「食品廃材」の版間の差分
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== 概要 ==
古くから[[家畜]]の[[飼料]]や[[肥料]]、二次的な生産物の材料に広く利用されてきたが、現代では食糧生産が大規模になるにつれ、より大量の食品廃材が発生する。食品が素材のまま消費者の手に渡っていた時代から、消費者が消費しやすい形に加工した商品として流通するようになるにつれ、生産地においては大量の食品廃材が生まれることになった。これらの食品廃材はそのまま環境に廃棄すれば[[環境破壊]]に繋がる事も在るが、[[消費]]の方は様々な理由により滞りがちで、大きな社会問題となっている。
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== 利用 ==
=== 動物性食品廃材 ===
動物性食品廃材とは、主に[[家畜
; 皮革 : [[皮革]]は加工されて様々な[[工業製品]]・[[工芸品]]となる。また様々な工程を経て、[[食品]]として利用する地域もあり、[[インドネシア]]等では乾燥させた牛の皮を、水で戻して油で揚げたチップスが販売されている。また[[化粧品]]・[[医薬品]]の原料となる[[コラーゲン]]や、[[グミ]][[キャンディー]]・[[ゼリー]]の原料となる[[ゼラチン]]もこれら家畜の皮革および食品としての価値が低い筋や骨などから抽出される。▼
==== 皮革 ====
; 内臓 : [[肝臓]]や[[心臓]]など一部は[[レバー (肝臓)|レバー]]や[[ハツ]]などの食品としてそのまま、または加工されて出荷されている。それ以外の物は、骨とともに粉砕・高温の蒸気で加熱処理されて肉骨粉として、家畜飼料や肥料に用いられてきた。▼
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; 骨格 : これらは[[スープ]]の[[出汁]]を取るために煮込まれたり、内臓と共に粉砕加熱処理されて肉骨粉となったり、焼却・破砕され、肥料として利用される。また近年では焼却灰を建材に利用する等もしている。最近ではこれらに加えて焼却後の[[灰分]]から[[アパタイト]]等の工業原料が生産され、[[医療]]・[[工業]]・[[建築]]の多方面に渡る利用が進んだり、[[カニ]]の殻から抽出された[[キチンキトサン]]が健康食品原料や医療方面で利用が進んでいる。また、[[ホタテガイ|ホタテ]]や[[カキ (貝)|カキ]]の貝殻から[[チョーク]]が作られるほか、[[土壌改良材]]などを作る研究開発も進められている。そのほかにカルシウム摂取用のサプリメントなども作られている。▼
===== ゼラチン抽出 =====
また[[化粧品]]・[[医薬品]]の原料となる[[コラーゲン]]や、[[グミ]][[キャンディー]]・[[ゼリー]]の原料となる[[ゼラチン]]もこれら家畜の皮革および食品としての価値が低い筋や骨などから抽出される。
2012年には[[中国中央電視台]]が、[[中国]][[青海省]]や[[吉林省]]、[[四川省]]、[[河南省]]の製薬会社で廃棄された革製品からゼラチンを抽出し、薬用[[カプセル]]として加工されており、当局の調査で重金属[[クロム]]が検出されたと報道した<ref>「中国のゼラチンは革靴製、そして業者は大儲け」livedoorニュース。2012年04月28日</ref><ref name="kosei">[http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/attachment/75094.pdf 「中国の安全基準値を超えるクロムを含有する薬用ゼラチン等について」][[厚生労働省]]医薬食品局平成24年5月11日</ref>。中国では工業用ゼラチンの食用利用は禁止されている。日本では[[厚生労働省]]医薬食品局が中国政府の発表にもとづき、これらの製薬会社のカプセルを使用しないように各自治体に通達した<ref name="kosei"/>。
==== 内臓 ====
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[[屑肉]]も加工されるが、近年、[[アメリカ合衆国]]では「[[ピンクスライム]]」とよばれる屑肉加工品が[[食の安全]]から問題視されている。
==== 骨格・殻 ====
骨格は[[スープ]]の[[出汁]]を取るために煮込まれたり、[[内臓]]と共に粉砕・高温の蒸気で加熱処理されて[[肉骨粉]]として家畜[[飼料]]や肥料に用いられてきた。
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===== 焼却灰 =====
近年では焼却灰を建材に利用する等もしている。最近ではこれらに加えて焼却後の[[灰分]]から[[アパタイト]]等の工業原料が生産され、[[医療]]・[[工業]]・[[建築]]の多方面に渡る利用が進んでいる。
=== 植物性食品廃材 ===
植物性食品廃材は植物から可食部となる[[果実|実]]等を取った残りである一次的食品廃材と、可食部を加工した際に残る二次的食品廃材がある。古くから一次的食品廃材は乾燥ののちに燃料として利用したり、発酵させて肥料として利用されたりしてきた。
==== コメ ====
日本では[[米]]の生産において発生する[[藁]]を[[草鞋]]・[[蓑]]・[[ロープ|縄]]・[[俵]]・[[莚]]といった、様々な工芸品に利用してきた。世界的にも概ね、似たような文化がある。日本国外の例を挙げれば[[トウモロコシ]]の芯であるが、これらは乾燥され、様々な工芸品の材料となる。トウモロコシの芯で作った[[コーンパイプ]]は、[[ポパイ]]や[[ダグラス・マッカーサー|マッカーサー]]が愛用し、トレードマークとなっている。▼
日本では[[米]]の生産において発生する[[藁]]を[[草鞋]]・[[蓑]]・[[ロープ|縄]]・[[俵]]・[[莚]]といった、様々な工芸品に利用してきた。
更
====トウモロコシ ====
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==== バイオマスエタノール ====
近年では、[[砂糖]]製造の際に残る[[廃糖蜜]]を発酵させ、[[バイオマスエタノール]]といわれる[[アルコール]]類を製造するのに利用している。これによって得られたアルコールが、アルコール[[内燃機関]]や[[燃料電池]]の燃料として利用できることから、未来のエネルギー源としても期待が寄せられている。なお最近では、廃糖蜜のみならず、植物に豊富に含まれる[[セルロース]]を分解して糖を抽出、更にその糖を発酵させてアルコール生産する研究も進められている。
==== 紙としての再利用 ====
ほかにも植物繊維を豊富に含むものについては[[紙]]として利用されていることがある。藁、バナナ、[[サトウキビ]]の搾りかす([[バガス]])などを用いた紙が作られている。
== 脚注 ==
<references />
== 関連項目 ==
*[[廃棄物]]
*[[中国産食品の安全性]]
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