削除された内容 追加された内容
Addbot (会話 | 投稿記録)
m ボット: 言語間リンク 3 件をウィキデータ上の d:q2853184 に転記
編集の要約なし
2行目:
'''太平洋高気圧'''(たいへいようこうきあつ、[[英語]]:Pacific High)は、[[太平洋]]に発生する温暖な[[高気圧]]である。[[亜熱帯高気圧]]の内の一つ。[[北太平洋]]に存在する'''北太平洋高気圧'''(きたたいへいようこうきあつ、North Pacific High)と、[[南太平洋]]に存在する'''南太平洋高気圧'''(みなみたいへいようこうきあつ, South Pacific High)の2つがある。また、大西洋では[[アゾレス高気圧]]がこれに相当する。
 
北太平洋高気圧の中心は[[ハワイ諸島]]近辺、北東太平洋上にあり、東西に張り出して、東側では[[アメリカ合衆国西海岸]]に年間を通じて温暖で乾燥した気候をもたらし、[[夏]]の[[日本]]の天気を支配する。その他の季節にも影響を及ぼすことがあり、冬に勢力が強いときは、[[寒気]]の南下を妨げることがある。広大な太平洋高気圧のうち、日本の南海上付近のものは[[小笠原諸島]]付近中心を持つことが多いことから'''小笠原高気圧'''(おがさわらこうきあつ、Ogasawara High)とも呼ばれる。
 
== 成因 ==
亜熱帯高気圧は太平洋特有のものではなく、北大西洋のアゾレス高気圧の他、南半球にも同様のものがある。これらの高気圧は地球規模の[[大気の大循環]]の一環として生成するものである。夏だけではなく年中存在する(夏だけしか存在しないと誤解されやすいが、それは正しくない)
 
[[赤道]]付近は強い日射のために暖められた海面や地上の空気が上昇し、[[対流圏界面]]まで達すると両極に向かって流れるが([[ハドレー循環]])、地球[[自転]]の影響を受けて次第に西寄りに向きを変え、北緯30度付近に来ると[[偏西風]]([[亜熱帯ジェット気流]])となり、赤道から来る空気が滞留、積もるため、地上に高気圧を形成し、余分な空気が[[下降気流]]となって海面(地表)付近に達して周囲に吹き出す。北太平洋海域の北太平洋高気圧は、夏季に最盛期を迎え、[[小笠原諸島]]方面から日本付近に張り出す。
15行目:
高気圧の勢力圏内は海上でも雲の無い晴天域が広がるが、周辺部では、温められた海面から発生した[[水蒸気]]が高気圧からの風で運ばれるため、湿度の高い気候になる。
 
日本列島も、太平洋高気圧(狭義には小笠原高気圧)の圏内に入れば乾燥した高温の晴天となるが、周辺部に入ると蒸し暑く、湿った気流の流入によって雷雨が起こりやすくなり、前線や、上層への寒気の流れ込みと重なると豪雨となって災害が起こる場合もある。小笠原高気圧を構成する[[小笠原気団]]は[[海洋]]にあるため高温・多湿と説明されることが多いが、夏季はその温度の割に湿度が低いため、乾燥する。仮に、小笠原諸島周辺に大陸があったと仮定すれば、砂漠になっていた可能性がある。
 
== チベット高気圧との関連 ==
日本列島付近は太平洋高気圧の勢力範囲としてはむしろ周辺部に当り、この高気圧のために定常的に高温乾燥気候が持続する事は少ないが、暖候期にチベット高原の上空の圏界面近くに発達するチベット高気圧が、時に西日本付近にまで伸びてくることがあり、その場合は太平洋高気圧の更に上層部に高気圧が重なる形になるので、高気圧の背が更に高くなり、しかも安定する。そのため西日本を中心に高温で雨の降らない状態が長続きし、深刻な干ばつ・渇水をもたらす事がある。
 
== 関連項目 ==