「オーロビンド・ゴーシュ」の版間の差分

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オーロビンドの主な哲学的業績の1つは[[ヴェーダーンタ学派|ヴェーダーンタ哲学]]に進化の概念を導入するはずであったが、[[サーンキヤ学派|サーンキヤ哲学]]が既に1世紀前にこのような概念を提唱していた。しかしオーロビンドはダーウィン説とサーンキヤ哲学双方の物質主義への傾倒に異を唱え、物質よりもむしろ精神の進化を重視することを提唱した。<ref>サーンキヤ学派の開祖カピラが進化論の祖であるとしたのはH・P・ブラヴァツキーであるが、実際のサーンキヤ学派はダーウィンにおけるような進化並びに彼女のいう「進化」も主張しない。</ref>
 
彼はヴェーダーンタ哲学の代表的な思想の一つである不二一元論(アドヴァイタ)の 幻影論(Mayavada)<ref>Mayaは幻影、vadaは主義といった意味。シャンカラから始まる不二一元論における考え方の一つ。詳細は前田専学著『ヴェーダーンタの哲学』を参照のこと。 </ref>に異を唱えた。幻影論は基本的にこの世界がどこまでいっても破壊と再生を繰り返す、ブラフマンの絶対性とは程遠い相対的なものだとする。しかしオーロビンドはこの世界も、その内の人間も絶対性を獲得しうると主張した。
 
オーロビンドにおいてこの世界はブラフマンのInvolution(退縮、内化など訳語が定まっていない)によって生じる。これによって世界が顕現し、世界の内に魂(soul)が内在化して、徐々に霊的な進化を遂げていく。彼によればこの霊的進化には物質(ex.鉱物)、生命(ex.動物)、精神(人間)といった段階が存在し、それは意識の発展段階でもある。ここにおける意識とはブラフマンもまたアートマン(真の自己)であるとする真理把捉の能力であり、上昇するに連れてその真理へ近づいていく。