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また日の出の際に太陽が欠けた状態で上る場合を特に'''日出帯食'''、逆に欠けた状態で日の入りを迎える場合を'''日没帯食'''と呼ぶ。この場合いずれも食の最大を迎える前と食の最大を過ぎた後に分類される。
 
== 観測 ==
[[ファイル:Solar eclips 1999 6.jpg|thumb|right|200px|ダイヤモンドリング]]
[[ファイル:Pendant l'Eclipse - 1912 by Eugène Atget.jpeg|thumb|right|200px|皆既日食を観察する人々([[1912年]][[4月17日]])]]
[[ファイル:Annular solar eclipse projected onto the equatorial mount.JPG|thumb|right|200px|[[赤道儀]]を使用した観測。[[2012年]][[5月21日]]([[山梨県]][[甲府市]])]]
皆既日食の際、普段は光球の輝きに妨げられて見ることができない[[コロナ]]や[[紅炎]]の観測が可能になり太陽の構造・物理的性質を調べる絶好の機会となり、太陽のみならず恒星一般の研究にも大きな役割を果たす。
 
月の表面にある起伏の谷間から太陽の光が点々と見える状態になることがある。これを、原理を解明した[[フランシス・ベイリー]]の名を取って'''[[ベイリー・ビーズ]]'''(ベイリーの数珠)といい、古くから月に起伏がある証拠とされてきた。
 
また太陽がすべて隠れる直前と直後(より正確には直後のみ:直前はリングにあたるコロナが見えないので)には太陽の光が一ヵ所だけ漏れ出て輝く瞬間があり、これを'''ダイヤモンドリング'''と言う。
 
皆既日食が起こると空がかなり暗くなり星の観測も可能な状態になる。そのわずかな時間を利用して[[1919年]]、[[一般相対性理論]]の検証が[[アーサー・エディントン]]によって行なわれた。
 
皆既日食中に太陽周辺の星を観測すると、星からの光は太陽の[[重力場]]を通ってきて屈曲することになる。一般相対性理論で予想される方向と実際に観測された方向とを比較することで、一般相対性理論の確かさが確認された。
=== 観測方法と注意点 ===
太陽光は光量が大きく有害な[[紫外線]]なども含まれるため、肉眼で直接観測すると[[日食網膜症]]を引き起こし、[[網膜]]の[[やけど]]や[[後遺症]]、ひどい場合には[[失明]]を引き起こすことがあるため一定の性能を満たした観測機器が必要となる。
* 日食観察グラス(日食グラス)による観測
: 日食を日食観察グラス(日食グラス)で観測する場合、一旦太陽に背を向けてグラスを目に当ててから太陽に向かって振り向くという動作をしなければならない。日食観察グラスの品質や性能についても留意が必要であり、透過率は可視光線で0.003%以下、赤外線で3%以下とされ(いずれも目安)、室内の蛍光灯を見てかすかに確認できる程度の見え方であり、LEDライトなどの強い光にかざしたときにひび割れや穴等の損傷が無いものであることが必要となる<ref name="caa">[http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120516kouhyou_1.pdf 日食観察用グラスの使用に当たっての注意喚起] 消費者庁</ref>。すすを付着させたガラスや通常市販されている黒色の下敷き、カラーネガフィルムによる遮光では不十分である。また、上記のような適切な専用機器を使って正しい観測方法を行ったとしても、時間的な間隔を置かずに継続して観測するによって日食網膜症を引き起こすこともあり、1分観測するごとに2~3分程度の休憩を取ることがベストだとされており、市販されている日食グラスにもその旨の警告がなされている。
* 減光フィルターを装着した天体望遠鏡・双眼鏡による観測
* 太陽投影板での観測
* [[太陽望遠鏡]]による観測
<gallery>
Solar Eclipse Observation - Kolkata 1220425.JPG|溶接用の[[保護面|遮光面]]で観測する人。日食の観測にはこのような強力な遮光が必要
Solar Eclipse 15 Jan 2010 reflection on floor at pallipalayam.jpg|小さな穴を通した影は日食の形になる<ref name="mext120418">日本天文協議会、日本眼科学会、日本眼科医会、2012「[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/03/27/1319109_1_1.pdf 別紙 2012年5月21日(月曜日) 日食を安全に観察するために]」『[http://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/space/urishitsu/detail/1319960.htm 平成24年5月21日の日食の観察における幼児・児童・生徒の安全確保に係る注意事項について(平成24年4月18日文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付事務連絡)]』2012年2月</ref>
Crescent Shadows from tree on wall May 20 2012 Partial Solar Eclipse .theora.ogv|[[木漏れ日]]も太陽像を呈する<ref name="mext120418" />
</gallery>
 
