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'''住所証明情報'''(じゅうしょしょうめいじょうほう)とは、日本において、[[不動産登記]]を申請する際の添付情報の一つである。[[登記識別情報]]などと異なり、条文ではなく[[s:不動産登記令#別表|不動産登記令別表]]において具体的な事例ごとに添付根拠が定められているほか、実例が根拠となっている場合もある。
 
== 略語ついて ==
説明の便宜上、次の通り略語を用いる。
;法
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**共用部分である旨の規約などの廃止に基づく建物の表題登記([[不動産登記法]]58条6項・7項、同令別表21項添付情報ハ)
**登記名義人の住所ついての変更登記又は更正登記(同令別表23項添付情報)
ただし、登記名義人住所変更・更正登記***この場合、住所を証する情報は[[登記原因証明情報]]として扱われる(法務局、登記名義人住所変更登記申請書の書式、別紙・本人申請の場合及び注7参照)。[[登記名義人表示変更登記]]も参照。
**[[所有権保存登記]](同令別表28項添付情報ニ、同29項添付情報ハ)
**[[所有権移転登記]](同令別表30項添付情報ロ)
**[[抵当証券]]が発行されている[[抵当権]]についての債務者の住所変更・更正登記で、不動産登記法64条2項の規定により債務者が単独で申請するもの(同令別表24項添付情報)
 
ただし、登記名義人住所変更・更正登記の場合、住所を証する情報は[[登記原因証明情報]]として扱われる(法務局、住所変更の申請書の書式、別紙及び注7参照)。[[登記名義人表示変更登記]]も参照。
 
*根拠が先例であるもの
**[[共有物分割]]における持分移転登記(1957年(昭和32年)5月10日民甲917号回答)、[[確定判決]]による[[所有権移転登記]](1962年(昭和37年)7月28日民甲2116号通達)、官公署を[[登記義務者]]とする所有権移転登記を嘱託でする場合(1957年(昭和32年)5月6日民甲879号通達)などがある。
***これらは添付不要に思えるが、先例により原則どおり添付すべきであるとされたものである。
 
これらは添付不要に思えるが、先例により原則どおり添付すべきであるとされたものである。
 
*その他
**新たに[[所有権]]登記名義人が登場する所有権[[更正登記]]については、添付が必要である(登記研究391-110頁、登記インターネット68-182頁)。具体例としては、Aへの[[所有権移転登記]]をA・Bへの移転登記に更正する場合などである。
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*根拠が先例であるもの
**[[所有権移転登記]]の[[仮登記]](1957年(昭和32年)5月6日民甲879号通達)、未登記不動産につき処分の制限の登記の嘱託があった場合に登記官が職権でする[[所有権保存登記]](1957年(昭和32年)7月27日民甲1430号通達)などがある。
 
*その他
**[[#添付すべき場合]]の「その他」の反対解釈として、新たに登記名義人が登場しない[[所有権更正登記]]については、添付は不要である。具体的には、A・Bへの[[所有権移転登記]]をAへの移転登記に更正する場合や、移転する持分のみを更正する場合などである。
 
===住民票コードによる代替===
*概要
**オンライン庁住所を証する情報を提供すべき場合においては([[不動産登記規則]]附則15条1項)、法務省令で定める情報を提供したときは、原則として当該住所を証する情報の提供は不要である([[不動産登記令]]9条)。法務省令で定める情報とは、[[住民票コード]]である(不動産登記規則36条4項、[[住民基本台帳法]]7条13号)。
*記載方法
**記載方法は、住所の後に(住民票コード何々)と記載すればよく、この記載をした場合、添付情報欄の住所証明書と記載すべきところに何も記載する必要はない(法務局、売買による所有権移転登記申請書の書式注2及び注9別紙1参照)。
 
==具体例==
===住所証明書===
[[自然人]]の場合[[住民票]]の写し、[[法人]]の場合[[登記事項証明書]]が原則である(1957年(昭和32年)3月27日民甲615号通達)。その他、在外日本人については[[在留証明書]]又は外国公証人の証明書(1958年(昭和33年)1月22日民甲205号回答)、[[認可地縁団体]]については地縁団体証明書([[地方自治法]]260条の2第12項・10項及び地方自治法施行規則21条・19条<ref>[http://law.e-gov.go.jp/cgi-binhtmldata/S22/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%92%6e%95%fb%8e%a9%8e%a1%96%40&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S22F00201000029&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1.html 地方自治法施行規則] (総務省法令データ提供システム)</ref>、1991年(平成3年)4月2日民三2245号回答)が該当する。
 
===代替物===
[[印鑑証明書]](1957年(昭和32年)5月9日民三518号回答)や[[戸籍の附票]](登記研究190-73頁)も住所証明情報として使用できる。一方、[[戸籍謄本]]は使用できない(1957年(昭和32年)年5月10日民甲916号通達)。
 
==オンライン庁の特則==
*概要
**オンライン庁においては([[不動産登記規則]]附則15条1項)、法務省令で定める情報を提供したときは、原則として住所を証する情報の提供は不要である([[不動産登記令]]9条)。法務省令で定める情報とは、[[住民票コード]]である(不動産登記規則36条4項、[[住民基本台帳法]]7条13号)。
 
*記載方法
**記載方法は、住所の後に(住民票コード何々)と記載すればよく、この記載をした場合、添付情報欄の住所証明書と記載すべきところに何も記載する必要はない(法務局、売買の申請書の書式、注2及び注9参照)。
 
==電子申請の特則==
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*「質疑・応答-3932 住所を証する書面について」『登記研究』190号、帝国判例法規出版社(後のテイハン)、1963年、73頁
*「質疑応答-5803 所有権の更正登記をする場合の住所証明書添付の要否について」『登記研究』391号、テイハン、1980年、110頁
*法務局 「[http://www.moj.go.jp/MINJIcontent/MINJI79/minji79-02-06000101555.pdf 所有者等の住所に変更があった場合の申請書の(オンライン庁)・記載例]」 [http://www.moj.go.jp/ 法務省] (PDFファイル)
*法務局 「[http://www.moj.go.jp/MINJIcontent/MINJI79/minji79-02-04000105676.pdf 不動産を売買により取得した場合の申請書の(オンライン庁)・記載例]」 [http://www.moj.go.jp/ 法務省] (PDFファイル)
*法務実務研究会 「質疑応答-92 単独名義を共有名義とする所有権の更正の登記申請と住所を証する情報の提供の要否」『登記インターネット』68号(7巻7号)、[[民事法情報センター]]、2005年、182頁