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ナレッジコミュニティは直訳すれば知識共同体である。用語の持つ意味は幅広いが、日本ではインターネットのコミュニティ型の[[Q&Aサイト]]や、企業内の実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス)の別名として使われることが多いようである<ref>「知識コミュニティーで浮上せよ!」4章</ref>。この他に[[オープンソース]]のコミュニティ<ref name="narasentan"/>や[[ウィキペディア]]<ref>{{cite web
| author = 井上泰一
| url = http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2007/pdf/cs20070103.pdf
| title = Web2.0時代の企業経営 知識コミュニティを活用したオープンイノベーション
| publisher = 野村総合研究所
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>などもナレッジコミュニティの例として紹介される場合がある。また「知識コミュニティ」や「知識共有コミュニティ」<ref>{{cite web
| url = http://techblog.yahoo.co.jp/web/chiebukuro/post/
| title = 知識共有コミュニティワークショップが開催されました
| publisher = Yahoo!JAPAN デベロッパーネットワーク
| date = 2008-12-11
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>と訳されることもある。
== 歴史 ==
1990年代後半のアメリカ合衆国では不況と[[リストラ]]により、社内コミュニティが崩壊し、ベテラン社員が持っていたノウハウなどの知識資産が失われつつあった。その為[[ナレッジマネジメント]]を行う企業が増え、[[野中郁次郎]]の論文に注目が集まった<ref name="sijou2">「成功する会社は「知恵市場」から生まれる」2章</ref>。一方、日本でも経済発展や[[都市化]]により「地縁・血縁」的な村落共同体が崩壊し、「職縁」的な企業内共同体に移行したが、それもバブル崩壊やリストラにより崩壊しつつあった。新しい共同体として期待を集めたのが、インターネットのオンライン・コミュニティである<ref name="sijou2"/>。インターネットには[[2ちゃんねる]]のような[[電子掲示板]]が現れて、多くの利用者を集めていた。またネット上で知識の共有や創作活動が行われ、オープンソースで[[Apache HTTP Server]]<ref name="narasentan">{{cite web
| author = 大平雅雄、柗本真佑、伊原彰紀、松本健一
| url = http://se.naist.jp/achieve/pdf/361.pdf
| title = オープンメディアを活用した知識コミュニティのデザインに関する一考察
| publisher = 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>や[[Linux]]のようなソフトウェアが生み出された。2ちゃんねるでも[[Jane]]が開発されたりした。
2000年頃は[[インターネット]]化が急速に進んでいた。例えば日本では1998年に32.6%だったパソコンの世帯普及率が2002年までに71.7%に倍増し、インターネットの世帯普及率は13.4%から54.5%に急上昇した<ref>{{cite web
| url = http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/070525_1.pdf
| title = 平成18年「通信利用動向調査」の結果
| publisher = 総務省
| accessdate = 2013- 2-9
}}</ref>。企業にとってインターネット利用者の急増はチャンスでもあり危機でもあった。例えば顧客から大量のメールが届けば、対応するための人件費は膨大である<ref name="yomikata1"/>。また情報格差を利益の源泉としていたのに、インターネット化によって格差が縮小すれば、[[ビジネスモデル]]の変更が必要になる<ref name="yomikata1">「ネット革命の読み方」1章</ref>。新しい利益の源泉はインターネット上の膨大なテキストデータや社員の暗黙知から生み出される「知恵」だと言われていた。企業はデータを検索して価値のある情報を自動的に探す仕組みを作ったり<ref name="yomikata3"/>、コミュニティ・オブ・プラクティスを作って、社内コミュニティの再建を図らなければならかった。アメリカのIT企業は日本の経営ノウハウを研究して[[企業資源計画|ERPパッケージ]]としてソフトウェア化していたので<ref name="yomikata3">「ネット革命の読み方」3章</ref>、日本企業もソフトを輸入して、ノウハウを逆輸入した。またQ&Aサイトが現れて、社外の顧客対応や社内のナレッジマネジメントに利用された<ref>{{cite web
| url = http://www.okwave.co.jp/success/index.html
| title = お客様事例 - 導入企業名
| publisher = OKWave
| accessdate = 2013- 2-9
}}</ref>。
Q&Aサイトは質問によって暗黙知を引き出して文章化するので、[[日経テレコン21]]のようなデータベース型の情報共有・ナレッジマネジメントより効果が高いと思われていた<ref name="sijou2"/>。またQ&Aサイトは[[市場経済|市場原理]]によって質問と回答をマッチングして、知恵を取引するナレッジマーケットとしても期待されていた<ref name="sijou1">「成功する会社は「知恵市場」から生まれる」1章</ref>。しかし2000年代後半の[[ウェブ2.0]]時代には、群衆の知恵や[[Consumer Generated Media]]としての側面に注目が集まった<ref>{{cite web
| author = 小林祐一郎
| url = http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/web20/2006/04/10/index.htm
| title = 第9回:Web2.0を実感するために、ユーザーが経験するべき10のこと(後編)
| publisher = INTERNET Watch
| date = 2006-4-10
| accessdate = 2013-2-9
}}</ref>。
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{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}
== 参考文献 ==
* {{Cite book
|author = 山崎秀夫
|year = 2001
|title = 成功する会社は「知恵市場」から生まれる
|publisher = 徳間書店
|isbn = 978-4198613129
}}
* {{Cite book
|author = 山崎秀夫
|year = 2003
|title = 知識コミュニティーで浮上せよ!
|publisher = インプレス
|isbn = 978-4844317760
}}
* {{Cite book
|author = 石井孝利
|year = 2000
|title = ネット革命の読み方
|publisher = 東洋経済新報社
|isbn = 978-4492521106
}}
== 関連項目 ==
*[[共同体]]
*[[Consumer Generated Media]]
*[[ナレッジマネジメント]]
{{DEFAULTSORT:なれつしこみゆにてい}}
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