「光くしゃみ反射」の版間の差分

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== 研究 ==
[[ネコ]]に対する研究では、[[中脳]]に存在する対光反射の中枢([[エディンガー・ウェストファル核]]、[[Edinger-Westphal核]]、[[EW核]])から出た神経突起が、[[虹彩]]の[[瞳孔括約筋]](瞳を小さくする筋肉)を調節する[[神経細胞]]([[毛様体神経節]])だけではなく、[[鼻汁]][[分泌]]を調節する神経細胞(翼口蓋神経)にも到達していることが示されている<ref>『Intraocular projections from the pterygopalatine ganglion in the cat.』 Satoshi Kuchiiwa, The Journal of Comparative Neurology, vol.300, pp. 301-308, 1990.</ref>。おそらく、まぶしさを感じた瞬間、[[対光反射]]中枢は虹彩の瞳孔括約筋を収縮させると同時に、鼻腺に鼻汁分泌を起こさせるのだろう。鼻汁の分泌は鼻粘膜にムズムズとした感覚を起こさせ、この刺激が感覚神経([[三叉神経]])を介して中枢に伝えられ、[[くしゃみ反射中枢]]が作動し、くしゃみが起こる。したがって、この神経連絡が光くしゃみ反射に関係している可能性が高いと考えられる。対光反射に要する時間は短時間であるため、くしゃみ反射の継続時間も短い。そのため、くしゃみの回数は1回、または多くて2回から3回であり、通常それ以上は連続して起こらない。
 
光くしゃみ反射に関する[[比較解剖学]]的研究や[[系統発生学]]的研究(進化学的)は行われていないので、他の動物でもこの反射が存在するのかどうか明らかではない。なぜまぶしい時にくしゃみをするのか、その意義も不明である。先祖の動物に必要だった反射が遺伝的に現在の人類に引き継がれているのかもしれない。これに関しては下記の注釈で少し触れる。