「プラークリット」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
14行目:
 
==演劇プラークリット==
プラークリットは、インド古典劇でも利用され、サンスクリットと併用された。このようなプラークリットは{{仮リンク|演劇プラークリット|en|Dramatic Prakrit}}と呼ばれる。インドの古典劇において、サンスクリットはバラモン・王・学者・大臣・将軍等高級軍人などの男性、及び第一王妃、大臣の娘、尼僧、高級娼婦などが使用した。これに対してプラークリットは婦人・子供・地位の低い男性が用いた。更に

演劇プラークリットには、{{仮リンク|シャウラセーニー語|en|Shauraseni language}}、{{仮リンク|マハーラーシュトリー語|en|Maharashtri}}、{{仮リンク|マーガディー語|en|Magadhi Prakrit}}の三種類があり使い分けされた。通常劇では、サンスクリットとシャウラセーニーが利用され、シャウラセーニーを利用する登場人物が韻文を使う時はマハーラーシュトリーが利用された。マハーラーシュトリーは抒情詩にも利用された。マーガディーは極めて地位の低い男性に用いられた。このように、同一劇の中で3種類のプラークリットが使い分けられた。なお、演劇用プラークリットは劇中に登場する、劇中言語としての口語であって、劇が作成された時代(3世紀から10世紀頃)にあって、実際の日常生活の口語ではなかった。元は口語だったが、インド古典劇の時代にあっては演劇専用口語言語として”文語化”していたものと推測されている。

シャウラセーニーは中北インド地方で前五世紀に利用された口語との説があり、中世には[[カリー・ボリー]]語となり、現代の[[ヒンドゥスターニー語]]、[[パンジャーブ語]]等へと発展した。マーガディーはマガダ地方の口語(インド東部・ベンガル・ネパール地方)、シャカが用いた言葉との説があり、アショーカ王の勅令で利用された言語で、現代の[[ビハール語]]、[[ベンガル語]]、[[オリヤー語]]などの祖語となった。マハーラーシュトリー語は前500年頃から後500年の間の1000年間利用され、北は[[マールワー]]、[[ラージプート]]、南は[[クリシュナ川]]、[[トゥンガバドラー川]]付近で使われていた。現代の[[シンハラ語]]、[[マラーティー語]]、[[コンカニ語]]の祖語となった。
 
==参考文献==