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{{otheruses|[[童話]]の「赤ずきん」|[[2011年の映画|2011年]]の[[アメリカ合衆国の映画]]|赤ずきん (映画)|}}
{{文学}}
『'''赤ずきん'''』('''あかずきん'''、赤ずきんちゃん、{{Lang-fr-short|Le Petit Chaperon rouge}}、{{Lang-de-short|Rotkäppchen}})は、[[童話]]の1つである。[[シャルル・ペロー|ペロー]]童話集や[[グリム童話]](KHM 26)にも収録されている。
 
== あらすじ ==
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=== グリム童話の赤ずきん ===
グリム童話の『赤ずきん』は長い間、[[ドイツ]]のとある[[農家]]の非[[識字]]者である老婆が語る話を聞き取り、手を加えずに原稿に起こし[[出版]]したものであると信じられていた。しかし、実は話の提供者にそんな人物は一人もいないということが[[{{仮リンク|ハインツ・レケ]]|de|Heinz Rölleke}}の研究により判明した。
 
赤ずきんの話の提供者は、ヘッセン選帝侯国に属する高級官僚の娘たちである。良家の子女である彼女たちは、もちろん読み書きを習得していただろう。したがって、彼女たちがペローの童話を読んでいた可能性は充分ある。そのことから、赤ずきんはドイツ土着の物語ではないとする説もある{{誰2|date=2011年1月}}
 
さらにグリムは、版を重ねるごとに話の内容に手を加えていった。赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるというエピソードを追加したのは彼ら兄弟である<ref name="imi"/>。
 
=== 近現代における赤ずきん ===
赤ずきんの物語は世界中で愛され、[[シャルル・ギュオー]]や[[デ・ラ・メア]]など様々な作家が赤ずきんのパロディ作品を世に出している。おばあさんが狼と赤ずきんを食べてしまうという[[{{仮リンク|ヨアヒム・リンゲルナッツ]]|de|Joachim Ringelnatz}}の『クッテル・ダッデルドゥが子どもたちに赤ずきんのお話を聞かせる』や、赤ずきんがおばあさんに化けた狼を見抜き、即座に銃で撃ち殺すという[[ジェームズ・サーバー]]の『少女と狼』などが有名である。
 
== 解説 ==
[[File:Offterdinger Rotkappchen (2).jpg|thumb|180px|縁無し帽の赤ずきん(19世紀後半、[[{{仮リンク|カール・オフターディンガー]]|de|Carl Offterdinger}}画)]]
 
=== 語源 ===
タイトルの{{Lang-de|''Rotkäppchen''}}は、{{Lang|de|Rot-käpp-chen}}の3節からなる複合語である。{{Lang|de|Rot}}は英語の{{Lang|en|red}}にあたる。{{Lang|de|käpp}}はKappe(≒cap、ふちのない帽子の意)という元の語が、語合成に伴い短縮化・[[ウムラウト]]化したものである。{{Lang|de|chen}}は、小さいもの・愛らしいものといった意味の接尾辞であり、また転じて俗に日本語で「○○ちゃん」と愛称するのと同様にも使用される。
 
つまり、{{Lang|de|''Rotkäppchen''}} は意味を取れば「赤い帽子のおちびさん」となり、節に分解した {{Lang|de|Rot-käpp-chen}} では、「赤-帽子-ちゃん」であるといえる。英語版のタイトルは、"Little Red Riding Hood"で、これは「乗馬用コート」である。赤ずきんの絵本でよく見る前開きのコートは、乗馬のため都合が良いようにデザインされたもので、子どもにこういうコートを仕立てさせることのできる家柄が想像される。
 
===作品の背景===
ドイツの社会史研究者の中{{誰|date=2011年1月}}には、「赤ずきんの家庭に[[父親]]が不在であること」そして「おばあさんが近隣に他の家がないような場所に住み、近くを通りがかったのは猟師であった」などという点から、[[飢饉]]が続いた[[近世]]の初期、口減らしのために山に姥捨てにされたおばあさんのところまで内緒で食料を届けに行っていた少女の家庭環境や時代背景に絡め作られた話なのではないか、と推理する向きもある{{要出典|date=2011年1月}}。
 
=== 深層心理学的解釈 ===
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精神分析学者の[[エーリッヒ・フロム]]や[[ブルーノ・ベッテルハイム]]等は『赤ずきん』をはじめとしたメルヘンを読んで精神分析的解釈をし,民間伝承や[[民俗学]]に関して様々な考察をしたが、これらは間違ったものが多かった。
 
なぜなら今日知られている「赤ずきん」の話の内容の多くは[[シャルル・ペロー]]が創作したものであって歴史が浅いので、それを読んでも民俗学的知識が得られるはずがなかったのである。例えば「赤ずきん」に出てくるずきんの赤さをフロムは「月経の血」、ベッテルハイムは「荒々しい性的衝動」と解釈したが、ずきんを赤くしたのはペローのアイデアであった<ref name="imi"/>。メルヘン学者の[[{{仮リンク|ロバート・ダントン]]|de|Robert Darnton}}は彼らを批判し、「精神分析学者のフロム氏は存在しない象徴を超人的な敏感さで嗅ぎとって、架空の精神世界へ我々を導こうとした」と述べた<ref name="imi"/>。
 
== 脚注出典 ==
{{Reflist}}
 
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== 外部リンク ==
* [http://www.aozora.gr.jp/cards/001091/card42311.html 『赤ずきんちゃん』楠山正雄・訳:新字新仮名]([[青空文庫]])
 
{{DEFAULTSORT:あかすきん}}
 
[[Category:グリム童話]]
[[Category:ペロー童話集]]