「御用商人」の版間の差分

[[江戸幕府]]を開いた[[徳川家康]]も、[[三河国]]を支配していた時代から御用商人を持っていたが、特に幕府成立後に公儀呉服師に任じられることになる呉服商は、単に呉服を扱うだけではなく、兵粮や武具などの軍需物資の確保と輸送、対外交渉など幅広い分野で活躍し、時には当主（家康・[[徳川秀忠|秀忠]]）に近侍して戦場に立つ場合もあった。江戸幕府成立時に公儀呉服師に任じられたのは、[[後藤縫殿助]]・[[茶屋四郎次郎]]・[[亀屋栄任]]の3名であった。この他に著名な御用商人としては[[後藤庄三郎]]がおり、彼も元は徳川家で金銀細工の職人を束ねる存在であったが、江戸幕府成立後には[[金座 (歴史)|金座]]・[[銀座 (歴史)|銀座]]の支配を一任され、武鑑類では御用商人の筆頭に挙げられた。他にも摂津平野の末吉家、京都の角倉家、伊勢の角屋家、長崎の末次家など、主要都市に御用商人を有して、商業・貿易・鉱山・林業・輸送などの諸分野で活躍するとともに、江戸幕府の都市支配に協力する立場を取った。