「ルイ・クープラン」の版間の差分

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===クラヴサン作品===
ルイ・クープランのクラヴサン作品の大部分は、[[ジャック・シャンピオン・ド・シャンボニエール|シャンボニエール]]と同じく、リュート曲の伝統に基づいた[[舞曲]]作品が占めていであるが、ルイ・クープランの作品はシャンボニエールのものに比べ、より複雑で劇的な性格を持っている。中でも重要なクラヴサン作品の全体のほぼ3分2[[アルマンド]]、[[クーラント]]、[[サラバンド]]、[[ジグ (音楽)|ジーグ]]で占められるが、その他に[[パッサカリア]]と[[シャコンヌ]]が重要である。両者の区別は既に曖昧となっており、しばしば[[ロンド形式]]を取る。[[パヴァーヌ]]嬰ヘ短調は、その厳粛な雰囲気と特殊な調性から、[[サーストン・ダート]]は[[エヌモン・ゴーティエ]]を偲んだ作品ではないかと推察している<ref>嬰ヘ短調はリュートではエヌモン・ゴーティエの「山羊」という曲で変則調弦によって用いられたので山羊の調 (ton de la Chèvre)として知られる。一方、当時のクラヴサンの調律法には不向きな調であり、あまり例がない。</ref>。これらの舞曲は基本的に[[組曲]]の形では残されていないが、現在演奏される場合は、適宜同じ調の作品で組曲を構成することが一般的である。
 
一方で、ルイ・クープランのクラヴサン作品の中で注目すべきジャンルとして、[[プレリュード・ノン・ムジュレ]]が挙げられる。ルイ・クープランはクラヴサンのためのプレリュード・ノン・ムジュレを残した最初の作曲家であると見なされている。ルイ・クープランはこの非定量的なプレリュードを、時に挿入される[[対位法]]的な部分を除いては、[[音価]]の区別なく[[音符|全音符]]のみによって記譜し、多様な[[スラー]]によって演奏の指示を与えている。