検索サーチ
;[[知識plus]]
: 活発だが、危険なサイトにリンクされていることもしばしば。[[ハンゲーム]]のサービス再編に伴い2009年6月にサービス終了<ref>[http://info.hangame.co.jp/index.nhn?m=detail&infono=234 知識plusサービス終了のお知らせ]</ref>。
;[[NazoLab]]
: 数式が使える科学系Q&Aコミュニティ
この他にも多数。
 
== 出典脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
{{reflist}}
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book
|author = 山崎秀夫
|year = 2001
|title = 成功する会社は「知恵市場」から生まれる
|publisher = 徳間書店
|isbn = 978-4198613129
}}
* {{Cite book
|author = 山崎秀夫
|year = 2003
|title = 知識コミュニティーで浮上せよ!
|publisher = インプレス
|isbn = 978-4844317760
}}
* {{Cite book
|author = 石井孝利
|year = 2000
|title = ネット革命の読み方
|publisher = 東洋経済新報社
|isbn = 978-4492521106
}}
 
== 関連項目 ==
*[[共同体]]
*[[ナレッジエクスチェンジ]]
*[[Consumer Generated Media]]
*[[ナレッジマネジメント]]
 
{{DEFAULTSORT:なれつしこみゆにてい}}