== 原因 ==
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* 月縁が太陽から完全に離れた瞬間を'''第4接触'''と呼ぶ。
* それぞれ第1接触を'''初虧'''(しょき)、第2接触を'''食既'''(しょっき)、食の最大(中心食)を'''食甚'''(しょくじん)、第3接触を'''生光'''(せいこう)、第4接触を'''復円'''(ふくえん)ともいう。
 
== 観測 ==
[[ファイル:Solar eclips 1999 6.jpg|thumb|right|200px|ダイヤモンドリング]]
[[ファイル:Pendant l'Eclipse - 1912 by Eugène Atget.jpeg|thumb|right|200px|皆既日食を観察する人々([[1912年]][[4月17日]])]]
[[ファイル:Annular solar eclipse projected onto the equatorial mount.JPG|thumb|right|200px|[[赤道儀]]を使用した観測。[[2012年]][[5月21日]]([[山梨県]][[甲府市]])]]
皆既日食の際、普段は光球の輝きに妨げられて見ることができない[[コロナ]]や[[紅炎]]の観測が可能になり太陽の構造・物理的性質を調べる絶好の機会となり、太陽のみならず恒星一般の研究にも大きな役割を果たす。
 
月の表面にある起伏の谷間から太陽の光が点々と見える状態になることがある。これを、原理を解明した[[フランシス・ベイリー]]の名を取って'''[[ベイリー・ビーズ]]'''(ベイリーの数珠)といい、古くから月に起伏がある証拠とされてきた。
 
また太陽がすべて隠れる直前と直後(より正確には直後のみ:直前はリングにあたるコロナが見えないので)には太陽の光が一ヵ所だけ漏れ出て輝く瞬間があり、これを'''ダイヤモンドリング'''と言う。
 
皆既日食が起こると空がかなり暗くなり星の観測も可能な状態になる。そのわずかな時間を利用して[[1919年]]、[[一般相対性理論]]の検証が[[アーサー・エディントン]]によって行なわれた。
 
皆既日食中に太陽周辺の星を観測すると、星からの光は太陽の[[重力場]]を通ってきて屈曲することになる。一般相対性理論で予想される方向と実際に観測された方向とを比較することで、一般相対性理論の確かさが確認された。
=== 観測方法と注意点 ===
太陽光は光量が大きく有害な[[紫外線]]なども含まれるため、肉眼で直接観測すると[[日食網膜症]]を引き起こし、[[網膜]]の[[やけど]]や[[後遺症]]、ひどい場合には[[失明]]を引き起こすことがあるため一定の性能を満たした観測機器が必要となる。
* 日食観察グラス(日食グラス)による観測
: 日食を日食観察グラス(日食グラス)で観測する場合、一旦太陽に背を向けてグラスを目に当ててから太陽に向かって振り向くという動作をしなければならない。日食観察グラスの品質や性能についても留意が必要であり、透過率は可視光線で0.003%以下、赤外線で3%以下とされ(いずれも目安)、室内の蛍光灯を見てかすかに確認できる程度の見え方であり、LEDライトなどの強い光にかざしたときにひび割れや穴等の損傷が無いものであることが必要となる<ref name="caa">[http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120516kouhyou_1.pdf 日食観察用グラスの使用に当たっての注意喚起] 消費者庁</ref>。すすを付着させたガラスや通常市販されている黒色の下敷き、カラーネガフィルムによる遮光では不十分である。また、上記のような適切な専用機器を使って正しい観測方法を行ったとしても、時間的な間隔を置かずに継続して観測するによって日食網膜症を引き起こすこともあり、1分観測するごとに2~3分程度の休憩を取ることがベストだとされており、市販されている日食グラスにもその旨の警告がなされている。
* 減光フィルターを装着した天体望遠鏡・双眼鏡による観測
* 太陽投影板での観測
* [[太陽望遠鏡]]による観測
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Solar Eclipse Observation - Kolkata 1220425.JPG|溶接用の[[保護面|遮光面]]で観測する人。日食の観測にはこのような強力な遮光が必要
Solar Eclipse 15 Jan 2010 reflection on floor at pallipalayam.jpg|小さな穴を通した影は日食の形になる<ref name="mext120418">日本天文協議会、日本眼科学会、日本眼科医会、2012「[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/03/27/1319109_1_1.pdf 別紙 2012年5月21日(月曜日) 日食を安全に観察するために]」『[http://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/space/urishitsu/detail/1319960.htm 平成24年5月21日の日食の観察における幼児・児童・生徒の安全確保に係る注意事項について(平成24年4月18日文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付事務連絡)]』2012年2月</ref>
Crescent Shadows from tree on wall May 20 2012 Partial Solar Eclipse .theora.ogv|[[木漏れ日]]も太陽像を呈する<ref name="mext120418" />
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== 日食の神話 ==