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'''気団'''(きだん)とは、停滞性の[[高気圧]]により、[[気温]]や[[湿度]]などの性質が水平方向に広い範囲にわたってほぼ一定になり、一つの塊と見なせるようになった状態をいう。[[1930年]]に[[スウェーデン]]の[[気象学者]]である[[トール・ベルシェロン]]が定義し、分類を行った<ref name="mh">高橋ほか(1987):141ページ</ref>。
== 概要 ==
多くの気団は、季節の変化に伴って勢力と勢力圏を変える。気団の勢力変化や拡縮によって、それぞれの地域に特有の気候や[[気象現象]]が生み出される。広い海洋に発達する気団など、1年中勢力を維持する気団もあるが、ごく一部に限られる。
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停滞性高気圧は、主に赤道付近の低緯度と両極を取り巻く高緯度の地域で発生する。これらの地域は、水平方向の擾乱が少ないために均質な大気がまとまって存在しやすいため、気団を形成しやすい。
 
中緯度地域では、[[ジェット気流]]の流路付近を中心として[[大気擾乱]]が発生し、これが[[温帯低気圧]]を発生させて南北の大気を攪拌してしまう。さらに高気圧はジェット気流によって移動性となるため、大規模な気団は存在しない(地域的には、気団とみなせる高気圧圏が短期間季節的に発生する)。
 
複数の気団が接触すると、[[前線 (気象)|前線]]が生成され、[[低気圧]]が発達することがある。
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== 分類 ==
[[ファイル:Airmassesorigin.gif|thumb|right|200px|北アメリカの気候に影響を与える7つの気団]]
発生場所と、温度、湿度により以下のように分類される。[[略号]]は[[アルファベット]]2文字で表される。小文字のcは大陸性、小文字のmは海洋性、大文字のAは北極または南極、大文字のPは寒帯、大文字のTは熱帯、大文字のEは赤道を示す。それぞれ、[[英語]]での頭文字(大陸='''c'''ontinent、海洋='''m'''arinetine、北極='''A'''rctic、寒帯=Polar、熱帯='''T'''ropical、赤道='''E'''quator)が使われている。
 
大陸性気団は乾燥、海洋性気団は湿潤である。また、北極や南極の気団は非常に低温で、寒帯、熱帯、赤道の順に暖かくなってくる。南極にはcAしか存在せず、そのまわりをmPが取り囲んでいる。(北極には大陸性気団と海洋性気団が存在するが、南極には海洋性気団がない)また、北極海洋性気団も冬季には、海が凍結するために湿度が低くなり、北極大陸性気団とあまり変わらなくなる。
 
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