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頭痛 (会話 | 投稿記録)
書誌情報の詳細が一番大事なのかな。
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「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。」という一文に始まり、「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」と続く冒頭部分が有名である。初期の名作と評価される。
 
== 書誌情報 ==
1906年に『[[新小説]]』に発表された。1907年に『鶉籠(うずらかご)』に収録された。1914年に春陽堂から単独の単行本が出版された。1917年に漱石全集の第2巻に収録された。
 
*{{Cite book|和書|author=夏目金之助|authorlink=夏目漱石|date=1907-01-01|title=鶉籠|publisher=[[春陽堂]]|id={{近代デジタルライブラリー|885509}}|ref=夏目1907}}
*{{Cite book|和書|author=夏目金之助|authorlink=夏目漱石|date=1914-12-18|title=草枕|publisher=[[春陽堂]]|page=250|id={{近代デジタルライブラリー|917015}}|ref=夏目1914}}
*{{Cite book|和書|author=夏目漱石|authorlink=夏目漱石|date=1917-12-06|title=短篇小説集|series=漱石全集 第2巻|publisher=漱石全集刊行会|page=890|id={{近代デジタルライブラリー|957304}}|ref=夏目1917}}
 
==あらすじ==
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「西洋の詩になると、人事が根本になるからいわゆる詩歌の純粋なるものもこの境を解脱する事を知らぬ。どこまでも同情だとか、愛だとか、正義だとか、自由だとか、浮世の勧工場(かんこうば)にあるものだけで用を弁じている。いくら詩的になっても地面の上を馳けてあるいて、銭の勘定を忘れるひまがない。」
「 うれしい事に東洋の詩歌はそこを解脱したのがある。…超然と出世間的(しゅっせけんてき)に利害損得の汗を流し去った心持ちになれる。独坐幽篁裏(ひとりゆうこうのうちにざし)、弾琴復長嘯(きんをだんじてまたちょうしょうす)、深林人不知(しんりんひとしらず)、明月来相照(めいげつきたりてあいてらす)。ただ二十字のうちに優に別乾坤(べつけんこん)を建立(こんりゅう)している。…汽船、汽車、権利、義務、道徳、礼義で疲れ果てた後に、全てを忘却してぐっすり寝込む様な功徳である。」と芸術を東洋(中国や日本)の自然の中の人間と西洋の人の中の人間としてそれを対比している。
 
 
"''The Three-Cornered World''" は、アラン・ターニー (Alan Turney) が草枕の英訳に付けた題名である。ターニーは序文で「直訳すると ''The Grass Pillow'' になるがそれでは意味をなさない為この作品のテーマと考えられる一部分を題名にした」といった意味の事を書いている。これは「三」にある「して見ると四角な世界から常識と名のつく、一角を磨滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう」を踏まえたものである。
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==日本の近代化(西洋文明の摂取)について==
「二十世紀に睡眠が必要ならば、二十世紀にこの出世間的の詩味は大切である。惜しい事に今の詩を作る人も、詩を読む人もみんな、西洋人にかぶれているから、わざわざ呑気(のんき)な扁舟(へんしゅう)を泛(うか)べてこの桃源(とうげん)に溯(さかのぼ)るものはないようだ。余は固(もと)より詩人を職業にしておらんから、王維(おうい)や淵明(えんめい)の境界(きょうがい)を今の世に布教(ふきょう)して広げようと云う心掛も何もない。ただ自分にはこう云う感興が演芸会よりも舞踏会よりも薬になるように思われる。ファウストよりも、ハムレットよりもありがたく考えられる。」と批判している。
 
== 書誌情報 ==
1906年に『[[新小説]]』に発表された。1907年に『鶉籠(うずらかご)』に収録された。1914年に春陽堂から単独の単行本が出版された。1917年に漱石全集の第2巻に収録された。
 
*{{Cite book|和書|author=夏目金之助|authorlink=夏目漱石|date=1907-01-01|title=鶉籠|publisher=[[春陽堂]]|id={{近代デジタルライブラリー|885509}}|ref=夏目1907}}
*{{Cite book|和書|author=夏目金之助|authorlink=夏目漱石|date=1914-12-18|title=草枕|publisher=[[春陽堂]]|page=250|id={{近代デジタルライブラリー|917015}}|ref=夏目1914}}
*{{Cite book|和書|author=夏目漱石|authorlink=夏目漱石|date=1917-12-06|title=短篇小説集|series=漱石全集 第2巻|publisher=漱石全集刊行会|page=890|id={{近代デジタルライブラリー|957304}}|ref=夏目1917}}
 
==関連項目==
*[[前田卓]] - 那美のモデルとなった女性