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'''チュニック''' (英語:tunic, フランス語:tunique) とは、衣服の名称の一つ。丈が長め(腰から膝ぐらいまで)の[[トップス (衣服)|上着]]を指す。
[[File:Jonathan Bourne-May.jpg|thumb|200px|right|[[近衛兵 (イギリス) |イギリス近衛兵]]の赤いチュニック]]
'''チュニック''' (英語:tunic, フランス語:tunique) とは、[[古代ギリシャ]]・[[古代ローマ|ローマ]]時代から[[ヨーロッパ]]で使用されている衣服の呼称。”チュニック”と呼ばれる衣服には時代によって様々なものがあり、上着であるものもあれば、アンダースカート等の下着もある。
 
現在の日本では主に、女性用のカジュアルな上衣と位置づけられている、ゆるやかな短めの[[ワンピース]]のバリエーションで、丈が腰の位置から膝丈程度のものをさす。
 
欧米ではその他に、19世紀中半から[[軍服]]として使用されるようになった、日本では明治以降[[学ラン]]として普及している、[[詰襟]]で腰丈の上着も”チュニック”と呼ばれており<ref>辻元 よしふみ,辻元 玲子 『スーツ=軍服!?―スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった!!』 彩流社、2008年3月。ISBN 978-4-7791-1305-5。</ref><ref>石井理恵子,横山明美 『英国男子制服コレクション-British male uniform collection-』 新紀元社、2009年8月。ISBN 9784775307403。</ref>、転じて現在主流となっている[[背広]]型軍服の上着もそう呼ばれている<ref>例:Army Regulation 670–1(アメリカ陸軍服装規定)</ref>。
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== チュニックの起源 ==
[[File:Tunikaklädd romersk arbetare.jpg|thumb|200px|right|古代ローマのチュニック]]
チュニックの語源は、[[古代ギリシャ]]・[[古代ローマ|ローマ]]や中世の[[東ローマ帝国]]で用いられていた「トゥニカ」 (tunica) であり、男性用も含む広いこれは[[上着貫頭衣]]のない[[コート]]状のから発展した筒型全般包含し、指す。その長さも地面に達するものから膝丈程度の長いものが主であった。
 
チュニックの形状は、筒状のものもあれば、アンダーバストで切り替えて[[Aラインドレス]]のように自然に裾を広げるもの、腰の位置で切り替えたり紐で結ぶようにして、裾を[[スカート]]のように幅広にするものなど多様であった。この場合でも上半身は比較的緩めのデザインとなる。
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== 現代のワンピースチュニック ==
[[画像:Vita_in_Bangladesh.jpg|thumb|200px|right|緑色のチュニックと黄色のズボンを重ね着した女性]]
 
現代のチュニックは、主に女性用のカジュアルな上衣と位置づけられている。
丈が腰の位置から膝丈程度の[[ワンピース]]状の衣服を指すが、チュニックはあくまでトップスであるため、[[ズボン]]、[[レギンス]]、[[ショートパンツ]]などの[[ボトムス]]と共に着るところでワンピースとは区別される。
 
=== チュニックの利用方法 ===
チュニックは、[[レギンス]]などのパンツルックのボトムスと併用して、マニッシュなスタイルに女性的なニュアンスを加える。また、透け感のあるチュニックを、[[Tシャツ]]や[[キャミソール]]などの上に着用することで、比較的シンプルなデザインの[[カットソー]]に対して、空気感、軽快さ、繊細さなどを加え、着こなしのバリエーションを広げることができる。通常の[[ワンピース]]とは単に総丈が違うだけではなく、よりカジュアルなシーンで着用されることが多い。また、緩やかな形状ゆえ、[[マタニティウェア]]として用いられることもある。この他、チュニックと[[ズボン]]の併用は、機能性や保護機能が高いことから、[[看護]]・[[介護]]などの業務を行う人々(男性を含む)の[[制服]]としても利用される。
 
=== チュニックの身生地 ===
チュニックの身生地は、[[綿]]、[[ポリエステル]]、[[ナイロン]]、[[レーヨン]]、[[アクリル繊維|アクリル]]など極めて多岐にわたる。重ね着を前提に、[[シフォン]]やダブル[[ガーゼ]]、[[パワーネット]]、[[ジャカード織]]、目の粗いパターン編みの[[ニット]]素材など、透け感の高い生地も利用される。また、素材に質感や変化を与えるため、[[シャンブレー]]、[[楊柳]]、[[シワ加工]]、[[パッチワーク]]、[[刺繍]]、[[ラインストーン]]などが施されることもある。また、カジュアルさを強調する場合は、裾や胸ヨーク、アンダーバストなどに[[フリル]]や[[リボン]]、[[レース (手芸)|レース]]テープトリミングなどを施して[[下着]]風・[[ベビードール]]風にアレンジしたり、[[カシュクール]]風に胸元を開ける、裾をイレギュラーに仕上げるなどの処理を行ったりする。
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=== 軍服 ===
[[File:Jonathan Bourne-May.jpg|thumb|200px|right|[[近衛兵 (イギリス) |イギリス近衛兵]]の赤いチュニック]]
欧米ではその他に、19世紀中半から[[軍服]]として使用されるようになった、日本では明治以降[[学ラン]]として普及している、[[詰襟]]で腰丈の上着(現代日本の[[学ラン]]の形状)も”チュニック”と呼ばれており<ref>辻元 よしふみ,辻元 玲子 『スーツ=軍服!?―スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった!!』 彩流社、2008年3月。ISBN 978-4-7791-1305-5。</ref><ref>石井理恵子,横山明美 『英国男子制服コレクション-British male uniform collection-』 新紀元社、2009年8月。ISBN 9784775307403。</ref>、転じて現在主流となっている[[背広]]型軍服の上着もそう呼ばれている<ref>例:Army Regulation 670–1(アメリカ陸軍服装規定)</ref>。
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== 脚注 ==
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== 参考資料 ==
* ブランシュ・ペイン 『ファッションの歴史 : 西洋中世から19世紀まで』 古賀敬子訳、八坂書房、2006年10月。ISBN 978-4-89694-880-6。
 
==関連項目==
{{ウィキポータルリンク|ファッション}}
*[[ワンピース]]
 
{{被服}}
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[[Category:アウターウェア]]
 
== 脚注 ==
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[[Category:アウターウェア]]
[[Category:軍服]]